2月はなんだかんだでせかされる季節だ。

 

星撮りの絶対的日数が少ない中で、年末に撮り逃した天体を撮影することに追われる。特に1月は正月の対応に追われ、その後曇天が続くと冬の天体が逃げるように西の空にいるのだ。プレアデス星団、オリオン大星雲、馬頭星雲、バラ星雲と、ちょうど期末決算のように締め切りに追われるのだ。10月ごろには深夜飲み明かした後にベンチに座ると真南に見えていたオリオン座は、この時期には夜9時には西の空に沈み始めている。

 

一方で、この時期の冬の大三角形付近の天体は撮りやすいポジションにあることも多い。実家からはちょうど上記の天体がガレージ屋根の下かつ倉庫屋根の上という上下10度くらいの狭い範囲を通過するので、自宅撮影が可能だった。土佐堀のマンションからもちょうど2時間くらいだけ撮影が可能だ。1月は退勤後にちょうど空が暗くなったころに撮影可能な宙域を通過していたのだが、2月の下旬に入って、8時くらいには通過してしまうようになった。なので、今回は靭公園に出向いて撮影することにした。

 

 

時刻はおおよそ9時半開始、すき屋で牛丼と牛皿、ファミマでサッポロビールを購入し直行した。撮影しながらビールを飲めるというのも、自宅付近での撮影の醍醐味ともいえる。趣味をしながら酒をたしなむというのも悪くないものだ。ちなみに、靭公園は意外と明るく、消灯もなかった。

 

選択肢としては、テニスコートのある靭公園西、バラ園、グラウンド(東)の3つで迷ったが、座って撮影を眺めたいこともあってバラ園で撮ることにした。ちょうど丘になっているところがあって、そこだとオリオン座が見え、北極星もギリギリ極軸望遠鏡に入る。極軸調整しているときに犬の散歩をしていた若い女の子がいて、話しかけられるかなと期待したけどそんなイベントはなかった。ちなみに職質お巡りさんに解説をするイベントもまだ経験していない。

 

そのような経緯なので、機材はリュックに入って肩の凝らない軽さを重視して、適当な三脚、スカイメモS、CANONの標準ズームレンズ、カメラはSVBONYの冷却CMOSカメラSV405CCにした。SV405CCは、かの有名な桃缶ASI294と同じセンサーを搭載したカメラで、ASIの半額強で手に入るので購入し満足している。ASI AIRなどASI製品との互換性以外はなかなかに有効だと感じている。モノクロセンサーやAPS-C・フルサイズ級の製品が出るのが楽しみになる。ちなみに撮影対象はオリオン座のこの付近。

 

 

 

持ち込んだビールも飲み切ってしまい、体も冷え切って近くの自販機でサツマイモミルクを買ってみたりしたところで、この日は10時半時点で曇りだしてしまった。この日の天気は、SCWでは12時くらいに天気が崩れるとの予報だったが、予想よりも早く崩れだしたようだ。予報では9時時点でも南に変な雲がある予報だったが、思ったよりも晴れていたのでかなり雲の配置も予報とかけ離れていたのだろう。残念だがこの日はここで引き上げることに。引き上げるにも撮影終了から15分もあれば自宅の暖房に当たれるというのはありがたい。この日は以前のフラットを使って、自宅でダークを作って、Sirilに放り込んで終了。

 


 

天体名:M42オリオン大星雲、NGC2024燃える木星雲、IC434馬頭星雲
撮影日時:2024年2月28日 深夜 21時45分~22時30分くらい
撮影方法:ゲイン160、1分×45フレーム
撮影地:大阪府大阪市 靭公園
レンズ:Canon EFレンズ EF75-300mm F4-5.6
カメラ:SV405CC
赤道儀:スカイメモS
フィルター:DBPフィルター

オートガイダー:なし

 

欲を言えばもう少し露光時間を増やして燃える木と馬頭星雲を映したかったが、光害カブリとオートガイドがないことと雲を憂慮した結果、淡い星雲が淡いままになってしまった。一方で大阪からポタ赤と標準レンズで撮影するという割にはいい感じに映ったのではないかと思う。この時期を過ぎると、自宅撮影するとすれば次は天の川。梅雨が明けるまでしばらくは退屈な夜が続きそうだ。