宮巫女日記

宮巫女日記

大和の国の姫巫女をモチーフにした「宮ノ舞」を発信しています。
宮巫女の日々を綴っていきます✿

2020年6月18日(曇り)

 

 

・・・3つの・・・

 

 

人生には、3つの毒がある。

 

 

一、

 

二、金欲

 

三、色情

 

 

この中で、どれか一つ。

 

乗り越えなければならない…

 

神様が、与える試練なのだそうだ。

 

 

ならば 迷わず、

 

二、を 選ぶ。

 

 

 

「金」に負けるもんか!

 

「金」稼いでやる!!!

 

 

そう決めたのは、23歳。

 

 

生まれたばかりの次男は、難病を抱えていた…

 

治療費が、年に数十万かかる。

 

前夫は、すでに 消えている…

 

病院の往復、治療費の工面、疲れきっていた。

 

 

ある日、病院前の公園で一休みしていたとき、

 

突然、知らない女性に怒鳴られた。

 

 

「何してるんですかーーー!!!」

 

 

掴まれた自分の手を見ると…

 

石を握っている。

 

 

広場に向かって、投げていたのだ…

 

 

元気に遊ぶ子供を見て、

 

無意識に、石を…投げていたのだ…

 

 

驚いた・・・

 

震えた・・・

 

 

跪いて、謝った。。。

 

 

気が狂うほど辛かったのだ。

 

 

 

 

 だけど、負けられない…

 

 

 

子供に 不自由な暮らしはさせない。

 

 

「金」だ!

 

 「金」さえあれば、こんな思いしなくてすむ。

 

 

追い込まれた シングルマザーの 決断だった。

 

 

 

それからの 激動の日々。

 

わき目も振らずに 働いた。

 

働いて、働いて、働きまくった。

 

 

 

不思議と、人とのご縁に恵まれ、

 

仲間も、友人も、どんどん増えた。

 

 

励ましてくれた。

 

支えてくれた。

 

 

感謝しても、しても、しきれないほど、

 

多くの人が、助けてくれた。

 

 

仕事も、順調にのび、1年で 自宅を新築。

 

 

 7年後には、月収 1000万を超えた。

 

 

高級外車に乗り、都内の一等地に ビルを購入。

 

さらに、勢いに乗る。 

 

 

仕事が大きくなれば、トラブルも発生する。

 

負けは、許されない…

 

いくつもの裁判に勝ち、周りからは 絶賛される。

 

 

窮地のシングルマザーは、大逆転を果たし、

 

「ビック マザー」と 呼ばれるまでになった。

 

 

 

出会いがあり、再婚もした。

 

 

年子が生まれ、4人の母になる。

 

 

 

 

しかし、あまりの忙しさに、

 

子供たちと接する時間は 全く 無い。

 

子供の世話は、家政婦さんに任せっぱなし。

 

 

土曜も日曜も、仕事、仕事、仕事。

 

帰宅は、いつも深夜になった。

 

 

 

 

そんな 日々を一変させる出来事が起こる。

 

 

夫の 病。

 

「余命1年」 の宣告を受けたのだ。

 

 

悩んだ末、自宅での看病を決意する。

 

 

仕事を縮小した。

 

 

ただ、夫と共にいる時間が欲しかった。

 

 

 

毎日、家にいる生活。

 

朝、昼、夕、夜、と、4回の食事を作る。

 

美味しそうに食べる夫の姿に、幸せを感じた。

 

 

洗濯をして、屋上に干す。

 

いい匂いがして 清々しい。

 

夫は、その向こうで 日光浴をしている。

 

日の下で、ゆっくりと時を過ごした。

 

 

掃除も、いい運動になった。

 

 

子供たちと一緒に、食卓を囲む。

 

賑やかだ。

 

これまでの時間を 一気に取り戻すかのように

 

競争して話しをする。

 

大笑いした。

 

毎日、家族と共に、過ごした。

 

残された時間を、惜しみながら。

 

 

 

 

収入は・・・

 

①.夫の年金。

 

②.家賃収入。

 

③.会社からの僅かな報酬。

 

 

以前の何十分の一になってしまった。

 

 

 

でも・・・

不思議くらい、生活は 楽になった。

 

 

なんで?!

 

答えは、簡単。

 

“使わなくなっていた!”

 

 

お付き合いの外食もしない。

 

派手な服装も、要らない。

 

「金」を、使う用が ない。

 

 

経営者としては、決して褒めた話ではない。

 

が、主婦としては、見事なやりくり。

 

地道な暮らしの中に、十分な満足があったのだ。

 

 

 

 

夫は、

「余命1年」からの5年5ヶ月。

 

与えられた時間を 家族と共に 自宅で過ごし、

 

苦しむことなく、ゆっくり眠りながら逝った。

 

 

 

 

今、ひとりになり 思い出す…

 

 

シングルマザーで、ド貧乏で、孤軍奮闘する母に、

 

必死で着いてきた、二人の息子。

 

桜の中を、雪の中を、駆け回って  遊んだね。。。

 

 

 

年子で生まれた、娘と息子。

 

庭に咲いたチューリップ前に ちょこんと座り、

 

「咲いた~、咲いた~、チューリップの花が~」

 

一緒に歌ったね。。。

 

 

 

あの 幸せの ”ひととき”

 

 

それを 取り戻してくれたのは、

 

夫の「病」だったのだ。

 

 

(夫と行った隅田川の桜)

 

 

 

「金」の力は、すごい。

 

 

多くのことは、「金」で解決できる。

 

 

「金」がなければ、「夢」を見ることもできない。

 

 

 

 

 

でも、

 

本当に、大切なものは、

 

決して、「金」では 買えない。

 

 

家族 = 宝

 

 

それを 気づかせてくれた 夫の「」 は、

 

」だった ということだ。

 

 

 

・・・ 3つの毒 ・・・ は、

 

・・・ 3つの薬 ・・・ に、成り得た。

 

 

 

「人間 万事塞翁が馬」

 

 

ありがたき人生に、心からの感謝をこめて。

 

 

 

合掌

 

 

 

お読み頂いた皆様、

心から 感謝を申し上げます。🙏

 

 

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