生きたいと願っている人が
切望している人が
この世には巨万といるのに
それを知ってもなお
死にたいと願う私は
ひどく醜い生き物だと思う



私が死んでも誰も悲しまない
と言いたいが
辛い思いをさせてしまう相手が
迷惑をかけてしまう誰かが
確実に居るのが現実だ



時が経てば忘れられ
何もなくなるかもしれないけれど
ひと時でも大切な人達を苦しめるのが
ウッカリ消えない傷を残してしまうかもしれない事が
忍びない




死を選ぶ事は
私に与えられた究極の自由であり
ワガママであり
贅沢であると思う


そして相反するように
他者に傷を負わせる
罪深い行為であるとも思う



つねに矛盾を抱える
矛盾の中で生きる醜い生き物なのだ



この抱えた矛盾など
消え去ってしまうくらいの衝動に
かられた時に
私は死を選ぶのではないかと思う



そんな自分の傾向に気がつき
危惧したからこそ
今回
遺書を書いておこうと決めた



周囲の方の負担が少しでも減るように
後始末が少しでも楽になるように
書いておくことに決めたのだ



死に方は
たぶん
大体
心得ている


幾度となく調べ学んで来たのだから
極力
周りに迷惑のかからない
ベストな死に方を
…衝動にかられた時に
はたして選べるのか
いささか不安ではあるが
死に損なうことは
無いようにしたいものだ







幼い頃
私にとっての死は
まさに衝動のはけ口であった

ノート一面に死にたいと書き殴り
自分を傷つけるだけで
あらかた治ったものだ

 


若かりし日は
いつか死にたくなくなる日が来ると
信じていた


母親と決別し
自由になった暁には
死にたいなどと
微塵も思わなくなると
信じてやまなかった

何とも浅はかである


私の中にはもう
へそ曲がりの病魔が
しっかりと巣食っていたのに



形の上で自由になっても
心が自由になるのは時間がかかるもので
今でも
本当に決別したとは言えない
…のかもしれない


しかし
もはや
この死にたい病は
私自身の問題なのだと
薄々気がついてはいる



大切な人が出来ても
命の尊さを知っても
儘ならない自分に絶望し
希死はいつも隣にいた



人間は歳をとるごとに臆病になる
失うことを恐れ
迫り来る未来の全貌に怯え

それなら
今死んでしまったら
もう恐れる事はなく
解放されるのでは無いか
と思うようになった


もはや
ノート一面に書き殴っても
いくら自分を傷つけても
この呪縛からは逃れられないと
分かってしまったかのようだ



最近は
もっぱら死への衝動と戦う日々
私は私に限界を感じている 



よもやここまでか
諦めようとすると
安心してしまう
どうしようもなく
ワガママで
醜い生き物に成り下がっている




普通の人間になりたかった


でも
気がついてしまった



普通の人間にはなれない




自己中心的で
周りの気持ちが分からない



私は
ただの醜い生き物なのだから