明日は 太陽☀が 顔を出すかも?
こんにちは、デイサービスなごみです。
今日も過ごしやすい一日となりました。曇り空に小雨がパラパラ…。
それでも明日は 午後から 太陽が顔を出すかも?しれませんね。
ムシムシするのは嫌ですが 暖かくなることを願っております。
いつも 隣の利用者さんとお話をして過ごしていた利用者Aさん
今日 たまたま いつもとは違う席に移動して活動していただきました。
あまりペンを持つことなんてしないのに 今日は 塗り絵を一枚塗っていただきました(嬉)
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目次
【今日から役立つ!介護の基本】
1.上手な声かけ
2.ラクラク着替え介助
3.立ち上がりと起き上がり
4.トイレ問題の対処法
5.食べるを楽しむ食事介助
6.介護記録の上手な書き方
7.車椅子と移乗のコツ
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✴️今日から役立つ!介護の基本(1)上手な声かけ
✴️
これから介護を始める人や介護初心者の方に向けて、すぐに活用できる基本技術をご紹介するシリーズ。第1回は上手な声かけについてお伝えします。
同じことをするのでも、声のかけ方ひとつでスムーズにいくこともあれば、うまくいかずにお互いにストレスを感じてしまうこともあります。知っておくと役に立つ、上手な声かけの具体例もたくさんご紹介していきます!
介護での関わり方の基本
介護をするときの基本スタンスは、あくまでも本人の「自立を支える」こと。なんでも介護者が手を出してやってしまうと、今できることもできなくなってしまいます。介護の世界では「親切すぎるのは不親切」と覚えておきましょう。
たとえば、手指の動きが悪くて食事をこぼしてしまう場合。そんなときは口まで食べ物を運んであげるのではなく、ユニバーサルデザインのスプーンやお皿を使って、自分で食べるのを見守るようにします。また、ボタンを留められず1人で着替えられない場合は、介護者が留めてあげるのではなく、ボタンをマジックテープに変えて自分で着替えられるようにするなど。できることとできないことを見極めて、介護者は必要な手助けにとどめることが大切です。
そのためには、何ができて何ができないのか、要介護者のことをよく観察して知ることが第一。声かけをするときにも、命令や否定など、決めつけたり押し付けたりするような言葉は使わないようにしましょう。
上手な声かけの具体例
初めての介護では、具体的にどんな言葉をかければよいのか分からず、困ることがあります。そんなときは、下記のような言い方を参考にしてみてくださいね。
✴️
気持ちを明るくする声かけ
朝のあいさつの例
「おはようございます、○○さん」
「よく眠れましたか?」「体調はどうですか?」
「今日はいい天気ですよ」
ただのあいさつにも、名前をつけて呼ぶと親しみが増します。体調や天気の話もいいですね。
就寝のあいさつの例
「いい夢をみてゆっくり休んでくださいね」
「また明日ね」
高齢になると寝たくても目が覚めてしまうことがあります。それをとがめるような言い方をしないように気をつけましょう。
食事のときの声かけの例
「今日のメニューは○○ですよ」
これは○○の煮付けですよ」
「おいしいですか?」
「ゆっくり食べてくださいね」
こぼしたり食べるのがゆっくりでも、急かしたりしないように気をつけて。介護食は刻んであったりして原形が分からないともあるので、何を食べているのか分かるように説明してあげると食欲がわいてきます。
おむつ交換のときの声かけの例
「下着を替えましょうね」
「寒くありませんか?」
ニオイや汚れのことには触れないように。本人の心を傷つけてしまうと、排泄を我慢して便秘になってしまうこともあります。すばやくササッと片付けてあげましょう。
不安を取り除く声かけ
介護を受けている人からすれば、これから何をされるのか分からないで体に触られるのは、とても不安なもの。何かするときには黙ったままではなく、必ず声をかけながら行なうようにします。
寝返りや移動の介助などの声かけの例
「今から横を向きますよ」
「体にさわりますよ」
「車いすに移りましょうね」
「寒くないですか?」
今から何をしようとしているのかをひとつひとつ説明して、本人の協力を得ながら行えば、介護者であるあなたの負担も減らすことができるのです。
車いすでの移動時の声かけの例
「さあ、押しますよ」
「寒くないですか?」
「この先段差がありますよ」
「前を少し上げますね」
「少し坂になっているのでブレーキをかけながら降りますね」
車いすに座っていると、介護者が車いすを押している様子は見えないため、要介護者は特に不安を感じやすいもの。車いすは黙って押さず、こまめに声をかけながら進みましょう。
✴️ 聞き取りやすい話し方の工夫
音が聞き取りづらくなる老人性難聴は、女性よりも男性に多いようです。相手の話していることが聞き取れないのは、本人にとってはつらいもの。会話が嫌になってしまうと、周囲との交流が減り、いろいろなことへの意欲が減退してしまいます。
老人性難聴では特に高音域が聞き取りづらくなるので、甲高い声よりも少し低めの声を意識して話すようにしましょう。また認知機能が衰えているお年寄りの場合、早口で話しても理解できないことも。できるだけ歯切れよく、分かりやすく、ゆっくりと話すことを心がけましょう。
寝ている相手や車いすに座っている相手には、威圧感を与えないように、しゃがんで目線を同じ高さに合わせて話すのもオススメです。
思いやりのある声かけが介護をスムーズにする
人に対して人がサービスを行なう介護は、介護者と要介護者で走る二人三脚のようなもの。相手が積極的にそうしようと思ってくれないと、何をするにも2倍3倍の手間と労力がかかってしまいます。これは介護者にとっても要介護者にとっても不幸なこと。
寝返りひとつにも、本人がそうしようと思う意欲を引き出すのは、思いやりのある声かけです。忙しいときこそ、相手の気持ちに寄り添う声かけを忘れないようにしましょう。二人三脚の息がぴったり合うようになれば、介護のやりがいや楽しさがぐっと身近なものになってくるでしょう。
〜 佐藤憲一 〜
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✴️ 今日から役立つ!介護の基本(2)ラクラク着替え介助
介護の基本技術をお伝えする第2回目は、ストレスなくできる「着替えの介助」について。
身体に麻痺があったり関節に痛みがあったりすると、シャツ一枚を脱ぎ着するのさえ難しいもの。また認知症などの影響で、着替えをおっくうがったり、着るものにこだわりがあったりすると、さらに介助は難しくなります。
今回は簡単そうに見えて奥が深い「着替えの介助」をぐっと掘り下げ、お互いにストレスなくスムーズに着替えられる方法をお伝えしていきます!
✴️ 基本スタンスは、「できることはしてもらう」
シャツのボタンがなかなか留められず、かなり時間がかかっている・・・そんな場面に遭遇すると、ついやってあげてしまいたくなりますね。
ところが介護の世界では、それはNG。ボタン留めなどの作業は難しそうに見えても手先のリハビリになっています。時間がかかるからといって何でもやってあげてしまうと、あっという間にできないことが増えてしまいます。
介護者は手を出すのではなく見守るにとどめ、危険だと思われるときや☆「ストレスが大きいと思われるときだけ、素早く手助けするようにしましょう。」
✴️ 服へのこだわりはどうしたらいい?
着る服へのこだわりが強すぎていつも同じ服を着ている、季節感のない服を着ようとする、おっくうがって着替えをしない、逆に着替えが多すぎるetc・・・年齢を重ねると認知症などの影響で、着替えひとつとってもさまざまな悩みが出てきます。
高齢になると気温の変化を感じにくくなり、習慣から夏なのに重ね着してしまう、冬なのに薄着でいるといった問題が起こりがちです。できるだけ衣服は体温調節がしやすいものを選ぶと良いでしょう。
吸湿性・通気性・速乾性に優れた素材なら、汗をかいたときに冷えにくいのでよりベターです。さらに寒い時期は上着やストール、帽子や手袋などの小物を使って、こまめに温度調節するようにすると良いでしょう。
また歳をとると意欲が低下し、お洒落に対しても無頓着になることがあります。こうなると、選ぶのが面倒でいつも同じ服を着たり、着替えを嫌がることにもつながりがち。
本人の好きな色や柄の服を用意したり、帽子やスカーフなどのアクセサリーでメリハリをつけるといった工夫で、お洒落をする楽しみを思い出してもらいましょう。周囲が褒めると意外と本人もその気になることがあるようです。
朝起きてパジャマから普段着に着替える作業は、清潔を保つことだけでなく、一日のメリハリをつけることにも役立っています。また自分で自分の好きな服を着られるということは、本人の自尊心を高めることにもつながります。
ボタンやファスナーなどがあって着るのが難しい場合は、少し大きめのサイズや伸縮性の高い服、マジックテープやゴムの服など、脱ぎ着しやすい服を用意するのもオススメです。
できないことは手伝いつつ、できることは自分でしてもらいながら、お互いに着替えタイムを楽しむことができたらいいですね。
麻痺・痛みがあるときは、「脱健・着患」を合言葉に
身体に麻痺や痛みがある場合、問題のない健康な方から脱ぎ、麻痺や痛みがある方から着るようにすると、スムーズに脱ぎ着ができます。これを「脱健・着患」と呼んでいます。
たとえば、右麻痺の人の上着を脱がす場合なら、不自由のない左側から袖をゆっくり抜いてもらい、その次に右側の袖を抜きます。また、上着を着せる場合なら、まず麻痺のある右側から介助者がゆっくり袖を通し、次に左の袖を通します。最後に服のシワを伸ばして整えます。
このようにすると、介助者も介助される側も、身体に負荷がかからずスムーズに服を着替えることができます。
注意することは無理のないように優しく行うこと、また麻痺側の手足を引っ張るような動作は関節を痛める恐れがあるため気をつけましょう。
✴️
どうしても着替えを嫌がる場合は、何か別の理由が隠されているかもしれません。たとえば、着替えるときにいつも痛い思いをしてしまうから、部屋が寒くて服を脱ぎたくないから、以前そのスボンを穿いていてトイレを失敗してしまったから、チクチクしたりサイズが合わないなど着心地が悪いから・・・さまざまな理由が考えられます。
認知症などの影響で、自分の思いを上手に伝えられない高齢者も多くいます。無理強いをすると、介護者との信頼関係が崩れてしまうことにもつながりかねません。
着替えを嫌がることをただのワガママと片付けてしまうのではなく、そこに何か隠されたメッセージが潜んでいないか、注意して様子を観察してみましょう。
✴️ 着替えは大切な介護のプロセスのひとつ
難しくてもボタン留めに挑戦したり、少し痛みがあってもがんばって袖を通すといった動作は、手先の運動になったり、関節が固まってしまうことを防ぎます。つまり高齢者にとって、着替えは単なる日常動作ではなく、リハビリの一環。
また好きな服を着て自分をキレイに装うことは、人と積極的に関わろうという気持ちや、生きる喜びを得るためには欠かせません。誰でも「変な服を着てしまって、その日は一日中誰にも会いたくなかった」なんて経験があるものです。
着替えたくなるよう本人の好みを考慮した服を用意したり、着替えの前には部屋を温めておくなど、楽しく前向きに取り組んでもらえる工夫ができると良いですね。
また介護する人にとっても、服を脱いだとき皮ふの状態がよく見えるので、乾燥や汚れ、褥瘡など異常がないかを確認するよい機会でもあります。
着替えをただの義務や習慣と思っていると、時間がかかってイライラしてしまうかもしれませんが、大切な介護のプロセスのひとつだと思えば、また違った捉え方ができるもの。こんな小さなことの積み重ねが、QOL(クオリティ・オブ・ライフ=人生の質)を左右します。
少し時間がかかっても、ちょっとおかしな組み合わせでも、何ならたまには着替えなくたってOK。介護者、要介護者の両方が、ムリせず着替えタイムを楽しむくらいの余裕をもつことが、一番大切なコツかもしれません。
〜 佐藤憲一 〜
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vol.3
✴️ 今日から役立つ!介護の基本(3)立ち上がりと起き上がり
ベッドで寝ていることが多い人や、一日中ソファに座って過ごす人・・・気力をなくしたように見えるお年寄りでも、少しの介助でベッドから起き上がったり、ソファから立ち上がったりすることができれば、食事や排泄などできることがグンと増えます。
介護初心者の方に向けて、すぐに活用できる基本技術をご紹介するシリーズ第3回は、立ち上がりと起き上がりにスポットを当ててご紹介。相手も自分もラクになり、笑顔が増える介助の方法を少しずつ覚えていきましょう。
動きを介助する時の基本
介護では、相手の自然な動きを引き出すことが大切。ムリにひっぱったりして体を動かそうとすると、介助される人は嫌な気持ちになったり痛みを感じたりすることも。また介助をするほうにも腕や腰にムリな負担がかかり、体を壊してしまいます。
動作の前にはまず、どうして欲しいかを声かけして、相手に動かそうとしてもらうことを忘れないように。慣れないうちはまどろっこしく感じるかもしれませんが、残存機能をできるだけ活かして生活することで、筋力などが衰えるスピードを遅くすることができます。
また、体にふれるときは指先だけではなく、手のひらや指の腹を使うなど、面で触れるように気をつけて。点で触れられると力が強くかかり、「つかまれた」「つままれた」といった感覚になってしまいます。面で触れるようにすると力が分散するため、力強くてもやさしい印象になり、気持ちも伝わりやすくなりますよ。
介護される人から信頼が得られれば、介護される側・する側の双方にとって負担が軽くなり、快適な介護につながります。
✴️ ベッドからの起き上がりの方法
自分が寝ている状態から起き上がるときを思い出してみてください。まず寝返りをして横を向き、そこから肘をついて起き上がっているのではないでしょうか。この動きをなぞるようにして起き上がってもらいましょう。 まず起き上がりの前に、ベッドの柵を取り、スペースを確保するなど準備を整えましょう。麻痺がある場合は麻痺のないほうに寝返ってもらいますから、その方向へ降りられるよう、ベッドの向きも整えておきます。
仰向けに体をまっすぐ伸ばした状態から、まず寝返りをして降りる方向を向いてもらいます。(寝返りの方法についてはこちら>>介護職が知っているべき体位の変え方)そしてかかとがベッドの端から出るくらいまで、足を斜めに伸ばしてもらいます。
ここで上になったほうの手を持ち、「体を起こしていただけますか?」と声かけを。介助される人が下になっている方の肘をついて体を起こします。手はあくまで支えるだけにして、引っ張らないように気をつけましょう。
肘をついて半分体を起こすことができたら、足をベッドの下に降ろしてもらうよう声かけを。肘を伸ばしながら足を降ろすことができれば、ベッドからの起き上がりの完了です。
介護ベッドの背上げ機能を使って起き上がりを介助することもできます。
まずは「ベッドの背もたれを上げますね」と声かけをして、60度くらいまでゆっくり上げていきます。このとき、膝は上げないで伸ばしているほうが起き上がりやすいようです。
介助される人の上体を支えながら、足を降ろしてもらうよう声かけをして、動きを介助します。ベッドの端にまっすぐ座るように、姿勢を整えてあげれば完了です。
ベッドに横になるときの介助の方法
ベッドから起き上がるのとは逆に、今度は横になる方法です。基本的には起き上がりの逆の手順になります。
まずは声かけをしながらベッドの端にまっすぐ座ってもらい、まくら側にある肘を曲げながら横になってもらいます。このとき、上になっている方の手を持って支えてあげましょう。
下になっている方の肘を少し前に出しながら、上半身が横向きに寝た姿勢になったら、ベッドに足を上げてもらいます。自分で両足を上げるのが難しそうなときは、必要に応じて介助します。
ベッドの端に横向きに寝ている状態になるので、寝返りの要領で仰向けになってもらいます。最後に姿勢を整えて完了です。
✴️ 椅子やベッドに座った状態からの立ち上がりの方法
まずはできるだけ椅子(またはベッド)にまっすぐ座ってもらいます。声かけをしておしりを少しずつ動かし、浅く座ってもらいます。
少し離れて介助される人の正面に立ち、両腕を伸ばして両手に掴まってもらいます。「立ち上がっていただけますか?」と声かけをして、相手のタイミングに合わせて両腕を軽く後ろに引きます。このとき、上方向に引っ張り上げないように気をつけましょう。立ち上がる瞬間、少し相手に引っ張られる感じがしますが、ぐらつかないようにしっかり支えます。相手が完全に立ち上がって安定するまで、手は離さず持っておきましょう。
✴️ 立ち上がりやすい椅子やベッド、トイレ、車いすは?
立ち上がる時には足首を膝よりも手前に引く必要があるため、ソファや収納付きベッドなどで下に空間がなく、かかとが入らないような構造になっていると立ち上がるのが難しいことを知っておきましょう。ポータブルトイレを選ぶ際は、足下にかかとが引ける空間があるかどうかチェックが必要です。
またおしりが沈んでしまうほど柔らかいソファや、折りたたみ椅子もぐらついて危険なので立ち上がりの練習には不向き。椅子は安定感があり、座ったときに足のうらがすべて床に着く高さのものを選びましょう。
ベッドの場合は高さが低すぎたり、マットレスが柔らかすぎたりしても立ち上がりにくいでしょう。マットレスは少し硬め、高さはやや高めにしておくと立ち上がりやすいようです。
車いすはアームサポートやフットサポートが取外し可能なタイプがおすすめ。立ち上がりや移乗のときは、余計なものがない方が介助しやすくなります。
✴️ 準備や声かけで介助がグンとラクになる
朝起きて、ベッドから起き上がるとき、椅子から立ち上がるとき・・・ふだん自分はどのように重心移動しているでしょうか。動きをよく観察してみると、自分では意識していなくても、一瞬の間に意外と複雑な動きをしていることが分かります。ふだん見過ごしている自然な動きをあらためて意識し、ていねいになぞるようにすることがムリのない介助のコツ。
また、相手と息を合わせることも重要ですから、視線を合わせてこまめに声かけするなど、コミュニケーションも大切です。初めのうちはうまくできなくて当然ですから、まずは健常者同士で練習してみるといいですね。
意外と見落としがちなのが、椅子やベッドの選び方、置き方など。できないのは環境や道具のせいだったということもあり得ますから、「そういえば考えたことなかったな」という方は、少し注意して身の回りをチェックしてみてくださいね。
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vol.4
✴️ 今日から役立つ!介護の基本(4) トイレ問題の対処法
排泄は、人間の営みのなかでもっとも基本的なことでありながら、とてもデリケートな部分でもあります。
介助される人の気持ちを傷つけることがないよう、こまやかな心遣いも必要になるため、排泄介助は難しいと感じる人も多いのではないでしょうか?
介護初心者の方に向けて、すぐに活用できる基本技術をご紹介するシリーズ第4回は、排泄にスポットを当ててご紹介します。
介護においてひとつのヤマとなるトイレ問題。ていねいに向き合うことで、お年寄りの前向きな変化を引き出すことができるかもしれません。
✴️ 排泄介助の基本
排泄介助においても基本のスタンスは「できることは自分でしてもらう」こと。
☆何ができて何ができないのかは、人それぞれ違います。こちらのやり方を押し付けるのではなく、できること、できないことをしっかり見きわめて、その人に合わせたケアをすることが大切です。☆
このとき、環境が整えば解決する部分がないかを見きわめることも忘れないで。適切な場所に手すりを設置するだけでも、立ち上がりや歩行の助けになり、その結果、排泄介助がグンとラクになることがあります。
手すりに加えて適切な用具や照明、トイレへのフラットな導線といった環境を整えることも、排泄介助の大切なプロセスです。
実は高齢になると筋力が衰え、便秘になりやすくなります。便意を我慢するとタイミングを逃し、よけいに便秘になってしまいます。
薬に頼らず自然な排便をするためにも、行きたいときにトイレに行けるかどうかは切実な問題。トイレに行きやすいように環境を整えたり、小さなサインも見逃さず、タイミングよくトイレへ連れて行ったりするという配慮がとても大切です。
✴️ できるだけトイレで排泄しよう
立つ、座るができればトイレでの排泄を検討しましょう。手すりや歩行器などを上手に使えば、トイレまで移動できるかもしれません。
車イスで移動するのであっても、やはり慣れ親しんだトイレで排泄できるのが、本人も一番気持ちが良いものです。
車イスでトイレまで移動するときは、トイレが広ければ、車イスを便器と直角になるようにつけます。(下図①)自分でできる人は手すりを利用して車イスから便器へと移乗してもらい、介護する人は危険がないよう近くで見守ります。
トイレが狭く、車イスを直角につけられない場合は、車イスを便座の正面orななめにして、便器から少し離してつけます。(下図②)これは、お年寄りが方向転換できるスペースをつくるため。自分でできる人は、手すりにつかまりながら立ち上がって方向転換してもらい、ズボンや下着を降ろし、トイレに座ってもらいます。
基本はこうした流れのなかで、その人の状態や必要に応じて介助を行ないます。見守るときは、プライバシーに配慮することを忘れないようにしましょう。
✴️ ポータブルトイレを使うとき
トイレまでの移動が難しい場合、座ることができればポータブルトイレを使って居室で排泄することを考えます。
ポータブルトイレのメリットは、排泄のたびにトイレの場所まで移動しなくてもよいため、介護する側、介護される側双方の負担を減らすことができること。トイレの場所が遠いなどの事情があっても、ポータブルトイレが使えれば、オムツを避けることができます。
デメリットとして考えられるのは、ニオイの問題や、トイレ以外の場所で排泄をすることへの心理的抵抗など。できるだけ換気を心がけ、ニオイ対策には専用消臭剤を利用してみましょう。また衝立などを利用してパーソナルなスペースをつくり、心情に配慮しましょう。
ポータブルトイレをベッドサイドに置く場合、高さをベッドと合わせておくとスムーズに移乗ができます。高さが合っていない場合は、調節機能を使って合わせておきましょう。
ベッドと高さを合わせたら、トイレがベッドと平行になるように置きます。ベッドに介助バーを取付けると、それを利用してラクにポータブルトイレへ移動することができます。介助バーを利用すれば、ズボンや下着の上げ下ろしが自分でできることもあります。注意深く様子を見てみましょう。
✴️ 尿器や便器を使うとき
座った姿勢を保てない場合は、ベッドの上で尿器や便器を使って排泄する方法があります。
多少慣れる必要はありますが、トイレまで移動しなくても排泄でき、オムツと違って皮膚に排泄物が触れることが少ないので、肌への刺激も抑えられるのがメリットです。
✴️ 介護用オムツを使うとき
尿意・便意を感じないときや、トイレや排泄用具が認知できない場合は介護用の紙オムツを使います。
紙オムツには、大別してテープ止めタイプ、パンツタイプ、尿パッドタイプがあります。
テープ止めタイプは寝たままでも交換がしやすく、横になった状態でも漏れにくいため、寝たきりなど要介護度が高い人に適しています。
ただし尿意があるのにこのタイプのオムツを常用していると、次第に尿意を感じなくなってしまうことが。ムレや肌に付着した排泄物などでかぶれる可能性や、意欲の低下につながるデメリットもあるので、尿意がある人にはむやみに使用しないようにしましょう。
介助があれば歩ける人なら、動きやすさを重視してパンツタイプを選びましょう。普通の下着と同じような感覚で着用でき、抵抗感が少ないのが特徴です。
尿パッドと併用すれば、汚れても尿パッドだけ交換すればよいのも便利です。ただしオムツが汚れていなくても、1日1回は交換するようにしましょう。
テープ式もパンツ式も、不快感や不具合をできるだけ少なくするためには、サイズ選びが重要です。ウエストは合っていても、太ももサイズが合っていないと漏れの原因になることも。きちんとチェックして、その人の体型に合ったものを選びましょう。
✴️ 在宅介護のトイレ問題
在宅介護の場合、よくある問題としてトイレの汚れが挙げられます。
まだまだ元気で排泄を手伝うほどではない場合でも、トイレでの失敗が多くなってくると、家族の負担も増えてしまいますよね。
解決策としては、トイレの床に足形を描いて立ち位置の目安にしてもらったり、便器にバツ印をつけて排尿の際の目印にしてもらったりすると、改善することがあるようです。
また、トイレのために夜中に何度も起こされ、介護する人のストレスになっているという悩みもよく聞きます。トイレが遠い、段差があるなどで、夜中に1人でトイレに行くのが難しい場合は、夜間だけでもポータブルトイレや尿瓶などの使用を検討してみましょう。
ときどきショートステイなどの介護サービスを利用したりして、介護する人がゆっくり休める時間をつくることも大切です。
頻尿や排尿困難などがある場合は、何らかの病気が隠れているかもしれません。治療することで改善し、家族の負担が減ることもありますので、気になる場合は医師に相談してみましょう。
✴️ 快適なトイレライフは介護の要
排泄は究極のプライベート。誰しも、できることなら人の手は借りたくないと願っています。
これはできない、あれはできないと決めつけてしまわず、できないならできるように環境を整えてみましょう。いろいろな方法を試してみると、意外にコレできたんだ!と気付くことがあるかもしれません。
排泄は毎日何度も行うものですから、自分でできることが増えればリハビリにもなり、寝たきりを防ぐことができます。
快適なトイレライフを追求することは、介護される人、介護を行う人の両方にとって、大きなメリットがあるのです!
〜佐藤憲一 〜
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vol.5.
✴️今日から役立つ!介護の基本(5)食べるを楽しむ食事介助
食べることは命を支える大切な行為です。しかし、ただ栄養を取り込めれば良いというものではなく、いくつになってもおいしく味わい、楽しみたいもの。
歳をとって以前と同じようには食べられなくなっても、工夫次第でまだまだ食事を楽しむことはできます。
介護の基本技術をご紹介する第5回目は、介護する人、介護される人が楽になり、食べることを楽しめる方法やアイデアについてです。
食事は1日3回、毎日繰り返すことですから、ちょっとしたことでもトータルすると大きな改善につながることも。あなたのアンテナにひっかかったものから、ぜひ試してみてください。
・食事介護の基本
・食べることを妨げる原因は?取り除くことで食事の楽しさアップ
・食事介助に、あると便利なグッズたち
・飲み込むタイミングを合わせて
食べることは生きること
✴️ 食事介護の基本
人間にとって食事は、ただ栄養を摂取するだけの行為ではありません。
「見る」「香りを嗅ぐ」「咀嚼する」「舌で味わう」といったプロセスで五感を総動員する、とても複雑で刺激的な行為。
口から入った食べ物は、胃や腸を刺激して内臓の動きを促し、体全体の働きを活性化させます。
唾液が分泌されるので、口のなかの衛生状態も良くなるうえ、おいしいという喜びの気持ちは、心を明るくして生活全般に対する意欲を高める働きもあります。
チューブを通じて鼻や胃に流動食を直接投与する胃ろうや鼻腔栄養などの経管栄養では、誤嚥(ごえん)などの心配はないものの、食べることによって生まれるさまざまなメリットが奪われてしまいます。
お年寄りにおいしく食べてもらうことは、お年寄りの健康やQOL(生活の質)を高く保つためにも、とても重要なこと。
うまく食べられない、食べようとしないといった場合も、もしかすると他に何か原因があって、食べられるけれど食べないだけかもしれません。よく様子を観察してみましょう。
✴️ 食べることを妨げる原因は?取り除くことで食事の楽しさアップ
食べることを妨げている原因として、考えられるものをいくつか挙げてみましょう。
姿勢が悪くて食べにくいから
入れ歯の不具合や口内炎などのため
うまく噛めない、飲み込めないから
お腹が空いていないから
嫌いな食べ物やメニューだから
食べる気持ちになれないから
認知症の影響
食事が進まないときは、まず姿勢が食事に適しているかをチェックしてみましょう。
背筋が丸まっていたり、足が床に届かずブラブラしたりしていませんか?
正しい姿勢は顎を引き、背筋が伸びている状態。そこから少し前かがみになることで気道が狭まり食道は広がって食べやすくなります。
高齢者の肺炎の大きな原因として、食べ物が気道に入ってしまう誤嚥(ごえん)がありますが、それを防ぐことに役立ちます。
また椅子の高さも大切で、両足の裏が床につく高さにしておくと、姿勢が安定して咀嚼を助けます。
よくあるのは車イスのまま食事をするパターン。
車イスはもともと長時間座るためのものではないため、食事をとるにはテーブルに対して低く、前傾姿勢も取りにくいことが多いのです。
できるだけ食事用のイスに移乗して、食事をとる姿勢を整えるようにしましょう。
どうしても車イスのまま食事を取る場合は、フットレストから足を下ろし、足台を使って両足がぶらつかないようにするのがおすすめです。
急に食べなくなったというときには、入れ歯の不具合や口内炎など、お口のなかにトラブルが起こっていないかをチェック。トラブルを発見したら、医師の診察を受けるようにしましょう。
口内炎があるときには、熱いもの、冷たいもの、辛いものや酸っぱいものを避けて。治るまでは食欲が落ちるかもしれませんが、水分補給だけはしっかりとすることを忘れないようにしましょう。
お口のなかのトラブルは、口腔内の衛生状態が悪化していることも原因のひとつです。口腔ケアをしっかりすることは、口内炎の治りを早めるだけでなく、予防にもなるためおすすめです。
噛む機能に問題があって食が進まない場合は、よく煮込んで食材をやわらかくしたり、スプーンなどでつぶしたりしてから食べてもらうと良いでしょう。
肉は叩いて柔らかくする、隠し包丁を入れるなどの対策も効果的。
ただし注意点として、食材を細かく刻んでしまうと逆に飲み込みにくかったり、入れ歯に挟まったりして逆効果になる場合もあることを覚えておきましょう。
飲み込む力(嚥下(えんげ)機能)が低下している場合は、食材の大きさを揃えたり、とろみをつけたりして飲み込みやすくします。
水やお茶などは特にむせやすいため、とろみをつけてごはんやおかずと交互に口にするのがおすすめです。
認知症の場合、食べ物であることを認識できなくなっていたり、お箸やスプーンなどの使い方が分からなくなっていたりすることがあります。
そんなときは一緒に食事をして、食べるものであることを伝えたり、食べ方を真似してもらったりするとよいようです。
食べないからといって怒ったり、無理強いをすると、ますます食べることがイヤになってしまったり、誤嚥を起こすことにもつながります。
少しくらい食べなくても大丈夫、という姿勢で大らかに見守るようにしましょう。
お腹が空いていないというときは、おやつを食べ過ぎていないかチェックしたり、日中の活動量を増やしたりして、お腹が空くように工夫してみましょう。
また便秘で排便がうまくいっていないときも、お腹が空かず食欲がなくなることが。
高齢になると腸の動きが鈍り、便秘になりやすくなります。スッキリすると食欲が出ることもあるので、医師に相談して体に負担の少ない便秘薬を処方してもらいましょう。
何となく、食べる気持ちになれないというときもあります。そんなときは食べることを強要しすぎないようにしましょう。
「食事は楽しい」と思ってもらえるような環境づくりも大切です。好きな音楽やお気に入りの食器などで、気分を盛り上げるのも良いですね。
また、楽しい会話は何よりの調味料。明るく和やかな雰囲気で食事がとれているか、いつのまにか食事が義務のようになっていないかは注意しておきましょう。
食卓が楽しそうなら、食べなくても食事の時間をみんなと一緒に過ごすことで、食欲が戻ってくることもあります。
介護施設であっても訪問介護であっても、食事介助のサービスを行なうときには、その前後の様子に気を配り、高齢者の「食べる意欲」を引き出すようにしましょう。
✴️ 食事介助に、あると便利なグッズたち
自分のタイミングで食べたいものを食べられれば、それに越したことはありません。
食事に手助けが必要な人は、自分で食べることを助けるさまざまなグッズが市販されているので、それらを検討してみるのもおすすめです。
たとえばスプーンでは、先がシリコンでできていて口の中を傷つけにくいものや、使う人の手の状態に合わせてグリップ部分を自由に曲げられるものなどが便利。
握力が弱くてスプーンを握れない場合は、手にスプーンを固定できるスプーンホルダーを検討してみるのも良いでしょう。手が震えてお箸が使えない人も、トング式のお箸なら先が合わせやすく、自分で食事ができるかもしれません。
また食器についても、お皿に傾斜があったり裏に滑り止めがついたりしていて、片手で食べ物を集めてすくいやすくなっているものなど、さまざまな工夫がされた食器が市販されています。体の状態に合わせて、使いやすそうなものを探してみましょう。
✴️ 飲み込むタイミングを合わせて
握力の低下や手の震えなどが激しく、自分で食べることが難しい場合は、食事を少しずつ口まで運び、食べさせる食事介助をします。
食事の介助では、食べる人と食べさせる人が呼吸を合わせることが大事。
お年寄りがきちんと飲み込んだかどうかをよく見て、食べる準備ができてから次の食べ物を口に入れましょう。タイミングが少しでもずれると、飲み込む力が衰えている場合は特に、むせやすくなってしまいます。
タイミングを合わせるには、意識的に声かけをすることが大切。「次はお味噌汁ですよ」「小松菜の和えものですよ」などと、次に口に入るものが何なのかを声に出して伝えるようにしましょう。
また「脂がのっていておいしいですよ」「これは◯◯さんの畑で今朝採れたんですって。新鮮ですよ」など、食材の情報や調理法、おいしさを伝えるのもおすすめです。
リラックスして会話することで、自然と消化吸収力も高まるのだそう。堅苦しく考えず、雑談を楽しむくらいの気持ちで食事介助してみましょう。
✴️ 食べることは生きること
食べる楽しみを失うことは、生きるうえで大きな意欲低下につながります。
ただ単に食べないんだと考えるのではなく、よく観察して何か理由がないかを探し、いろいろな方法を試してみることが大切です。
食べる機能が衰えている場合も、専門家の指導のもと適切なリハビリやトレーニングを行うことで、もう一度取り戻すことも可能です。興味があればかかりつけの医師やケアマネージャーに相談してみましょう。
自分の口から食べ、ものの味を味わうことは、生きる喜びの根幹を成すもの。便利な道具の力も借りながら、知恵と工夫を総動員して、食べることを楽しんでいきましょう。
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vol.6
✴️ 介護記録の上手な書き方
介護職の人が毎日書いている介護記録は、よりよいケアに結びつけるための重要なツール。でもそのことを理解していないと、他の仕事に追われておざなりになってしまいがちです。
今回は介護職初心者が戸惑う介護記録について、基本の書き方、上手な表現例やNG例をご紹介。
何を書いていいか分からない、時間がかかる、毎日同じ内容ばかりになってしまうなどの悩みにお答えしていきます!
✴️ 介護記録は何のために書くの?
介護記録は何のためにあるか、知っていますか?
介護記録を書く目的を知っておかないと、的はずれな内容になってしまいます。
介護記録の目的は大きく分けて4つあります。まずは何のために書いているのかを、しっかり確認しておきましょう。
職員間の情報共有のため
利用者の様子をケアプランに反映するため
利用者や家族の方とのコミュニケーションのため
事故などの際に証明とするため
介護士だけでなく理学療法士、医師、看護士など他職種のスタッフが連携する介護の現場では、職員間の情報共有がとても大切。口頭での申し送りでは、伝言ゲームになりかねません。
多くの職員が関わりながら統一した介護を行うためには、きちんとした記録が必要不可欠です。
また、介護の目標や内容を決めるケアプランを作る際にも、介護記録に記載された情報が重要な役割を果たします。どんなサービスを受け、どんな状態だったのか、介護記録を資料としてよりよいケアプランが作られるので、責任は重大です。
さらに、介護記録は利用者や家族の言葉も書き残します。これを読めば、利用者や家族のその時の思い、気持ちの変化などが分かります。
もちろん、サービスを受けているときの様子がどうだったかを確認するため、家族が読むこともあります。家族も含め、関わる人全員が思いを共有し、コミュニケーションを深めるためには、なくてはならないツールだと言えるでしょう。
そして万が一の際、行ったケアが適切だったかどうかの証明となるのも介護記録。あいまいな内容ではその役目が果たせません。
できるだけ具体的に、正確な情報を記載することが大切です。
介護記録の書き方の基本ルール
まずもっとも大切なルールは、日付と時刻、記録した人の名前を記載すること。
そして書き方の基本は、「事実を正確に書く」ことです。
具体的には、「5W1H」を意識してみましょう。「誰が」「いつ」「どこで」「何を」「なぜ」という5つのWと、「HOW=どうしたのか」。これらのキーワードが抜けていると、読んだ人に正確に情報が伝わりません。
慣れないうちは書き終えたら読み返し、これらが抜けていないかをチェックすると安心です。
筆記用具には消えないボールペンを使用し、書き間違えてしまったときは二重線を引いて訂正印を押します。その脇に訂正した日付と内容、訂正理由を書くようにしましょう。
修正ペンなどを使うと記録の改ざんとの区別がつかなくなってしまうので、使わないようにします。また、空欄は斜線をひいたり、「以下余白」などと書いたりするように。そのままにしておくと、加筆や改ざんができてしまうからです。
✴️ 上手な表現とNG表現を、例文でチェック
具体的にどんな表現がNGで、どんな表現が適切なのかを例文でチェックしてみましょう。
悪い例「歌を歌って楽しそうにしていた」
良い例「リズムに合わせて体をゆすり、大きな声で歌っていた。終始笑顔が見られた」
悪い例「昼食はいつも通りだいたい食べた」
良い例「昼食は食堂で主食を完食、副食は2/3を摂取した」
楽しそう、イライラしている、などの印象は、書いた人の主観です。
もちろん主観も印象を伝えるうえでは役立つのですが、そう感じた根拠が書いていないと、書いた人の推測ではないかと思われてしまいます。事実と印象をバランスよく書くようにしましょう。
また「いつも通り」「だいたい」といったあいまいな言葉も、具体的な情報が伝わりません。数字や利用者の言葉などを交えて書くようにすると良くなります。
では転倒などのトラブルがあったときは、どんなことに注意して書くと良いのでしょうか。NG例、適切例で見てみましょう。
悪い例:「あざは見られるが、痛みはない様子」
良い例:「外傷、腫れはないがあざが見られた。本人に痛みがないかと問いかけると『痛みはない』と返答があった」
トラブル時は特に、決めつけや推測と疑われるような曖昧な書き方は避け、具体的な事実を記載するようにしましょう。
悪い例:「居室に行くと、床に尻もちをついていた」
良い例:「排泄介助のため居室に行くと、ベッドの脇の床におしりをつけ、両膝を曲げて座っている状態になっていたのを発見した」
この場合は、尻もちをついたところを見ていないので、見たままを正確に書くようにします。推測を書くことで状況が分かりやすくなるなら、推測だということが分かるように書きます。
その他の注意点としては、「打撲傷」「挫傷」「血便」「血尿」といった、医学的な判断を必要とする言葉は、医師の診断がおりるまでは使えません。傷や排泄物についてはできるだけ色や状態を詳しく表現し、自己判断で医学的な用語を使わないように気をつけましょう。
その他、「ボケ症状」「汚い」「不潔」「暴言」「暴力」「わがまま」など、侮蔑的であったり、人格を否定したりするような表現にも注意を。
こうした言葉で決めつけてしまうのではなく、「居室内を歩き回っていた」「大声を出して職員の足を蹴ることが数回あった」など、具体的にどんな言動があったかを正確に記載するようにしましょう。
✴️ 介護記録に何も書くことがない?そんなときは
介護記録に関する介護職初心者の悩みで多いのは、「特に何事もなく過ごされたので、何を書いていいか分からない」というもの。
そんなときはまず、その人のケアプランを参照することから始めましょう。
その人の介護の目的を再確認し、目標達成に向けての変化の様子が分かるように書くことで、後々資料として役立つ、ポイントを押さえた介護記録になります。
たとえばレクリエーションがケアプランに含まれているなら、レクリエーションの様子を詳しく。
「折り紙の時間、最初は職員の話にうなずきながら聞き入っていた。途中で『うまくできない』と言い、折り紙を押しやるなど落ち着きがなくなったが、◯◯職員が『とても上手ですよ』と声掛けすると落ち着き、その後は意欲的に取り組んでいた。1時間の間に3つの作品を仕上げ、『上手にできたでしょう』と笑顔で他の利用者に見せていた」など、利用者の言葉、職員の声掛けも文章に盛り込むのがおすすめです。
いつも通りであっても、様子がリアルに伝わるよう、見たことを詳しく記録しましょう。たとえば「一階フロアでソファに座り、テレビでニュース番組を見ながら他の利用者と談笑していた」など。読んだ人の目に浮かぶように書くことを意識すると、より客観的で伝わりやすい介護記録になりますよ。
✴️ 介護記録はよりよい介護のための大切なツール
日々の介護記録は、施設や事業所に監査や実地指導が入った際にももちろんチェックされます。
介護記録が不適切な修正だらけだったり、「いつも通り過ごしていた」「◯◯と思われる」といったあいまいな内容ばかりだったりすると、当然指摘を受けてしまいます。
他の仕事に追われて時間がない・クタクタに疲れているなどで、記録はついつい簡略化しがちなこともありますが、介護記録は介護サービスが適切に行われていることの証明です。
そして、日々のがんばりがまっすぐ目標に向かっているかを確認するためのツールであり、方向がズレたときには軌道修正するための羅針盤にもなります。
効率的に書けるようになる一番のコツは、回数を重ねること。介護記録の大切さをよく理解して、あせらず上手な書き方を身につけていきましょう!
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vol7.
✴️ 車椅子と移乗のコツ
介護の基本次は、お年寄りを車椅子に乗せて移動する際のコツや注意点、ベッドやトイレなどから車椅子へ乗り込んだり、逆に車椅子からベッドやトイレなどへ乗り移ったりする際の、「移乗」にまつわるコツや注意点をご紹介します。
介護職にとって、車椅子の取り扱いはきっちりマスターしておきたい基本の動作。乗り移る瞬間は身体が不安定になり、転倒しやすくなるうえ、ムリをすると自分自身に負担がかかり、腰痛などの原因にもなりがちです。
利用者も自分もムリなく不安なく利用できるよう、安全&快適な車椅子の取り扱いについて、ポイントをぜひ押さえておきましょう!
✴️ その車椅子、ほんとうに利用者に合っていますか?
私たちが合わない靴を履くと、靴擦れをおこしてしまいますよね。車椅子も同じで、使う人の体格に合ったものであることが大前提です。
サイズの合っていない車椅子では、「仙骨(せんこつ)座り(ズレ座り)」という状態が起こりやすくなります。
これでは、お尻が前に出て、背骨が曲がって胸部が圧迫されている状態。呼吸や消化がしにくいため、食欲がなくなったり便秘になったり、さらには意欲低下やおむつ漏れ、床ずれ、骨の変形などの原因になることもあります。
これを防ぐために重要になってくるのが、車椅子のフィッティング。
まず、車椅子のシートは布製なので、長時間座るのには適していません。シートにはクッションが必需品と心得て。お尻を安定させて仙骨座りを防ぎ、姿勢を安定させます。
また車椅子の座面の奥行きが大きすぎると、お尻を前に滑らせて座ってしまいます。その場合は背もたれにクッションなどを立てて入れ、その人の太ももの長さに合わせて調節するのも手。
そして、足を乗せるフットレストの高さも合わせましょう。座面からフットレストまでの距離を、高齢者の膝下の長さに合わせます。高すぎても低すぎても、ズレ座りの原因となるので注意しましょう。
✴️ 車椅子の上手な押し方
車椅子で移動するとき、乗っている人は思った以上に怖いもの。高齢者が安心して車椅子で移動できるようにするには、「スタート」「段差」「下り坂」の3つがポイントです。
スタートするときは、まず周囲の安全確認を。車椅子の真後ろに立ったら利用者に「それじゃあ○○さん、押しますよ、行きましょう」などと声かけし、両手でグリップを握ってゆっくり押し始めます。決して黙って押さないでくださいね。
街中を移動しているとそこかしこにある段差も、車椅子にとっては一大事。段差があったら「○○さん、これから段差を登りますね」「段差を降りますね」と声かけを。
登るときは前輪を上げて段差に乗せてから、後輪を段差の上に押し上げながら進みます。降りるときは後ろ向きに向きを変え、後輪を段にそわせながらゆっくり降ろしていきます。
注意したいのは下り坂のとき。なだらかな場合は良いのですが、急な下り坂だと車椅子に乗っている人が恐怖を感じることも。ジェットコースターの下りは、いっそう怖さが増すのと同じです。
そんなときは後ろ向きになり、介助者が下になって、適宜ブレーキをかけながらゆっくり進むようにしましょう。
✴️ ベッドなどから車椅子へ移乗するときのコツ
一部介助で移乗する場合は、車椅子をベッドと並行に置き、ブレーキをかけておくこと。ベッドにはL字型の介助バーを取り付けておくと、つかまって体を支えながら方向転換できるので便利です。
自力で立ち上がれない人でも、お尻を浮かせてずらすことができれば、全介助ではなく一部介助で移乗できるかもしれません。
やり方はまず、車椅子のアームレストを外すか上げるかして、ベッドの脇に付けてブレーキをかけます。ベッドの端に座った状態から、介助バーにつかまりながらお尻をずらして車椅子に移乗します。様子を見て、助けが必要そうなら介助します。
車椅子に移乗できたら、深く座り直すなど姿勢を直して移乗完了です。お尻の下に敷くと滑りを良くしてくれる、スライディングボードなどの介助用具を利用してもよいですね。
車椅子からベッドへ移乗するときは、この逆の流れで行います。
どの場合にも心がけたいことは、決してあせらないこと。移乗の前の安全確認、ベッドの端に座る、介助バーにつかまるといった、一つひとつのステップを丁寧に行いましょう。「これから車椅子に座るのをお手伝いしますね」「お尻をずらしていただけますか?」など、状況に合わせたこまめな声かけも大切です。
✴️ 車椅子から車へ移乗するときのコツ
高齢者が出かける際には、車に乗ることも多いですね。車椅子から自動車に乗り込むときの手順とコツをご紹介します。
まずは安全な場所に車を停め、ドアを全開して車椅子をなるべく近くに付けましょう。ブレーキをかけてフットレストを上げ、足を地面に下ろしてもらいます。
✴️ 車椅子は第2の生活の場
自由に身体を動かすことができる私たちは、座っているときだけでも、仕事中には少し前屈みになって集中したり、リラックスするときはソファーに座って脚を投げ出したりと、さまざまな種類の椅子を使い分け、姿勢を変えています。
ところが身体が自由に動かせない高齢者にとっては、これ一台で移動したり活動したり、食事をしたり寛いだりと、いろいろこなさなくてはなりません。
車椅子は第2の生活の場ともいえる場所。車椅子で過ごすことが多い場合、ほんの少しの不具合が、その人のQOL(生活の質)を大きく下げてしまうこともあり得ます。
また、高齢者の状態は日々変化します。少し前までは大丈夫だったものが、今もその通りとは限りません。車椅子で過ごすことが多い高齢者の場合は、サイズが大きすぎないか、逆に窮屈そうではないか、仙骨座りになっていないかなど、いつも新鮮な目でチェックできると良いですね。
高齢者の方々が快適に車椅子を利用できれば、日常生活にもハリが出て、介護の負担も軽くなります。ぜひ車椅子を上手に使いこなしてくださいね。
高齢者に声かけをして、浅めに座り直してもらったら、車のアシストグリップにつかまりながら、お尻を上げて車の座席にお尻を乗せてもらいます。このとき頭をぶつけないように注意を。
最後に脚を車のなかに入れてもらったら移乗完了です。あせらず、高齢者の様子をよく見て、必要に応じてサポートするようにしましょう。
と、参考になれば嬉しいです。
〜 佐藤憲一 〜





























