韓国語と聞くと、ある苦い思い出がよみがえる。
わたしが大学生だった頃、かれこれ30年くらいむかしの話。
大学の後輩に韓国からの留学生がいた。
彼は、日本語が上手で素朴な好青年だった。
わたしは、比較的彼と仲が良かったと思う。
ある日、彼が「韓国語を習わない?」と誘ってくれた。
わたしの友達には韓国に行き彼の実家に遊びに行った子もいた。
その時わたしが彼に返した言葉は、
「韓国語は韓国でしか通じないでしょ」
これを聞いた彼は、
「・・・言葉を学ぶってそういうことじゃないんだけどな・・・」とさみしそうにつぶやいた。
当時わたしは、英語を習得するのに熱心だった。
英会話学校に通ったり、アメリカに1ヵ月ホームステイに行ったり、とにかく外国に強いあこがれを持っていて、アルバイトをしてお金を貯めては海外旅行をしていた。
しかしその中に韓国は含まれてなかった。
あれから月日が経ち、わたしは結婚・子育てと忙しい日々を過ごしている。
そんなわたしが今、夢中になっているのが・・・
実は、韓国語と韓国の文化だ。きっかけは単純明快“ヨン様”
夜中に放送されていた「冬のソナタ」を偶然見て、わたしはすっかり韓国の虜になってしまった。ヨン様がかっこいいのはもちろんのこと、韓国語の音に魅了されてしまった。
韓国語って美しい。
すぐに韓国語を学びたいと思ったけれど、子どもがまだ小さかったため語学学校に行けず、独学もできない状態だった。そんな時、夫が駅に置いてあったチラシをもらって帰ってきた。
「7か国語で話そう!」
ヒッポファミリークラブのチラシだった。ヒッポファミリークラブでは、勉強をしない。大人も子どもも遊びを通して言葉を習得していく。子どもを連れて行っても静かにさせなければと気を揉むこともない。わたしは7ヵ国語の中に韓国語が入っているのを見つけ、
これだ!と思った。
ヒッポファミリークラブに入ってからは、韓国三昧の日々。
我が家に韓国人のホームステイの受け入れをたくさんし、韓国にも行った。韓国人の友達もたくさんでき、韓国料理も作れるようになった。大好きな韓国語が少しずつだが話せるようになった。
そんな時、大学時代、わたしが韓国人の友達に放った言葉を思い出した。
「韓国語は韓国でしか通じないでしょ」
隣国を顧みないで遠い外国に憧れていた若い日々。目の前の友人の母語に目もくれなかったわたし。若さは馬鹿さで無邪気に人を傷つける。彼は日本でしか通じない日本語を一生懸命勉強してくれたのに。彼のさみしそうな顔を今でも鮮明に憶えている。
今になってようやくわかった。彼の言いたかったことが。
ヒッポファミリークラブを創設した榊原陽さんの言葉が胸に刺さる。
言葉を大切にすることは、その言葉を話す人を大切にすること、隣の国の背後に世界があるんだ。隣の国を越えて世界はないよ。
そう、言葉と人は切っても切れないものなのだ。
彼に出会わなかったら・・・
ヨン様に出会わなかったら・・・
韓国はいつまでも、わたしにとって遠い国だったでしょう。
今では彼の名前も忘れてしまったけれど、もし再会することができたら、わたしはこう伝えたい。
「あの時はごめんね。今は韓国大好きよ」
ヒッポファミリークラブ長崎
毎週火曜日 18時~20時 北公民館
0120-557-761(受付:平日10~16時)
http://hfcw.jp
