①本のタイトル
『子どもの貧困Ⅱ―解決策を考える』
著 阿部彩 岩波新書
②筆者が言いたい事・共感したポイント
この本ではタイトル通り、子供の貧困について現在の状況や原因、諸外国と比べた社会保障などが詳しく記載されてあった。解決策はいくつか提示したものの、これといった答えはないというのが筆者の考えである。私はこの本を「児童手当は独身者差別であるから廃止すべき」というディベートの対策で読んだが、いくつかヒントを得た。まず、現金給付と現物給付のどちらが良いかという論点について。現金給付は使い道が自由な点にメリットがあるが、それが逆にデメリットでもある(親がギャンブルに使用など)。現物給付は使途が限定されるため、無駄がないというメリットがあるが、全員のニーズに応えきれないケースがあるのはデメリットである。日本国民は普遍的な現金給付を「バラマキ」と感じており、快く思う人は多くない。筆者としてはどちらかというと現金給付に利があると説く。理由としては大きく2点。1点目は効果が「確実」であるという点である。現物給付では一定の効果がある人もいるであろうが万人に効果があるとは言い難い。一方、現金給付は使途が自由であり、それぞれの家庭が困っているところにピンポイントで対策出来る。たしかにギャンブルなどに使う親がいることも否定はできないが、どのプログラムも100%の効果はほぼ不可能であることを考えれば、現物給付よりマシであろう。2点目の理由は金銭的不自由からのストレスを緩和することができ、家庭内の問題を解決する事にも期待できる。もし、ディベートで修正案として現物給付を提案する班がいたら、上記の考えで反論できるであろう。
③自分の感想
私はこの本を読んで率直に児童手当の必要性を感じた。なぜなら貧困を理由に子供の健やかな成長が期待できなければ、学力低下やいじめ、その後の就職などに影響がでるからである(データでも立証済み)。現在の児童手当は月1万円であり、子供の養育費が3000万円だという事を考えれば、むしろもっと支給すべきだと考えた。今回難しく感じた点は、「独身者差別」の観点から考える事である。貧困の子供という弱者を助けるべき事に異論はないが、「独身者差別」の観点から考える事はまた別の話である。この点については、リベラリズムやリバタリアニズム、功利主義の観点から検討することが不可欠であると感じた。