我が子を愛せるか不安な妊婦…ネガティブ妄想で自己嫌悪


子どもが産まれてくることを喜べない…

【晴香葉子のお悩み相談 ~今度は大丈夫~】

<妊娠・出産>
先生、はじめまして。いつも色々な相談に考えさせられ、参考にさせてもらっています。

私は現在はじめての妊娠中です。母子ともに順調です。私の友人も、初産で出産間近です。

我が子の誕生を心待ちにしてるようで、いかに今後の生活が楽しみか、語ってくれます。

私もその話を聞いて心から共感したいのですが、それができません。

私には甥と姪がいて赤ちゃんの頃から接していました。その時の大変だった経験を思い出すと、楽しみどころか億劫で、気が重くなってしまうのです。

友人の話を聞くたび、自分の母性を疑ってしまいます。

せっかく我が子が産まれるのにネガティヴな事ばかり妄想する自分も嫌です。先生のご意見を頂ければ幸いです。
(マミコ・香川・女性・33歳)

<心理解説&アドバイス>
マミコさん、母子ともに順調とのこと、何よりですね。ご懐妊おめでとうございます。

大丈夫です。マミコさんは、良いお母さんになると思いますよ。3つ解説します。

1.現実を知っているとストレスも少ない

マミコさんは、甥と姪に赤ちゃんの頃から接してきたとのこと。おそらく、育児も手伝ってきたのだと思います。

大変だった現実を知っていると、その分、後から「こんなに大変だなんて思わなかった」ということにはならずに済むという強みがあります。

可愛い赤ちゃんが欲しくて欲しくて、生まれることを何より楽しみにしていた夫婦が、生まれてみたら世話が大変で、思うようにいかず、可愛さよりも苛立ちが勝ることが増え、喧嘩ばかりするようになり、押し付け合い、結局それが原因で別れてしまった、というケースもあります。

マミコさんの場合は、現実を知っている分、期待とのギャップが少なく、必要な子育てをたんたんと続けることができると思います。助産婦さんや保育士さんに多くみられる子育ての様子です。

2.子をもつと、他の子も可愛くなってくる

出産前は、子への愛情について不安に思う人もいるのですが、出産の瞬間や、授乳の繰り返しにより、母性的な女性ホルモンは、多量分泌されていきます。

赤ちゃんを抱けば抱くほど、世話すれば世話するほど、どんどん愛情が深まっていくようになっているのです。

そのような変化は、甥や姪、そのほかの子どもたちへの愛情も増幅させます。

もともとそんなに子どもが好きではなかったというような女性も、妊娠・出産・育児を通して、別人のように子ども好きになることもあるほどです。

今はまだピンとこないかもしれませんが、出産の瞬間のワーッと光に包まれるような体験や、小さな手をお母さんの胸に添えて母乳を飲む我が子をしっかり抱っこしているうちに、母性もどんどん大きくなっていきます。

3.億劫なことには物理的な工夫を

今は、育児グッズも大変充実しています。億劫になりそうなことは、誰かと押しつけ合うのではなく、便利なグッズなどを利用し、どんどん物理的に工夫しましょう。

男性は、育児には女性ほど身体が向いていませんが、グッズを使って工夫することには向いています。一緒に楽しめると思いますよ。

億劫に思うほど手がかかるのは、過ぎてしまえばほんの短い時間です。

後悔のないよう、授かった命を大切に、人生の特別な時期を思い切り楽しんでみてください。

※「晴香葉子のお悩み相談 ~今度は大丈夫~」は、毎週月曜日に配信します。



【晴香葉子】
女性誌からテレビまで、数々のメディアで活躍中。一人一人の幸せにつながり、広がる、心理学について、様々な角度から情報を提供している。著書は76万部を超え海外でも出版。早稲田大学オープンカレッジにて心理学講座担当。近著に『なぜ、いちばん好きな人とうまくいかないのか』(青春出版社)がある。

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テレビ朝日2月29日 00時00分




男性に触られるだけで嫌悪感