ビッグモーターの保険金不正請求問題が話題になっていますが、その背景には、同社の兼重宏一前副社長が行っていた「恐怖政治」があると言われています。
兼重宏一前副社長は、同社の絶対権力者である兼重宏行前社長の息子であり、社内では誰も逆らうことができませんでした。
彼は、常務や本部長とともに「ロイヤルファミリー」と呼ばれ、現場に過剰なプレッシャーをかけていました。具体的には、どのようなことをしていたのでしょうか?
報道記事から分かる3つの問題点を紹介します。
1. LINEで部下を叱責し、降格やクビをちらつかせた
兼重宏一前副社長は、LINEで部下に対して暴言や罵声を浴びせることが多かったと言われています。
「嘘で誤魔化す、ルール守らない、数字でない」「教育教育死刑死刑」などの“叱責LINE”が報道されています。
また、LINEへの返事が遅いだけで降格をちらつかせたり、気に入らない社員や数字をあげない店長をすぐに降格や異動やクビにしたりしていました。
これは、部下に対する過度なコントロールやパワーハラスメントと言えるでしょう。
2. 店舗数を増やすことに固執し、現場に無理なノルマを課した
兼重宏一前副社長は、父親の経営手腕を引き継ぎ、「中古車を安く売る」というビジネスモデルを継続することにこだわりました。
しかし、人口減少時代において、この戦略は時代にそぐわなくなっていました。
それでも彼は、「店舗数を増やす」という前時代的な拡大戦略を進めました。
2012年7月に入社した後から、店舗数は急激に増加し、2016年には97店もオープンさせました。
しかし、店舗数が増えれば利益も増えるというわけではありませんでした。
現場は厳しい戦いを強いられました。兼重宏一前副社長は、現場に重いノルマを課し、「結果」を出させようとしました。
しかし、「結果」が出なければ叱責や降格やクビが待っていました。
これは、現場に対する過度なプレッシャーやモラルハザードを引き起こすことになりました。
3. 店の前の街路樹が枯れている問題にも関与し、違法行為に手を染めた
兼重宏一前副社長は、店の前の街路樹が枯れている問題にも関与していたと言われています。
彼は、店の前の雑草1本までチェックする「環境点検」を実施して、叱責や降格を恐れた店長や従業員が違法行為に手を染めてしまったという証言があります。
具体的には、街路樹の枝を切ったり、枯らしたり、移動させたりしたということです。
これは、公共物への損壊や不法占拠という重大な犯罪にあたります。
これは、兼重宏一前副社長の「恐怖政治」が現場の倫理観や法意識を麻痺させた結果と言えるでしょう。
以上が、ビッグモーターの元副社長が行っていた「恐怖政治」による、現場を苦しめた問題点です。
このような「恐怖政治」は、組織の健全性や信頼性を失わせるだけでなく、社会的な責任や法令遵守も軽視することになります。
ビッグモーターは、この問題をどのように解決し、再建していくのでしょうか?
今後の動向に注目したいと思います。
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