ホテルのチェックアウトをした。
向かう先はエバーグリーンって名前のゲストハウス。
でかい荷物を持って日中40度の中を歩くのは地獄だと誰でも判断できる。バスの時間までの拠点を作ろうと考えた。
歩く歩く。あらあらどんどんディープで汚ったない場所になっていく。ここ西成?いや西成以上ですわ。
地図アプリを使って進むが、あと数十メートルのところで分からなくなる。あそこの店で水買ったついでに聞こう。
『水ちょうだい。』
『20ルピーだ。』
安いな〜。40円ぐらいやで?
金無くなる気しまへんねんけど。
『ありがとう。てかエバーグリーンって知ってる?』
『ああ。すぐそこ曲がったところだ。』
『わかった。ありがとう。』
歩き出して、すぐに気づく。
すぐそこってどこや?ちゃんと確認したらよかった。まぁ分からんなったら、また聞こ。と歩いて行こうとしたら、遠くから聞こえる。
『ヘーイ!!』
店のおっちゃんだ。店の中から叫んでいる。
『そこだ!そこを曲がれ!』
指をさしてくれる。
『センキュー!!』
叫び返す!
インド人やっぱり優しいやん!素敵やん!
あった。エバーグリーン。
階段を上がると、中庭とドアが6つある。
受け付けはどこだ?と思ってると
『ヘイ、ボーイ。』
振り返るとドアが開けっぱなしの部屋に、おばさんがベッドに寝っ転がってる。
『おばちゃんここの主?』
『そうだよ。』
このおばさん。大きい。モアナのおばあちゃんみたい。迫力あるわ。てか賢そうな顔してる。てか客相手にずっと寝っ転がったまんま。インドスタイルやん。
『今日の夕方までここでステイしたいねん。泊まらんねん。』
『そうかい。』
『なんぼなん?』
『あんたはなんぼがいいのさ?』
『200やったらいいよ。』
モアナのおばさん、ニンマリ。
え?高いんかな?200って300円ちょいやで?
そんなん俺もニンマリやで。
『オーケー。おーいちょっとおいでー。』
どこからか、中学生ぐらいの男の子がやって来る。なにやらインドの言葉で僕のことを案内しろ的なこと言ってる。孫かな?
孫に部屋に連れて行かれて、お金を渡す。鍵をもらう。
おっしゃ。荷物おろせる。
よっこいしょ。
あっつぅ〜。
ちょっと15分ぐらい歩いただけやで。汗だくですわ。てか屋上あるやん!見に行こ。
あっつぅ〜。もうええわ。
シャワーを浴びて、着替えた。
さぁバスの時間まで冒険だ。
ガンジーなんたらなんたらって場所があるのを、ガイドブックで見た。ガンジーもインドの醍醐味でしょ。
目的地まで2km弱。リキシャ乗ってあの展開は、今日は勘弁してほしいな。歩こ。
歩いた。それはそれは歩いた。体感100km。
暑い。暑い。てかジャパニーズジャパニーズうるさいねん、インド人。かと言ってイヤフォンはめるのは勿体無い。
1日目の宿の近くは、いろんな外国人がおった。
けどこの道。まじでインド。
チャイの飲み過ぎとカレーの食べ過ぎ、陽に当たりすぎにより、顔はドス黒い人ばっか。
てかそんな道端で寝転ぶな。踏むやろがい。
インド人を観察してると、いろんなタイプがあるのが分かってきた。
額に赤の点。こいつはAタイプ
ターバン。こいつはBタイプ
ぼろぼろの服。こいつはCタイプ
全身白い服。こいつはたぶん神様。生地は涼しげ。
基本的にみんな襟付きのポロシャツかシャツ。
ただのTシャツは貧乏人。っぽい。Cタイプ。
神様は別。なんか澄まし顔。
歩いていると、露店に少し人が集まって何かを食べている。立ち止まるとめっちゃジロジロ見てくる。
全員。ほんまに全員で見てくる。俺なんかやばい見た目なんかな?ってちょっと不安なるやん。何人かやったらええねん。しかもすぐ目そらすんやったらええねん。全員で俺のこと凝視。
そんなけ見るんやったら俺も話しかけるからな。
『それなに?』
1人の女の人に聞く。
『ダヒバラ』たぶんそんな名前。
『美味しいん?』
『ええ。』
インドの女性すごく笑ってるやん。ちょっとかわいいやん?笑
そういや、朝お菓子パーティしただけで何も食べてないな。
『おんなじやつちょうだい!』
『10ルピーだ。』
10?うまい棒?
ぼくは100ルピーを出した。すると店の男。
『小さいお金は持ってないのか?』
『これが今持ってる中で1番小さいお金やねん。』
店の男は、焦りだした。ポケットをいっぱい探し出す。終いには客の1人が、『貸しといたろか?』的な感じで店の男にお金を渡そうとした。
後から分かったことやけど、安い系のもの売ってる店はお釣りに困ることが多い。しかもまだ午前中やからか。こう言う時のために小銭はいつも持って置いた方がいい。
なんとかお釣りを集めて俺にくれる。なんか悪いことしたな。でもすごく笑ってる店の男。インド人好きやわ〜。素敵やんその笑顔。
で、これ
グロっ!
なんかフルーツグラノーラ的な、
噛んだらガリガリしてる感じのやつに、
甘い、酸っぱい、辛いのソースがかかってる感じ
ほんで美味しい。めっちゃ。
ボリボリ食べてたら、さっきの女性が笑いながら
『美味しい?』って
かわいいやん?笑
『美味しい!』ってわざと満面の笑みで言うたったら、ふふふって。
かわいいやん?笑
手ぐらい握っていいかな?
食べ終わって、ゴミ箱みたいなところにポイ。
さぁ行こうと思ったら。
店の男
『ヘイヘイ!これ使え!』
なんか、カフェとかレストランにおいてある紙ナフキンみたいなんくれる。
『なにこれ?』
そしたら口の周りを吹けとジェスチャーで教えてくれる。
え?インド素敵やん?
日本の露店そんなことせぇへんで。
インド適当なんか、おもてなし精神あるんか、ほんまに分からへん。無いもんやと決めつけてかかってたら、こういうオモテナシに出くわして、めっちゃホッコリする。
『センキュー!バーイ。』って手振ったら、全員で手振ってくれた。好きやわ〜。
またトボトボ歩く。
なんかちょっと食べたらめっちゃお腹すいてくる現象にかかって、食べ物を探す。
見つけた。
ナニコレ。一個買って食べた。
カレー味。( ・ _ ・ )
そういや、インドきて初めてのカレー味。
普通に美味いですやん。
これサモサ言いますねん。
この店でもう1つ違うのも売ってた。ごっつい三角のパン。それも買って食べる。
ん〜。
カレー味( ・ _ ・ )
美味いですやん、普通に。
インド食べ歩き散歩。歩く歩く。
さぁそろそろ目的地や。
どこにあんねーん。
『エクスキューズミー?ガンジーナンタラカンタラってどこにある?』
ここら辺のディープなインドでは英語が通じない。
仕方なく地図を見せると指を指してくれる。が誰に聞いても違う方向を指差す。なにこれ。
おれ西成で迷子。てか遊ばれてる?
てかエクスキューズミー?の時点でもう、喋ってこんといてみたいな顔される。英語がわからんからかな。
もう疲れた。帰ろ。だって40度あんねんで。日差し強すぎて、目開けるんも必死。
ぼくは元の道を引き返して、エバーグリーンに帰った。
あ、そや。大きいお金くずしたいな。モアナのおばあちゃん両替してくれるかな。
『ハイ、モアナのおばちゃん。』
モアナのおばちゃんは相変わらず寝っ転がったまんま。
『なんだい?』
『大きいお金しか持ってへんねんけど、おばちゃん両替できへん?』
『いくらだい?』
『2000』
『はっは!そりゃ無理だい。』
『えー。大きいお金やったらみんな嫌がりよんねんけど。どうしたらいい?』
『そこらへんでなんか飲んだり食べたりして、デッカい金しかないって言うのさ。』
『あーはいはい。』
『そしたら向こうも何とかしてお釣りを作るさ。』
モアナのおばちゃん、さすが良い知恵教えてくれるやん!
『オッケー。ちょっと行ってくるわ。』
ぼくはエバーグリーンから少し行ったところのカフェに入った。
店員が僕の顔を見て素通りする。
え、これ勝手に座ってええんかな?
『ハーイ。ここ座っていい?』
『ええ。もちろん。』
そんなんいちいち聞いてこんといて、みたいな顔するやん。感情表現、豊かすぎやねんホンマ。分かりやすくてよろしいけど。
メニューを見てると。
バナナラッシーの文字。即決ですやん。これ昨日飲みそびれたやつやん。
僕はバナナラッシー飲んだ。
うん。
バナナヨーグルト。
普通に美味しいやん。インド食べ物困らんやん!
てかWi-Fiどこでもあるやん。情報も暇にも困りませんわ。
もう五分ぐらいで、会計する。
バナナラッシー80ルピー。
僕はソーリーと言いながら2000出す。
そしたら店員。苦笑い。
この小僧が〜って感情が出たり隠れたり。
僕は全力のニンマリ顔で手を合わせた。ソーリー。
店員も、
もう!仕方ない子ね!ふん!
と顔は笑っていたけど、引き出し開けるのも閉めるのも音立てるわ!雑やわ!
食らうわ〜。
感情表現豊かすぎて食らうわ〜。
HPを無駄に削るやん。欧米人も来てる、ちょっとええカフェやからってめっちゃ強気やん。
ディープインドの露店のおっちゃんは優しかったぞ。
何はともあれ、小さいお金を手に入れて、宿に戻る。
おし、もうそろそろ時間やから出よかな。
リュックを背負って、モアナのおばちゃんに挨拶。
『センキュー。もう行くわ。』
『ハイ。キヲツケテネ。』
日本語喋れるんかーーい!
40度の中。また旅行会社まで歩く。
水浴びといたらよかったな。
てかキムラタクヤまだおるかな?
おったらええなー。
旅行会社に着くと、店のおっちゃんがいた。
クーラー効いてる、最高やん。
『おー。そこに座って待っとけ。てかカバン預かっとくわ。貸せ。』
お、油断大敵やぞ。カバン取られたらどうするよ?自分を守るために疑う心も必要?いらん不安は潰しときたいタイプ。
『自分で持っとくよ。背負ってる方がリラックスできんねん。』
『そうか。好きにしてくれ。』
『センキュー。』
座って待ってると、裏口からキムラタクヤ登場。
『おー!ジャパニーズ!こっちに来い。こっちで待てよ。』
名前教えたやろがい!笑
おれも人の名前すぐ忘れるけど。
またお菓子パーティーをした場所でだべって、ホッコリした。
『おい、お前の吸ってるそのタバコくれ。』
『あ、いいでー。』
といま半分吸ったタバコを渡した。すると。
水を飲みながら吸ってたせいか、吸い口がビチャビチャやったらしい。
『あぁ〜!』
キムラタクヤは声にならない声を出して、
『ここに置くよ。これはいらない』
とそばの棚の上に置いた後。
全力で嫌そうな顔をして、触れた手を服で一生懸命ふいていた。
おれ。爆笑。
『ごめんごめん。新しいのやるわ。』
『日本のタバコか?』
『そう。日本で買ったやつ。』
日本のタバコうまいんかな?
また喋ってると、ニヤニヤしながら
『お前、チ◯チ◯何本あるんだ?』
なんやねん!笑
欲しがりさんか!笑
僕は仕方なくもう一度、
『10本やで?まるで神様の腕の数みたいにね?』
最強のドヤ顔で、
キムラタクヤ大爆笑!!
ツボか!笑
神様の腕ってこんなイメージ
宗教色強くて、タブーなイメージやったけど、キムラタクヤには完全に鉄板ネタやった。
そうこうしてると、店のおっさんが呼びに来る。
『おい、時間だ。あいつに付いて行け。』
お菓子パーティーの時の金の時計、金のネックレスのボスがいた。
僕はキムラタクヤと握手をして、別れた。
いいやつやったなー。
ボスについて行くとデッカいバスがあった。
『これだ。荷物を預けたら、チケットを見せて乗るんだ。それじゃあな。』
『オーケー。センキュー!バーイ!』
バスの荷物入れの近くのおっさんにバックパックを渡すと、持っていたチョークで僕のバックパックに直接、番号を書いた。
直接、書くんや、、、、(笑)
バスに乗ると一番後ろの席だった。
さぁマナリや。涼しいらしいで〜。
めっちゃ楽しみや〜ん。
みんなに見送られながら、バスは発車する。
おれの見送りは
おらんな。





