少し前ですが、8月に高田宏臣さんのお話を聞きました。

九州の水害をひどくしているのは、ダムによる土中環境の悪化が原因ですよ、というはなしでした。

 

大雨により増水して家屋が浸水するのは、川近くの住人にとっては大昔からありうることであったそうです。 何年かに一度一回は大雨が降り、増水したり鉄砲水がきたりして、時には浸水するもの。そんな時は一階は水濡れしてしまうのはしかたない、それをわかって地域の人は代々住んでいるというのです。

浸水したとしても、水は透明できれいな状態なので、乾かせばまた住めるものだったそう。

 

けれども、現代は濁った泥水になってしまい、住処が汚れてしまい、掃除が大変になってしまい、こんなことが繰り返されたらもはや住めない場所になってしまう。

 

なぜ濁ってしまったのか。

それはダムや護岸工事などによる土中環境の悪化が原因でした。

 

川は見えるところだけに水が流れているのではなく、土の中を多くの豊かな伏流水や地下水が流れ、土の中で水が磨かれてまた川と合流して河川の清冽さを保つそうです。自然のままの川は豪雨の後でも川は濁らず清流を保ちます。また、膨大な伏流水が地上の河川と連動して目に見える川幅よりはるかに広い水域を有しているので、河川全体で水量調整機能を持ち、増水も起こりにくいのだそうです。

 

ところが、ダムが作られた川は降雨後すぐに増水して幾日もその状態が続き、透明度のない濁った水がごうごうと流れます。

ダム底に堆積した土砂がシルトという非常に細かな砂上の粒子となって降雨のたびに下流に流亡するため、水が汚濁してしまうのです。

 

シルトは川底を詰まらせ伏流水と河川水を分断し、川全体の浄化機能や水位調整機能を奪ってしまうのです。山から河川への湧水が衰えていき、同時に流域山林全体において水が土中や岩間にしみこまずに、大雨のたびに地表を流れ落ちる状態へと変貌していきます。大地にしみこむこと悪流れる水は地表の空隙を泥詰まりさせてゆき、森林の衰退劣化につながっていくのです。

 

ということでした。

ありのままで調和がとれている完璧な自然に人間は手を入れて、結果壊してしまっているのですね。

少しずつ意識を変えて、地球を守っていきましょう!

まずはできることから