私が住む地域は戸建の住宅地域です。


前年度は我が家に組長の担当が回ってきました。


区内に組長は15人ほどいらっしゃいます。



そして、月に1度組長会議があります。


季節のイベントの打ち合わせ、町内広報の受け取り、


町内の苦情対応 等が議題に挙がります。



ある時出た問題が、歩道に植えてある 「街路樹」 についてでした。


当区域は緑の有る町を目指していたそうで、銀杏とケヤキがたくさん植えてあります。



しかし、落ち葉がエアコンの室外機に入ってしまったり


車の上に積もったりするお宅があるそうで、


「町内には剪定の予算が無いから、


地域住民でお金を出し合い、植木を根元から伐採しましょうよ」


との発言がありました。



私はこう思いました。


住んでいる人たちには邪魔かもしれませんが、


もともと人間が、どこからか勝手に木を持ってきて、そこに植えたのです。


それを人間の都合で、切ってしまうなんて・・・。


伸びた枝を剪定するのではないんです。


根元から切り落とすのです。



その発言をした人より、どの住民より、植木の方が長寿です。


明るい顔で発言されたその方が、信じられませんでした。


他の組長さんはどう思われたのか分かりません。


でも、帰り道、私は悲しい気持ちになりました。



その後、注意して町内を歩いてみると、


根元から切り落とされた切り株がいくつかあります。


根っこは地中に残ったまま、上からコンクリートを流し込んだものもあります。



いたたまれない気持ちのまま、年度末を迎えました。


年度末(今年3月)にご近所の方だけが集まる懇親会がありました。


そこで、植木の事をそれとなく話題に出しました。


近所の奥様方はどう思ってあるのか知りたくて。



ある奥様が発言されました。


「うちは邪魔だろうがなんだろうが、絶対反対。


 命あるものを切ってしまうなんて、


 周りは賛成しても、私は反対!」


と。


その方は、迷い猫や、知人が飼育できなくなった犬を引き取って


世話をしてあるそうです。


近所にそういう方がいらっしゃって、


それだけが心の救いでした。