オフィス最寄駅
ホームに車両が到着し
ドアが開くと同時に
毎朝かなり多くの人が
車内から吐き出されます
感覚値ですが
乗客の半分ぐらいは
降りているようにみえます
そうなると
まあ
そんなに焦らずとも
乗客の流れはいずれ
車両の出口に向かうはずであり
"遅延"からの"遅刻"
という特殊事情を除けば
前の人と歩調を合わせたほうが
無駄な事故やトラブルにも遭わずに済むので
得策と思えます
が
それでもなぜか
毎朝
人の波をかき分けるよにして
我先にと出口に向かう人がチラホラ
今朝も遥か後方から
ゴシゴシと着衣の擦れ合う音
ドスンドスンと大きく脚を動かす音
聴こえたかと思うと同時に
ひとりの御仁が
車両から飛び出していきました
次々と押し退けられる他の乗客同様
鈍い衝撃が私を襲うと同時に
左脇を抜けていったのは
その衝撃とは不釣り合いな
カーキのステンカラーコートに身を包んだ
後頭部にかなり地肌の目立つ
眼鏡をかけた細い中年男性でした
あらあら
気の毒に
朝からそんなに体力使って
よほどの事情があるんだろうな
でも変だな
9:00始業の会社なら
まだまだ時間に余裕はあるし
ここ(オフィス最寄駅所在地)の場所柄
"8:00始業に遅れて焦り倒している"
ってこともなさそうだし
なんてことは思いましたが
それ以外には特に
不快感や怒りの感情も生じず
この毎朝の風物詩にすっかり慣れたことに
我ながら
なかなかの通勤達者になったものだと
自分を褒めたい気分になったり
で
その後はいつも通り
朝のコーヒーチェーンに向かい
先に座席を確保して
レジに戻りオーダー、会計を済ませ
モーニングセットを手に通路を歩いていたら
右前方の二人用テーブルの片側の座席に
さきほど私を突き飛ばして出ていった男性
チンと座ってコーヒーをすすっていました
"なんだテメー"
"全然急ぎじゃねーじゃねーかよ"
なんてことは
もちろん思いません
"通勤達者"ですから
...
嘘です
思いました
