◆自作PC不具合‗東芝製HDD(MN08シリーズ)‗シークエラーレート改善解消の一方法
【要約】
東芝製HDDのMN08シリーズでシークエラーレートが悪化した場合、
HDDを製品出荷前の状態に戻すために、
HDD内データを別ストレージへ一時退避保存を行った後、
コマンドプロンプトで、
コマンドdiskpartを実行し、対象HDDのcleanを実行する。
その後、エクスプローラ上のPC→管理から、
対象HDDを初期化して、フォーマットすることで、
シークエラーレートの悪化を改善解消できる。
【詳細】
ある日突然、PC起動の際に下記のメッセージが表示されて、
起動が一時停止しました。
"HDD MAY NOT BE AVAILABLE PLEASE CONTACT HDD MANUFACTURER. PRESS <SPACE> TO CONTINUE"
SPACEキーを押すことで、一時停止を解除し、起動が進みました。
そして、起動した後、アプリCrystalDiskInfoを起動して、
HDDのエラーの状況を確認しました。
すると、ID7のシークエラーレートで、
現在値37 最悪値1 しきい値50 生の値オール0
を示していて、
健康状態が異常になっておりました。
同様の報告が価格comで、東芝製HDDのMG08ACA16TE [16TB SATA600 7200] のクチコミ掲示板に、
全く同じ報告がtanaka7772さんより、タイトル”正常???”から報告がありました。
https://bbs.kakaku.com/bbs/K0001268089/#tab
tanaka772さんの症状もほぼ同じ症状で、
ID7のシークエラーレートで、
現在値30 最悪値28 しきい値50 生の値オール0
となり、値の違いはあれど、症状をほぼ同じ。
ここで重要なのは、現在値と最悪値が一致していなく、
一方的に劣化するのではなく、変動するパラメータであること。
また、生の値がオール0であることから、本当に異常かどうかは疑問と、
どうスレッド内のクールシルバーメタリックさんから指摘があること。
また、僕の場合、最悪値が1まで悪化していることがあるにもかかわらず、
現在値が37まで戻っていること。
このことから、何かしらの行為がシークエラーレートを改善解消させたことが予想できました。
その行為は、HDDの製品出荷前の状況に戻すこと。
僕は、東芝製HDDに対して、巷で知られているSATA3.3V問題というものが発生していました。
SATA‗Revision3.1以降は、電源ピン1~3の3.3VからNCに変更されているので、
当該ピンに3.3Vを印加すると、HDDの動作が不安定になるというもの。
https://ameblo.jp/power-of-yukichan/entry-12636231450.html
東芝製HDDにおいては、電源ピン1~3については、
企業ITシステム管理者専用の操作ピンとしてアサインされていて、
システムを落とすことなく、HDDを交換したい場合に、
当該ピンを操作して、交換作業を行えるようにしているようです。
【問題改善解消方法】
まずは対象HDD内のデータを別のストレージに保存退避します。
そして、対象HDDを製品出荷前の状態に戻すべく、
コマンドプロンプトから、
diskpart
を実行します。
すると、専用画面が現れて、最初にPCに繋がっている
ストレージ(HDD,SSD等)をリスト表示するために、
list volume
を実行します。
すると、volumeに番号が付与されて、内訳がリストされます。
そのリストの中から、HDDの容量などで当りをつけて、
対象HDDのvolumeの番号を特定します。
例えば、そのvolumeが3番であった場合、
そのvolumeを選択するために、
select volume 3
と実行します。
すると、volume 3 が選択されましたと表示されます。
その後、
clean
と実行すると、
PCのエクスプローラ上から対象HDDが表示されなくなります。
この状態になることで、対象HDDは製品出荷前の状態になります。
そうしましたら、PC→管理(PCフォルダを右クリックでリスト表示された中から、
管理を選択)を行います。記憶域のディスクの管理において、
ディスクバーが黒縁になっているものが、初期化前の対象HDDになっているので,
初期化を行います。
初期化を行いましたら、続いてフォーマットを行います。
そうすることで、PCエクスプローラ上に対象HDDが表示され、
CrystalDiskInfoで健康状態を確認すると、
シークエラーレートの現在値が100に戻って、問題が解決されます。
【所感】
東芝製のエンタープライズ向けHDDにおいては、
システム管理者の要望を反映させた機能を盛り込んでいます。
一般用途においては、使用しない機能ですが、
そのことが一般用途において問題を起こすことがございます。
シークエラーレートに関する問題は、SATA3.3V問題に関連のある問題であり、
東芝製HDDのシークエラーレート問題は、機械的な問題ではなく、
電子回路上の使い方の問題であるようです。
なので、回路工学的な知見からの操作によって、問題を解決できるようです。
【推測】
東芝HDDの電源1~3ピンについて、内部のLSIの回路にどのように接続されて、
機能を作り込んでいるかは、東芝さんから回路図の公開がされていないので、
推測の域を出ませんが、これまでの入力操作から推測されるに、
どのような回路構成になっているか、自分ならどのような回路を設計すると、
このような状況になるかを、システム回路図に書き起こします。