私は紅茶が好きだ。コーヒーよりも。
今も家族みんながコーヒーを飲む中、僕だけが紅茶を飲んでいる。
いつからそうだったかは分からないが、確か高校時代に読んだ小説か何かの影響を受けて、いろんな銘柄の紅茶を買いあさっていた記憶がある。
それを見た母が飛び切りいい紅茶を買ってきたものの、淹れ方が分からなくてあまりおいしくなかったことを覚えている。
そう、紅茶には淹れ方があるのだ。
今時のインスタントコーヒーは、さっと適当にポットのお湯で溶かせば良質なものが飲める。
同じチャノキの仲間である緑茶だって、適度な温度の魔法瓶のぬるいお湯で淹れてしまえばいい。そして出がらしは何度でも飲める。
紅茶でそれをやると美味しくない。それは茶葉の品質が悪くておいしくないのではなく、淹れ方が違うからだ。
前置きが長くなったが、簡単で美味しい紅茶の淹れ方を説明する。簡単と銘打ってるので、ここで説明するのはカップとティーバッグを使った方法だ。
ポットに茶葉を入れて沸かすタイプは、何かもっと奥が深いらしいが、とりあえず適当においしく摂取できる紅茶をご紹介する。
まず大前提として、紅茶を沸かすお湯は「グラグラと煮立って今にも蒸発しそうなほど熱いお湯」でないといけない。つまり100度のお湯だ。
そして茶葉から抽出され始める一瞬から、抽出が終わる数分の時間の間できるだけその温度を保つべきだ。
したがって、マグカップもあらかじめ温めておく必要がある。できるだけ温度の流出を防ぐ。
基本はカンカンに沸いたお湯で淹れる。なるべく高温を維持。一杯の紅茶に必要なものはこれだけだ。
これだけでどんな安い茶葉でもそれなりに飲めるようになるし、逆に高い茶葉でこれを怠ると美味しくなくなる。
そして紅茶には出がらしというものが存在しない。二回目はない。美味しくない。
高温のお湯で出きったカラはすぐ捨てていい。
緑茶のように低温で淹れると、どんな良い紅茶でも渋みだけが出がらしとして出てくる。
日本で紅茶があまり受けないのは、緑茶と同じような方法でポットから淹れているから、まずいというイメージつき、普及していない側面もあるのではないだろうか。
紅茶はやかんや電気ケトルで沸かしたてのお湯で淹れ、できればカップも温める。
ソーサーでのフタを推奨していることも多いが、めんどくさければ優先度は低い。高いティーバッグならやる価値はある。
そんなところだ。
別に強制はしないが、普段紅茶を敬遠しているなら、この機会に適当に淹れずに、きちんと箱の説明書き通りに淹れて、飲んでみるのはどうだろうか。
おわり
追伸
ちなみにこの記事のタイトルは村山由佳の小説「美味しいコーヒーの入れ方」からきている。
特に深い意味はない。