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Joey ashleyの『上位に走れ』

競馬をやるには、上位に来る馬を読みとかなくては行けません。
過去と照らし合わせ、ここ一番を考えてる陣営を推測します。

坂城絢斗は自暴自棄になっていた。
「あの女、さんざん金使わせといてフリやがった」
あの女とは、通っていたキャバクラ「NEX」のレイカのことだ。

「だから言っただろ。レイカはなかなかの女だって」
悪友の、澤田隆治が嘲笑う。

「飲まなきゃやってられねえよ。付き合え」
「明日は金杯買うんだろ。予想の切れが無くなるぞ」
「レイカとの結末も予想出来なかったんだ。競馬なんか当たるかよ」

好きな競馬の話を振るが、機嫌は治らない。

「京都金杯なんて内枠オンリーだろ。特に良馬場なら」

「まあ、最近はそうだな」

絢斗がウイスキーを一息に飲み、
「内枠にルメールがいるじゃん。奴は面白いほど馬群を割ってくるんだ。
…エキストラエンドに乗るのか。ディープの仔は五歳で復活する。平坦で距離短縮もいい。トーセンラーがそうだろ」

酔いが回ってきたのか、一気にまくし立てる。

「隆治は何買うんだ」
「枠を無視するなら、メイケイペガスター」
「金杯が一番合いそうだな。内枠なら大本命だったよ」
「フジキセキに母父ブライアンズタイム。京都はいいはず」
「さすが隆治くん。血統理論か」
「絢斗も血統で見てるだろ」
「俺は馬個体で見てるだけ。おまえは血統全体さ」

絢斗の電話が鳴った。適当に手を取ったが、ディスプレイを見て顔が歪んだ。
「レイカ…」

「なんの用だよ」
「明日から中央競馬でしょ。あたしも買うんだから予想教えてよ」
「予想のつかない女に、アドバイス出来る予想はねえよ」
「うまいこというのね」

レイカは、「NEX」ではナンバー2なのだが、派手な見た目とは裏腹の気さくさ、硬派な書物や競馬が趣味ということで、ハマる男はナンバー1の女の子よりも多いみたいだ。

「金杯が当たったら、デートしてあげる」
「何を今さら。皆に言ってんだろ」
「わかってるでしょ。競馬のことは絢斗としかちゃんと話してないって」
「ホントかね。…中山金杯はユニバーサルバンク、京都金杯はエキストラエンドだ」
「わかった、ユニバーサルは中山実績と父ネオユニヴァース。エキストラは内枠の父ディープでしょ」
「それわかってんなら、聞くなよ」

隆治はニヤニヤしながらビールを飲んでいる。

「隆治が笑ってるから切るぞ」
「あら、隆治くんもいるんだ。当たったら二人にキスでもしようかしら」
「怒る気にもならねえ」

電話を切り、「ちゃんと予想する。中山は自信ないから京都だけ」と新聞を見る。


絢斗の予想。
◎エキストラエンド
○オースミナイン
▲メイケイペガスター
△マイネルラクリマ

隆治の予想。
◎メイケイペガスター
○オースミナイン
▲マイネルラクリマ
△ガルボ
注エキストラエンド

ほぼ被ったようだが、◎の単が当たるとはしゃぐ二人である。
勝つのはどちらの本命か。



※たまに、ミニエッセイで予想をお届けします。