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さようなら 赤ちゃん

まさか・・と思いながら予想は当たっていた

初めて使った妊娠検査薬 すぐに陽性のサインが出た。


思い当たる日からちょうど4週間後。すぐに2日後の婦人科受診の予約を入れた。

しっかり22mmの胎嚢が確認できた。中絶の相談。

「まだ猶予はあるから、よく2人で相談して」と先生は言ってくれた。


でも私は研修医。まだまだ仕事をしっかりやらなきゃ。

そして彼は医大生。・・産む選択なんてできない。


つわりはなかったが、肌の調子が変わっていたし、最近異常に眠かった。

普段は寝ない私が研修医室で仮眠をして、珍しいと言われていた。

妊娠のせいだったのか。


妊娠が判明した週末は、彼とその友人たちとスノボに行く予定だった。

少し体調にも波があったから不安でキャンセルしようかとも思ったが、行くことにした。


派手に転ばないようには気をつけて、いつものように楽しく過ごした。

夜はみんなで飲もう、って話になり、その前に彼に話をすることにした。


「・・おなかに赤ちゃんがいるの」

「・・・!」

しばらく沈黙が続いた。

「何か言ってよ」

「・・今後のこととか、いろいろ考えてる」

「選択肢なんて、あるの?」 ないじゃない・・

「学生だし、今は・・」

「堕ろすってこと?」

「おれが悪いのに簡単にそうは言えないけど・・」

「2人の責任だから。私も産むっていう選択はできないし・・」

と中絶同意書を差し出す。


泣かない、と思っていたが、彼がサインをしているのを見ていたら

涙が出てきた。

もうこんな書類は書いて欲しくない。

もし今度妊娠するときは喜べるときであってほしい。


体に負担がかからないようになるべく早く手術をすることにした。

中絶後の後遺症も不安でたまらない。


土日は手術が出来ない病院だったので平日にするしかなかった。

たまたま自分の仕事の方の手術が午後しかない日を選んだ。


朝9時に婦人科へ。きれいな個室に通され、術衣に着替える。

OPE室へ。院長が入ってきて処置を始める。

初めての点滴。初めての麻酔。


いつも患者さんに使っている薬を自分に入れられるのは変な感じだった。

ソセゴンってのどがカーって熱くなるんだ。

セレネースでぼーっとして、ラボナールですとんと眠りに落ちた。


処置は20分程度で終了したらしい。

ふらつく足で看護婦さんに支えられながら個室に戻った。

「点滴が終わるまで休憩しててください」

でも早く仕事に戻らなきゃ。点滴速度をこっそり速めた。


術後の確認エコーをして終了。今日は一日家でゆっくり休むように言われた。

でも、すこしふらつく足で自分の病院に戻った。

午後は自分の担当の手術がある。休むわけにはいかない。


誰にも気づかれず、いつもどおり一日をこなした。

下腹部の鈍痛は続いていたが鎮痛剤で乗り切った。


翌日は当直。夜中4時に診察中に、急にかなり出血を感じた。

でも診察中なので動けない。

終わってトイレに行ったら真っ赤だった。その後は落ち着いて来たから大丈夫だったけれど。


今もまだ鎮痛剤を飲んでいる。

でも、もう彼との赤ちゃんはどこにもいない。

たった6週間だけ私の中にいた赤ちゃん。


私はいつか、

幸せな恋愛をして

幸せな結婚をして

幸せな妊娠をするんだろうか


今はとてもそうは思えない。

人生を歩んでいくたびに

ココロが死んで行く気がする。


いつもどおり仕事をして、夜にはみんなと飲みに行って、笑って、

いつもと変わらない日常のなかで

どう消化していいのか分からない。