この世界に生まれてきて良かった、などと恒常的に心の底から本気で思っている人なんているのだろうか?僕は生まれてこないことこそが最上の幸福だったと思う。生まれてこなければ、「生まれなかった」ということすら知らずのままに済んでいたのだから。


そもそも 、父親と母親が運命的な出会いを果たしてしまったのが、僕にとってはこの上なく不幸で不運な出来事だった。この二人が永遠に出会うことなく他人どうしでいられたなら、僕は【僕】という意識的な存在に《生長》していたはずはなかったのだ。生まれてこないのが最上。そして二番目はない。生まれてきてしまった現実は、もう何をどうしても取り返しのつかない不可逆的な私刑だ。地球を逆回転させることはできない。一回ポッキリ、最期までダラダラと、我という得体の知れない人間をやり遂げるつもりではいますが、まぁ本当にこんな面倒な作業はありません。


最近では、「人生の時間は有限だ」と大声で喚き散らす「実業家・起業家」があちこちに増えてきましたが、この人たち言う通りだと思います。ネバーエンディングライフなどには、とても耐え切れるものではありません。人間の最大の長所と特技は、有限の生命しか持ち合わせられないことにあると思います。一瞬で終わる人生が、不完全なバッタモンである人間にとっては最高の救いです。しかし、一瞬であるとはいえ、僕のような、腐敗し堕落しきったメンタリティの人間にとっては、永遠のように感じる長時間ですが。


それでも、もうあと命のゴール地点までは、死の側から眺めるほうが時間的に近くなってきました。50年以上も退屈な世界を文句を言いながらも、よく生きてきました。この先、死までの残された時間も、これまで通りダラダラと不平不満を垂れ流しながら、自分を誤魔化しながらボーッとやり過ごして行こうかと予定しています。あ〜、しんど🗿