「非常の階段」 | 赤いガチャポンのブログ(仮)

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舞台挨拶でのゲイの件は・・・そうか。そんな会話から始まったんだったな(゜O゜;

なんだか心がすっきりしました←
三●の一さん、ありがとうございます。


今日こそは書き上げるぞ、と意気込みながら、ひと月前の舞台レポを綴っています。
語彙力に乏しいからか、感情と言葉が比例しないもどかしさ。

時系列的には小竹向原で舞台を観た後、吉祥寺のカフェでカレーを食べた、あの日です(笑)


アマヤドリ「非常の階段」
9.13(Sat) 19:00開演 @吉祥寺シアター


さて。「悪と自由」をテーマにお送りしている今年のアマヤドリですが、今作は特に「自由」にフォーカスして創作をしていきたいと思います。そこでまた「悪」やら「自由」やらについてあれこれと考えてみたんですが、ふと、「自由」の反対ってのは「平等」ってことなんじゃないのか? というアイディアが浮かびました。言ってみりゃ、「平等」ってのは「不自由」の別名ではないかしら? と、そんな着想を出発点に物語を作ってみようと思います。

舞台は現代とは少しだけズレた所にある日本。登場するのは、とにかくどんな手を使ってでも生き延びて行こうとする図々しい奴らです。あるいは、そうしなければいけない立場にいる、弱い人たちです。

才能豊かな客演陣といつものアマヤドリ・メンバーで、フルサイズの演劇をお届けいたします。うだるような夏が終わりを迎えるころ、劇場でお会いできることを楽しみにしております。
アマヤドリ 作・演出・主宰 広田淳一

出演:笠井里美/松下仁/糸山和則/渡邉圭介/小角まや/榊菜津美/沼田星麻(アマヤドリ)
伊藤今人/宮崎雄真/藤松祥子/内野聡夢/レベッカ/中野智恵梨/上野みどり/足立拓海/池田萌子/KEKE/倉田大輔


吉祥寺のシアターの舞台はとても奥行きがあって面白い。そこにあえてシンプルなセットで挑んでいたあたりが良かった。

今回は最前列。ま、もうちょっと引いた位置でも観たかった気がする(;´д`)


小角まやさん作の人物相関図。

関係が一目瞭然で、とても分かりやすかった( ´∀`)

とりあえず劇団HPに興味深い解説と、舞台写真が掲載されていたので、もういっそこちらをご覧下さい!ww

「非常の階段」上演中速報(※ネタバレ含む)
「非常の階段」舞台写真

とてつもない量の文献に目を通されているんだな、と脱帽したくなる。凄い。



テーマとしては“詐欺”という現代における社会問題を絡めつつ、本質には家族や家庭の没落を描いた舞台。

ちなみにモチーフとなった太宰の『斜陽』は華族の没落を描いた作品。
まぁ『斜陽』自体は、貴族の没落を描いたチェーホフの『桜の園』から影響を受けているのだけれど←

いずれにせよ、それらを“家族の没落”として現代に置き換えたとも言える。なかなかリアリティもあって面白かった。


詐欺組織や現代の社会問題といったあたりは、ほとんど事実に近いのでしょう。

ただ組織内での“家族をつくる”という表現は、現代だからこその“繋がり意識”であって、本来であればお互いの素性を明かすことはないので、ここはある意味でフィクション、と仰っていました。


とにかく言葉が突き刺さってくる感覚。

核家族化や少子高齢化などで“家族”という意識が失われている一方で、若者たちの“繋がりたい”という意識は強まっている。

そういう世の中なんだ。
もちろんこういうのって、どの時代にも似たようなことは起こってきたのだろう。



自分達にとって“当たり前”と感じている部分を“当たり前でない”としている人の存在。格差社会。

背景には親から愛情をもらってこなかった過去があったり・・・
周りと比べると、親からの愛情を受けていない自分は「子供の頃からスタートラインが違う」といった台詞が印象的。

ただそれを不幸で可哀想だ、なんて決めつけるのは違う。それが幸か不幸かは分からない。



自由であるからこそ生まれる不平等。そこから生まれる悪。果たして何が悪で、何が善なのか。やっぱり分からない。

かなり重いテーマではあるけれど、その中で笑いの起こる場面もあったりして、引き込まれるほど魅力ある舞台だった(  ̄▽ ̄)


ちなみに・・・

うろ覚えだけど、作中での犯罪分析者の台詞。「詐欺組織があるから、お年寄りの埋蔵金が掘り起こされて、世の中が潤滑になる、という実態も捨てきれない。」

確かにそうだ。詐欺も悪い面ばかりじゃないんだなあ、と危うく正当化されそうになりました(笑)



とりあえず解釈が合ってる自信はないけど、ご了承ください←

アマヤドリ。期待できる劇団がまたひとつ増えた。こうなってくると関東から抜け出たくなくなる←

fin.