【読むパワーポイント(8)】 「配付資料」を説明会に活かす方法 | パワポ部

【読むパワーポイント(8)】 「配付資料」を説明会に活かす方法


プレゼンテーションソフトとして多くの人に知られているパワーポイント。

しかし、パワーポイントは「プレゼン」だけに使われているのではありません。

実際、パワーポイントがもっとも使われているシーンは、

スクリーンを用いたスライドプレゼンではなく、説明資料や営業資料として

――つまり「紙」として使用する場面です。

企画書、提案書、商品案内、調査資料などなど、パワーポイントを紙出力して

相手と共有する。そんな使われ方が圧倒的に多いのです。

 

「プレゼン」ではなく、「説明」にも使われるパワーポイント。

「スライド」ではなく、「紙資料」としても使われるパワーポイント。

これが間違った組み合わせになったとき、悲劇は起きます。

 

それは、「配付資料をスクリーンに投影した説明会」

 

これは残念ながら、まったく伝わりません。

伝わる伝わらない以前に、スクリーンの文字が読めないでしょう。

オーディエンスは見えないスクリーンと説明者の話に意識を向けることなく、

手元の配付資料をパラパラと好き勝手に眺めます。

これでは、せっかく組み立てたストーリーも台無し。

オーディエンスも「資料だけもらえば十分」ということになります。

 

このような「配付資料プレゼン」を成功させるには、どうすればよいか?

 

それはズバリ、「スライドの役割を変える」ことです。

具体的には、「スライドを配付資料のナビゲーションとして使う」ことになります。

 

メインのツールは、手元に配られた配付資料。

スライドは、それをサポートする情報の提示に使用します。

勝手に配付資料をめくられないよう、説明をコントロールし、

主導権を取るためにスライドを使います。

 

スライドの役割は、主に以下の4つ。

 

1)参照すべき「位置」を示す

2)強調したい部分を「拡大」する

3)印象的なメッセージを「提示」する

4)紙では観せられない「映像」を観せる

 

あくまでも手元の資料が主役。

説明の流れをコントロールし、補佐していくためにスライドを使う。

このような使い方も、工夫次第で効果的なアプローチになります。

 

「配付資料をそのままスクリーンに映す」だけのプレゼンはいただけませんが、

少し工夫をすれば「伝わるプレゼン」に変わります。

「べき論」ではなく、いかにオーディエンスの立場に立てるか。

プレゼンはそこに尽きるのではないでしょうか。

 

河合浩之