2003年仏語圏カナダの街歩きVol.4(完) | ぽてなまの~と 【ときどきADHD話】

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「なまいき」で「なまけもの」な「ぽてたろう」のノートです。
日常のあれこれや、その日考えたこと、そしてADHDや発達障害についての「あるある」などを書いてこうと思います。

タイムカプセル(2003年)の旅

仏語圏カナダの街歩きVol.4

 

AUBERGE

忘却を誘う古風な宿で

ゆるりと過ごす

 

 

オーベルジュ・サンタントワーヌ

時間旅行が楽しめる宿

木戸や古風な看板が並ぶ石畳の路地。ケベック・シティには波止場のドックや修道院の一部などを改装した個性的な宿が多い。

 

そんな宿のひとつオーベルジュ・サンタントワーヌに宿をとった。オーナーのブライス氏は「ここは19世紀が疑似体験できる宿、非日常感覚が病みつきになるリピーターも多い」と言う。猫脚のバスタブにつかり、天蓋付きのベッドで眠る。この非日常空間で寝起きすること3泊4日。頭の中の仕事が、日本が、どんどん遠くなっていく。

 

オーベルジュ・サンタントワーヌ(現在はリニューアルで普通のブティック・ホテルに。残念)

https://www.saint-antoine.com/

 

オーベルジュ・ラ・ゴエリッシュ

眺めのいい湖畔のオーベルジュ

セントローレンス川の中洲オルレアン島に位置する静かなオーベルジュ。美しい川の景色が眺められる客室のほか、長期滞在用のアパートメントもある。開放的な雰囲気のレストランは、食事だけを楽しみに来る地元の人にも人気。

http://www.goeliche.ca/en

 

ラ・メゾン・ピエール・デュ・カルべ

中世の趣を残す貴重な宿

モントリオール旧市街の古い建物をそのまま利用したクラシックなオーベルシュが人気。1725年に建てられたラ・メゾン・ピエール・デュ・カルべは日本人がイメージする“古風な西洋館”そのままの雰囲気。ここに泊まれば、18世紀にタイムスリップした気分が味わえそう。1階のサロンはレストランになっているので、「ゴージャスなディナーだけでも」という人はぜひ。

 

La Maison Pierre du Calvet(公式ではない)

https://www.tripadvisor.jp/Hotel_Review-g155032-d185642-Reviews-La_Maison_Pierre_du_Calvet-Montreal_Quebec.html

 

モントリオール&ケベック・シティを

もっとよく知るためのキーワード

 

MONTREAL

<カソリック>

ケベック州は北米の他州に比べて圧倒的にカソリック信者が多い。モントリオールの街を歩いていても、ノートルダム大聖堂を中心にあちこちに教会がある。中でも市民に愛されているのが、モントリオールの守護聖人セント・ジョセフに捧げられた聖ジョセフ礼拝堂だ。もともとは人を癒す力を持ち“奇跡の人”と呼ばれたアンドレ修道士が建てた小さな礼拝堂たったが、現在は年間200万人が訪れる北米第一の巡礼地となっている。礼拝堂の中では「祈りのカで歩けるようになった」という人たちから奉納された無数の松第杖がろうそくの灯りに照らし出されている。

聖ジョセフ礼拝堂

http://www.e-maple.net/travel/spot.html?no=966

 

<ブティック・ホテル>

再開発が盛んな旧市街を中心に、スタイリッシュなブティック・ホテルが増えている。ケべック出身の詩人の名を冠したホテル・ネリガンもそのひとつ。音響に凝った28室のスイートの中にはジェットバスがある部屋も(現在はペントハウス、スイート、ダブルなど100室以上)。1階のバーはエグゼクテイブの社交場となっている。

Hotel Nelligan

http://hotelnelligan.com/en/

 

<ガーデニング>

ケベック州の春の訪れは遅い。その分、春風が吹き始めると「とことん春をエンジョイする」というのがモントリオール流らしい。前モントリオール市長ピエール・ブルク氏は有名な蘭好きで「花いっぱいの街ケベック」化運動を進めようとしている(当時)。玄関前に階段があるのはケべック風の家の特徴だが、春はその階段が色とりどりの花で飾られる。夏のピーク時期には、マーケットの外広場も苗や鉢植えを売る店であふれるほどになる。そんなモントリオールの“ガーデナー”たちの心のよりどころがモントリオール植物園。世界の植物26,000種以上が栽培されている。

モントリオール植物園

http://espacepourlavie.ca/en/botanical-garden

 

<冬のない空間>

吹雪の日でも花が咲く種物園が“常春”の空間なら、全長約30kmに及ぶモントリオールの大地下街も“冬のない空間”だ。また、密閉されたドームの中で、ローレンシャン高原の森林やワニが寝そべる熱帯雨林を再現した「バイオドーム」にも冬はない。セントローレンス川流域の東部海岸気候エリアでは、それまで川面しか見ていなかったセントローレンス川の“深部”を垣間見ることができる。アトランティック・コッド(大西洋真ダラ)がゆうゆうと泳ぐ姿を見た後は、川の流れに向ける目線が違ってくるかも。

Biodome de Montreal

http://espacepourlavie.ca/en/biodome

 

QUEBEC CITY

<シャトー・フロントナック>

1892年、セントローレンス川を見下ろす断崖の上に建てられて以来百余年、フェアモント・シャトー・フロントナックは、“ケベック・シティのプリマドンナ″の座を独占してきた。アメリカの建築家ブルース・プライスがフレンチ・ルネッサンス様式を意識して設計したといわれ、その姿の美しさには定評がある。実際、ここはエリサベス女王やルーズベルト大統領も宿泊した格式の高いホテル。19世紀ハイソの気分を味わいたい人には宿泊もおすすめ。カフェ・ドゥラ・テラスなどのレストランやバーでゆっくりと夜を楽しむのも一興。

Fairmont Le Chåteau Frontenac

http://www.chateaufrontenac.com

 

<パン&メイプルバター>

サックリしたクロワッサンから田舎風のブリオッシュまで、ケベック州はパンがおいしい。モンモランシーの滝やサンタンヌ・ドウ・ボープレヘドライブするとき、ぜひ寄りたいのが、シェ・マリーだ。店の外には「150年前から使っている」という石造りのバン焼き窯がある。この窯で焼くのが「おしりバン」と呼ばれるかわいい形のふわふわの白パン。これにたっぷりとメイプルバターを塗って食べさせてくれる。

Chez Marie(公式だが、和訳がおかしい)

http://www.boulangeriechezmarie.com/

 

<セントローレンス川>

ケベック・シティだけでなく、ケベック州全体を語るときに欠かせないのが、オンタリオ湖から大西洋にそそぐセントローレンス川だ。モントリオールも、実をいえばこの川の中洲にできた街だ。旧市街と対岸のレヴィの町はフェリーで結ばれている。そのフェリーのデッキから見上げるシャトー・フロントナックはケベック・シティを代表する絶景のひとつ。

 

<アクセス>

ケベック州の玄関口といえばモントリオールのドルウアル国際空港だが、残念ながら日本からの直行便はない(※2018年現在はエア・カナダで成田―モントリオールの直行便あり)。トロントなど、カナダ国内の都市から乗り継ぐのもひとつの方法だが、デトロイトなどアメリカ経由のほうが便数が多くて便利だ。モントリオールからケベック・シティへは空の便もあるが、1日4~5便運行されているVIA鉄道のファーストクラスが楽しい。食事をしながら3時間、重厚なレンガ造りの駅舎が特徴のパレ駅(ケベック・シティ)に到着する。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。m(__)m

 

<『GRAN』2003年7-8月合併号より執筆部分を抜粋>

このシリーズは雑誌本体がなくなったり、取材先の再承認を受ける必要のない過去の執筆原稿を、著者本人の忘備録として転載しています。

画像は本人撮影分もしくはフリー素材で、雑誌掲載時に使われたものではありません。

情報は掲載当時のもので、現在は変更になっているものが多いかと思われます。

現状と違うと確認ができた部分は削除しています。