PPPDの手術前の医師からの説明で「術後は膵液は「だだ流し」になる」という発言がありました。その時は何の話をしているのか、なぜこの発言があるのか理解できていませんでした。そして、手術の後には忘れてしまっていました。しかし、術後1年と少しが経過して、急性膵炎になったときの医師からの説明で謎が解けました。

 

常人の膵管と十二指腸の合流部には「弁」があって、十二指腸を流れる食べ物は膵管のほうには入っていかないようになっているとのことです。が、PPPDでこの「弁」がついている部分を切除してしまっています。

 

一度目の急性膵炎のときに、膵管と空腸を縫合したところに何かが詰まったのが原因と推測されたようです。なにかが詰まって膵液の流れが悪くなって残膵を自己消化して急性膵炎を起こしたのだ、と。が、なにが詰まったのかはわからない。

体内にはタンパク質の塊(プロテインプラグ?)というのが流れているので、それが詰まったのかもしれないし、ひょっとしたら消化管を流れる食べ物が膵管に逆流したためではないか、という説もありました。

食べ物が膵管に逆流するのは、たとえば消化管内の圧力が高まった(食べ過ぎとか便秘とかのせいで)ことによるもので、急性膵炎の症状が消えたのはその食べ物が自然に流れ出て行ってしまったからではないか、という説です。

 

弁がないがために、こういうことが起こるかもしれないよ、いうのが、膵液は「だだ流し」になる、という意味だったようです。

 

であれば(だから)、食べ過ぎや便秘などしないように留意して生活しましょう、ということです。

 

PPPD後は食事には留意するようにとの話は何度も聞いていたが、なぜ留意が必要なのか、どう留意するのか(ゆっくり食べろだけじゃなくて)、膵臓の性能が落ちただけではなくてこういう理由だから、という説明であれば、理解できて頭に残ったのでしょう。しかし、術前説明では何のことだかまったくわからなかったので、訊ね返すことも、確認する必要があるなとも思いませんでした。患者として医師の説明を聞く力も不十分でした。

 

そもそも、PPPDの前には膵臓に起因する症状はありませんでした。(もともとは腹痛があって、いろいろ調べているうちにエコー(超音波)でのう胞が見つかったのが始まりですが、のう胞と腹痛は関係ありませんでした。)

膵臓の不具合のために受けたPPPDの後に、膵臓起因の症状が起きる、しかも急性膵炎という厳しいことが起きるのは皮肉なことです。