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堅い感じの本ですね。これを読みました。
アメリカの陸軍戦略研究所のレコード博士が、
日米の太平洋戦争の開戦要因を分析し、まとめたレポートでした。
主な主張は、
日米相互のコミュニケーションミスにより、回避できるハズの悲惨な戦争が起きてしまった。
とまとめられるでしょう。
さらに、主に以下のフォルトが重なってコミュニケーションミスが起きた。
○米国側
・対日経済制裁・駐アジア米軍強化の米意図と日本解釈の大齟齬。
・ルーズベルトの中国の異常な偏重。
・日本の事情の不理解。
○日本側
・南進により米国との開戦は不可避と思い込んでしまった。
・陸(対ソ偏重)・海軍(対米偏重)の不一致。
・米国の内心の読み違い。
冷静に両国のフォルトが列挙されること、
そして開戦理由として、
米国の対日経済制裁により、
①米国に隷属し生活を守るか、②最後まで戦って誇りを守るか
この大きな決断をしなければならず、後者を選んだ点の指摘は、
日本だけが悪くないでしょっと考える「愛国的」な日本人諸君には
どこか余裕に似た感情を与えてくれます。
でも我々が押えるべき本丸は
責任回避ではなく教訓を守り、活かし続けることです。
これは国家同士レベルのやり取りでなくとも、
個人同士でも十分通用することだと考えます。
日本と太平洋戦争って、みなさん自信を持って他人に説明できるでしょうか。
私は難しいと思うんですよね。国内では二重の解釈があります。
そんな環境の下、腹に落とし込んで理解できている人は少ないと思うんです。
二重の解釈とは
「教科書」と「メディア」に登場する日本の立ち位置のギャップのこと。
「教科書」で日本は反省すべきと教わります。
これについて、日本人の歴史観はしばしば「自虐的」と言われます。
対して、
「メディア」では
特に近年は「日本すげぇ!」とか、「誇りある日本人」的な内容が人気を集めます。
これら二重の姿のおかげで、
アイデンティティの置き所が分からない人が多いのではと思います。
誇りある日本人って観念、それだけを信じてしまうと、
盲目になってしまい、傷ついた誰かを放置することになります。
慰安婦問題なんて良い例です。
たくさん私も被害者だ!と声が上がって、
中には便乗している人も居るでしょう。
でも被害者の有無にかかわらず、
「現状が嫌だ」って声を無視するのは賢い戦略ではないと思います。
傷ついたって主張を聞かないままでは、
いつまでたっても合意できないままです。
現代の、国家主義の重要性が失われつつある社会において、
国際協力はますます重要になります。
この環境の下、ますます私たちは取り残されることに繋がります。
じゃぁ、猛省すればよいのか、違います。
日本が世界の皆さんすみません!とどれだけ反省しても、
戦争は止められません。
真に価値ある「国益」とはなんなのか。
レコード博士が提示してくれた、教訓です。
どっちの主張が正しいか、なんてどーでも良い話なんです。
追及しても答えなんか出ません。
現段階の国益とは何なのか、未来その国益はどうなるだろうか、
次にどうアクションを起こせばよいのか、考えて行動すること。
これに尽きるのではないでしょうか。
現実的に状況を捉えろ、
感情に支配されず、本当に大切なものを守れ。
これがレコード博士が教えてくれた、貴重な報告であったと思います。