著者: 田島 隆, 東風 孝広
        タイトル: カバチタレ! (19)

最近の週刊『モーニング』(首都圏では一部を除き木曜日発売 260円)に掲載されている『カバチタレ』が真に迫っていて面白い。

 あることからバツイチの女性と知り合うのだが、その女性と付き合う男性が「後方支援」して、主人公が本当の意味で「行政書士」たる面目躍如となるかどうかが見ものである。

 

 ストーリー展開が「ありそう」な設定であるのも読者(とりあえず、ワタシ)をひきつける。そのバツイチ女性の子供を業務用自動車で軽く当ててしまってから、「誠意」でお詫びに行ったのだが、その憂いを写した細面の美貌に主人公が一旦は「コロリ」と来るのだ。あながち、ありえないハナシではないではないか!(笑) だが、そのバツイチ女性のアルバイト先の解雇(倒産による解雇)で、賃金未払いであったところから、「お詫び」の一部分として、業務的かかわりを持ち始めてしまう。ココのところも、独身男性行政書士の「下心」が少しチラチラしていて、読んでいる者には面白いのだ。+バツイチ女性の子供の名前が主人公と同じであるから、「私情」も絡んでくる。

 だが、一方で「弱い」バツイチ女性は「現実」と向き合って生きていかねばならない。金銭面でうまくいかないことも手伝って、サラ金から借り入れしている現場を、以前、勤務していたスーパーに出入りしていた客に見つかり、援助を受け、その客と「懇ろ」になってしまっていく。この「客」も、ある意味で、ジブンがなってしまいそうなシーン設定だけに、真に迫るものがある。人間とはこうやってジブンの良心さえも気づかぬほどに「崩れて」いくのだ。「カネ」の恐ろしさである。

 そして、バツイチ女性だんだんとその「客」に寝物語的に行政書士の「解決力不足」を自己中心的な解釈の下に訴えていくのだ。所詮、「溺れる者はワラをも掴む」思いなのだが・・・ (何の法律的解決も導き出してはいないのだ) この男性「客」のいろいろな「アドヴァイス」がいろいろと阻害要因になってきている。そこに女性特有の「ワガママ」も描かれている。細面の美貌が、だんだんと「険悪」な表情をを伴ってくる部分が見逃せない。また、行政書士の主人公が、だんだんと「冷静」に業務処理をし始めるのも見所だ。だが、最新刊では、その冷静さの間に、「ダレが幸せになるべきなのか」、と苦慮する主人公の姿が描かれている。

 行政書士もニンゲンである以上、ある「感情」は殺せない。ましてや独身男性ならば、世俗的な感情も伴う。『カバチタレ』はワレワレ、行政書士を目指すものにとって「疑似体験」を誘うようで、他の行政書士センセイが偉そうに「稼いでいるぞ!」「稼げるぞ!」と吼えて書かれているモノよりも、「ありそう」でとても面白い「現実的・人間的」読み物だと思う。

 

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