病院の女性スタッフから不妊治療についての説明を受け終えると、もうお昼の時間でした。

私たちは病院の近くのお店で昼食を済ませると、再び病院を訪れ医師と今後の治療について話しました。


先生の話は大体以下のよう内容でした。

「奥さま(私)の年齢的にまだ少し余裕があるので、まず人工授精をしてみてはどうでしょうか。人工授精をすれば精子の状態も分かりますし、現在の旦那さんの精子の状態を確認する意味でもよいと思います」

*この時、A病院での精液検査から2ヶ月が経っていました。


この提案は、私にとって予想外なものでした。

私は早く妊娠したいと焦っており、体外受精からはじめるつもりでいました。なので、先生に体外受精からはじめても大丈夫ですと、伝えました。

しかし、先生は「そんなに急がなくても大丈夫ですから、とりあえず人工授精からやってみませんか?」と言ってやんわり人工授精の方向へ話を持って行きました。


(先生がそこまで勧めるなら、とりあえず人工授精からでもいいか…。精子の状態も確認できるみたいだし、A病院では精液検査を1回しかしていないから、ちょうどいいかもしれない)

そう思った私は、先生の提案を受け入れることにしました。

主人は私の判断に任せてくれました。

この時、主人が無職で私がパートだから経済的なことを配慮して人工授精から始めることをすすめられたのかなぁと、ちょっと思いました。(問診票に夫婦の就業状況を書く欄がある)


もちろん、私の考え過ぎで先生は"女性の負担を出来るだけ軽く"という病院の治療方針に従っただけの可能性も十分にあります。


人工授精からはじめることが決まると、女性スタッフから改めて人工授精の治療の流れや同意書の記入などについて説明を受けました。

これで、この日の診察は終了です。

次の診察は月経周期10〜11日頃に予約をいれます。


帰りの車の中で、薬を一切使う必要が無く、採卵手術もしなくていいことに少しホッとしている自分がいました。


自覚していませんでしたが、やっぱり怖かったんですね。


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《解説》人工授精は、排卵の時期に合わせて調整した精液を女性の子宮内へ直接注入する治療方法です。

排卵やホルモンの量に異常がみられなければ、特に薬を使う必要はありません。

卵子を体外に取り出したり、受精を人為的に行うものではないので、どちらかというと自然妊娠に近い方法になります。

Bクリニックでの一周期あたりの治療費は2〜3万くらいでした。
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