マスコミは災害時共同取材を目指せないのか | スコ猫くまきち日和+

マスコミは災害時共同取材を目指せないのか

競争社会のなかで加熱していくマスコミ報道。
皆川さん一家の救出劇は、マスコミ格好の話題になった。
まぁ、そのおかげでわたしたちはリアルタイムで現地に思いを馳せ、
感動し、落胆し、地震を怖さを改めて認識した。

しかし……。各局、各新聞社、各週刊誌、こぞって取材班を派遣するのは
いかがなものかと、内部にいるわたしでも思う。
被災者はただでさえ厳しい状況に不安とストレスにさらされている。
そんななか「大変でしたね」「お家は大丈夫でしたか?」「お体は?」などと
部外者に次々聞かれたって、辛いだけだろう。
自分にしか見つけられないスクープがあるかもしれない。
それを探し、伝えるのがジャーナリズムだと使命感に燃え、被災地を駆け回ることのほうが
ジャーナリストとして正しい道のかもしれない。
だけど……。
こういった災害取材の場合はちょっと別なんじないだろうか。
どーせ皆がやる。
やらないわけにいかない。大ニュースなんだから。
だったら、ニューソースが皆一緒でも、いいじゃないか。
個別化は別の記事でやればいい。
わたしはそう思うのだけれど。

わたしが記者だったときよりも、今はニュースワイド、ニュースショーが増えている。ワイドショーもニュースネタをバンバンやる。その分、取材者は増えている。
きっと現地はものすごいことになっているんだろな、と思う。
せめて各局、各社1グループで、交代で入るとかいうことができないだろうか。

もちろん、ニュースはみんな同じになるかもしれない。
それでは個性が出ないというかもしれないが、
災害取材になってくると、
どこがやってもたいがい似たりよったりの報道でしかない。

だったら、現地に入る順番を決めてやる、とか。
そのかわり取材した情報は全て公表しする。
それを各機関どう切り、どう報道するかでそこそこ個性は出るだろう。
それじゃダメなのかな……。

避難生活が続けば続くほど、被害者の方たちの精神状態は追い詰められていく。
PTSDを倍加させる原因の一つが、
マスコミの過熱取材ということがないとは言えない。
必要悪なんだろうか? 
そもそも、そこまですることは必要なんだろうか?

悲惨で過酷な状況が各マスコミそれぞれに報道されることで、
募金しよう、救援物資を送らなくちゃと思う人は増えるかもしれない。
それは、被災者にとって多少メリットなのかもしれない。
でも、そのメリットよりもデメリットのほうが大きいと感じる被災者は
少なくないと思う。
もし、自粛の道をとる勇気を持つ報道機関を、世論が一斉に支持したら?
売れ行き至上、視聴率至上のマスコミはどうするだろうか?
関係者の皆さん、一度、考えてみませんか?

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いつも長すぎるので(^-^;