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【遅れてきた新人】の、内山敏洋 と申します。 蔵の中に溢れかえっている作品や頭の中に湧き出てくる作品を“どんどんと!”と、考えております。

「そうか…、相当に堪えたようだな。
分かった。今夜はしこたま飲ませてやってくれ。
そうだ、先夜の芸者を呼んでやってくれんか。
いや、遅くでかまわんさ。
遅いほうが良かろう。
で、明日はゆっくり寝かせてやってくれ。
役所は欠勤させるさ。
お前の機転で連絡したとかでも言ってやってくれ。
少し荒れるかもしれんな。
ま、よろしく頼む」

受話器を置くと、すぐに奥方が飛んできた。
「正三さん、大丈夫でしょうね。
大事な預かりものなのですから。
やはり、お泊めしたほうが宜しかったかしら」
「いや、これでいい。橘の方がいい。
今夜はしこたま酔って、全てを洗い流せばいい」
 
「少し可哀相な気もしますね、正三さん」
「何を言うか! あんな竹田の分家如きの娘なぞ、話にならん!」
更に言いたげな奥方だったが、源之助の剣幕に押された。
“そうね…。役所で出世するには、どうしてもね。
でもどんな娘さんなのかしら、正三さんがこれほどに惚れ込むなんて”