午前5時、気管を通り抜ける空気の冷たさを感じながら、いつものコースを走り抜けた。

炊きたての備蓄米を口に運びつつ、耳に入るニュース。物価はまた上がる。給食は無償化されるという。

駅のホームに到着した急行電車。足の不自由な乗客が駅員に介助されながら乗り込む。6席の優先席。数秒の沈黙の後、駅員の呼びかけに応じて立ち上がる、気の弱そうなサラリーマン。

そのエリアだけ黄色く塗られた吊り革を掴み、揺らされるたった数十分。座り続ける居心地の悪い座席に。その日。そのあと。