一人ひとりと向き合い、言葉を選んでいたAKB時代
――高橋さんはAKB48を卒業されて5年になりますが、今、当時を振り返っていかがですか?高橋みなみ: 当時は、がむしゃらに夢を追いかける怒涛の毎日で、自分にとって仕事は戦いに行くような感覚でした。夢中だったし、若くて無理もできたので、3年くらいはちゃんと休んだ覚えがないくらいです。今振り返ってみると、グループ活動はギリギリのところでやっていたかもしれません。それぞれのメンバーが女優業やタレント業でも忙しくしているので、ライブ前にしっかりリハーサルができるのは当日だけ、という日もありました。一般的なライブはもっと入念にリハーサルするものだと知ったのは卒業してからです(笑)。そんなギリギリなスケジュール感でやっていたので、精神状態がパンパンになって、気持ちがコントロールできなくなってしまったこともありました。ただ当時、その姿をドキュメンタリー映画で見せてしまったことは、みんなで反省する部分もあります。自分たちとしては、カメラの前ではビシッとかっこよく振る舞いたいという気持ちはあって…。でも、AKB48というプロジェクトがスタートしてからずっとカメラで撮影されていたので、撮られていることをいつしか意識しなくなってしまっていました。映画を観た方からは「アイドルってこんなに頑張ってるんだ」とありがたい声もいただいたのですが、メンバーとは「プロとしてダメだよね」と話していましたね。