PPPDの後、1年半後から3年後にかけて急性膵炎を3回、さらに13年後に1回と、計4回経験しました。

 

PPPDの前には膵臓に関わる症状や体調不良は全くなかったので、急性膵炎は手術を受けたがために引き起こすようになった不具合のひとつです。PPPD前に「(術後は)急性膵炎を起こしやすいよ」などとの話は聞いていなかったので、もっとも面食らった出来事でした。

そして、PPPD後の生活の中で、もっとも恐れていたのが再発よりも急性膵炎でした。そのために(急性膵炎を起こさないように)規則正しい生活を送り、ストレスがかかりすぎないように、また、酒や油ものを控えることを強く心がけていました。

 

背中の真ん中あたりに弱い痛みを感じ始めて、その痛みがみぞおちの奥にじんわり移動し、なにかのタイミングで体内にずどーんと広がって耐え切れなくなる。体を動かすと痛みが増すので横になって丸まってじっとする、息もひそめてじっとする。なんとか病院に行って痛み止めを打ってもらい、入院して安静にする。数日間の絶食を続け、食事が再開されても痛みが復活するのが怖くておそるおそるしか食べられない。

 

食事の内容が良くなかったかな(量が多かったとか、油ものだったとか)、とか、体調がいまひとつ(疲れているとか、ストレスがかかっているとか)かな、と思うときに、たまたま背中あたりがじんわりすると、これはまずいなと思って気が気でなくなりました。この痛みが急性膵炎の予兆なのか、あるいは単に背中の筋肉に負担がかかっているからだけなのか、ずっと違いがわからないままTPに至りました。

 

急性膵炎を何度か起こした時期は、お笑い芸人が急性膵炎を起こして入院した、という報道が続いた時期でもありました。彼らのほとんどは「飲みすぎ」による急性膵炎でした。膵臓の不具合を抱えているわけでもないのに、暴飲で急性膵炎になるなんて、なんとふざけたことか、膵臓に対するリスペクトがまったくない。膵臓に不具合を抱える者にとってはけしからんことです。

 

TPで膵臓がなくなった今は急性膵炎の恐れはありません。却って自由な食事を楽しめていると言えます。飲酒は再開していませんが、とんかつ、天ぷら、フライなど、TP前には控えていたものを食べるようになりました。膵臓のない暮らしのプラス面のひとつです。(揚げ物は料理のバリエーションのなかで大きいものであることがよくわかります。)

 

4回の急性膵炎の概略については改めて書くことにします。