■5話

前話■4話(おさらい)https://ameblo.jp/precoed/entry-12816539112.html

初話■0話(おさらい)https://ameblo.jp/precoed/entry-12799238837.html



問診・レントゲン・CTスキャン・超音波機器…等
正直言って、よく判らないし、更に忘れちゃって(まぁ尤も、脳の疾病なので…)、何ともでっかいドームと言うか、ディズニーランドのスペースマウンテンチックな機器が、統一したツルンとした、光沢があるプラ素材の外殻を換装した、如何にも先進機器然の、S・キューブリックの「2001年〜」や、「スターウォーズ」の宇宙戦艦の内装のような未来デザインに見えて、ちょっとワクワクする感もあった。

 

その形状は、グロスホワイトの狭いトンネルで、僕個人は克服したと思った閉所恐怖が、また蘇ったかのような感にもなった。
前後左右360度の白い壁の圧迫は、これから荼毘に付させるかのような感覚で、
その時『真っ暗だったらいっそ安心だろうか?』とも思ったが、いやいや…それはそれで怖いだろう。
だが僕は、それはそれで興味深い経験、そして自分にいくばくの畏怖を思い出されたが、実は死んでいない、仮死状態で火葬場の窯に入って火葬され荼毘に付されたと言う、都市伝説があったようななかったような気がした。

ただ、今のリアルタイムの自分の有様を、客観的に、そして楽観を廃して記すと、そう遠くない近未来に、介護用オムツが必要になる状態になる公算が、高いかも知れない。
友達なんかも、バリバリ働いている人がいるが(てか、それが当たり前の生きざまであるべきだが)



それにしても、さても大袈裟になっているが、流石に僕もこの歳だから、病気があってもなくても、どっちにせよ後半の人生に差し掛かっている事だけは、しかと認めている。



何度もしつこく書いた事だが、僕が13歳だった頃、父が死んだ。
40半ばで、働き盛りでもあり、しかも何度も書いたように、東大理科1〜3類かの学部だったらしいが(たぶん1類だった)、以前にも書いたように、彼の死を、100%の涙で送った訳ではなかった。
あらゆる感情、否、あらゆる事象には、必ずやグレーゾーンが存在して、100%の純然たる黒もなければ、その対極に純然たる白もまた、存在し得ないのが、この世の理(ことわり)と、悟った13歳の告別式だった。


だが意外にも、既にそのクソ親父の享年を、何歳かオーバーしている。
もう僕の歳で照らし合わせれば6回忌だから(2023年で)、一応、生命線だけは太いんだろう。
尤も、僕が知る範囲で、我が家系の一長寿のひい婆ちゃんは、たしか104歳だったかな…?
1の位は忘れたが、その家系は概ね長寿が多く、また早逝の父を除いて、父方の家系も、ほとんどは結構長生きではあった。


■6話につづく