不妊専門クリニックに行く前に主人と2人で話し合って決めたことがあります。


それは助成金込みで、自分たちが支払う治療費が100万円を超えたら不妊治療を一切やめることです。


理由は2つあります。

1つ目はお金です。
私たちには高額な治療費を払い続ける経済的余裕がありません。


Bクリニックは不妊専門の病院で、主に体外受精と顕微授精での治療を行っています。この2つはA病院での治療とは桁違いの医療費がかかります。


A病院では診察や検査にかかる費用は数百円〜3000円程度だったと記憶しています。Bクリニックでは体外受精や顕微授精を行うと一度に30万円ほどかかります。


不妊治療に対する助成金は自治体によって違いますが、金額や回数に制限があることが多く全額を賄うことは出来ません。治療が長引けば助成を受けられなくなり全額負担になることが多いです。


Bクリニックで治療を行うことは私たちにとってかなり大きい負担になりますが、何もせずに妊娠を諦めたくなかったので、治療費の上限を決めてステップアップすることにしたのです。


2つ目は、精神的な問題です。
結婚してから2年足らず、治療を始めてたかだか数ヶ月で何を言ってるんだという人もいるかもしれません。

ですが、こらえ性のない私は疲れ始めていました。


私の周りは結婚して1年以内に妊娠する人が多く、なんとなく自分もそういう流れで妊娠すると思っていたのに現実は違いました。


毎月、生理が近くなると気持ちがピリピリします。「今月もダメかもしれない」と自分に言い聞かせても、生理が来る(基礎体温が下がる)とやはり落ち込みます。


近所の子供や、外出時に親子連れを見るたびに「自分たちには、あんな未来は無いのかな…。旦那に自分の子供を、親に孫を抱かせてあげられないのだろうか」と考えたりしました。


友人や知人の妊娠報告を聞くと「○○ちゃんも妊娠したんだ。自分はなぜ普通に妊娠出来ないのだろう」と素直に祝福できず、ひねくれた気持ちになりました。


暇さえあれば、不妊の記事や妊娠した人の基礎体温表や妊娠の兆候を調べていました。


いつもいつも頭の中は妊娠のことでいっぱいです。落ち込んだり、ピリピリしたり、やきもきしたり…治療を続ける限り、ずっとこんな気持ちでいなければならないのかと思うと、耐えられないと思いました。


それならいっそのこと、やれれだけのことをやって諦めようと思ったのです。


予算的に恐らく体外受精と顕微授精を合わせて数回が限度、それで妊娠しないなら諦めよう。


費用が安い初期の不妊治療なら長く続けることも出来ますが、初期の不妊治療は自然妊娠を促す方法なので、自然妊娠が難しいと言われた自分には意味のないことだと思いました。


この1年が勝負。短期決戦ですが、自分たちにやれるだけのことをやって、それでダメなら夫婦2人の人生を楽しもうと決意しました。


もし自分たちが決めた期限が来て、それでも諦めきれないという強い気持ちがあるなら、その時にまた先のことを考えればいいと思いました。


それで気持ちがいくらか楽になりました。