20年前に、隅田川のホームレスのおっちゃんたちに『わしらは、日本人だから最終的には生活保護という手段があるから、わしらはいい。でも外人さんたちは自分の国を追われて日本に来ても働くことができないらしいじゃないけ。あういう人たち を助けてやってくれんか。』と言われて彼らの住まいを提供していたことがある。
大半は短期滞在で日本にやってきて不法就労で入管に収容され、そこで難民申請を知り、友人や弁護士の協力を得て仮放免となって外へ出たのはいいけれど、働くこともできないし、医療にもかかれない。そこで、だれもやらないことをやるという私の信念で彼らを受け入れたのはいいけれど、半年に1回は仮放免延長の更新にいった人が必ず、拘束される。もう、その度に差し入れやら、再び仮放免申請やらで品川や牛久に定期を作ろうかと本気で思うくらい通った。面会に行く度、隣で面会者が工場の同僚だったのだろう。「がんばれよ、みんな待っているからな!」と仲間で声を掛け合い、泣いている声が聞こえることがよくあった。働くことが嬉しい、日本人に受け入れられることが嬉しい。単に彼らはそう思っていたはずだ。
その後、『みなはうす』は財政難のため数年で廃止となった。難民申請を何度も不許可となり強制送還となった人、自費で母国に帰った人、第三国に渡った人、仮放免を繰り返して日本にいる人等様々だが、その体験を通して今声を大にして言いたい。留学や技能実習生という正規のビザで来日した人も含めて、みんないいとこのぼっちゃん、おじょうちゃんばかりである。
来日するにはみな飛行機でやってくるのである。貨物船で密航してやってくるものなどいない。観光など短期滞在で来日する場合には往復の飛行機代とホテルなどの宿泊費を含め、50万~100万円はお金があるところを見せなくてはい行けない。留学は更に学費がいる。親がよほどの資産家でないと、留学ビザなど取得できないのである。ましてや、技能実習生は12年間の義務教育を含めた教育を終えたもの。また日本語がN2以上というのが条件である。言っとくけど、N2レベルって日本人の大部分負けているよ。そして、義務教育って日本だけなのよ。東南アジアで12年も学校に行けている裕福な家庭のご子息が、日本に来て農業や介護や建築業という今時の日本の若い者がやりたがらない3Kの職場で苛め抜かれてこき使われて、挙句に給料をピンハネされて、それでも日本に来てくださっている。
そんな彼らを追い出して、じゃあ、だれが彼らがしているキツイ仕事をしてくれるというの?大体、彼らが来日する前に受ける日本語研修その費用。彼らが逃亡した時のための保険。日本の管理団体に払うお金や接待。斡旋するブローカーへのお金等々。少なくとも100万円以上は親が親戚中から金を集めて賄っている。2,3年日本で働いたら借金を返し、その上親に家を建ててやる。そんな話も聞いたけれど、それは昔の話。そもそも、送り出し機関で夢のような話ばかりしないで、現実を知らせなさいよ。また、留学生は一月80時間以内の労働しか認められないんだよってことも教えないとね。そして、決して日本人は優しく、日本は平和で安全な国ではないよ。と、大事なことを教えてあげないと。寄ってたかって彼らを騙しているのは日本の移民ビジネス業者らじゃないのか。彼らは犠牲者だ。
だからね、それだけ日本に来る外国人は苦労知らずのボンボンばかりなのだ。そのボンボンを追い詰めると生きていくために悪いことをする人も出てくる。日本で酷い目に会って母国に帰った人は、仲間を同じ目に会わせたくない、とは思わないものである。今度は自分がブローカーや闇バイトのリクルーターになるのである。
「キッチンのある部屋で寝るのは使用人だ!」寮で唯一のキッチン付きの部屋に怒って退寮し帰国したマリ人から、ママ、いつかマリに遊びに来てー。と手紙が来た。(彼のお父さんは時の政権の政敵だったらしい)日本の若者の多くは1Rである。
