東京・銀座は、女性が日本で一番きれいに見える街と言われます。
それで先日、耳にしたのですが、
実際に、銀座の街灯は、女性がきれいに見えると言うのです。
1951年、銀座に106本の街灯が設置されましたが、
その際、女性の肌がきれいに見える色合いを考慮したと言います。
きれいに見えるなら、女性は喜んで銀座の街を歩く。
きれいな女性がたくさん歩いている街はイメージがいい。
そして男性も自然と集まってくる。
そんな商店街の人たちの目論見だったそうです。
現在の街灯になったのは1968年のことですが、
女性がきれいに見えるようにというこだわりは継承され、
「メタルハライドランプ」という、
化粧や洋服、肌の色をくっきり見せてくれるランプが
採用されているのだとか。
この女性をきれいに見せる照明によってお客様を呼ぶというアイデアは、
1898年、リッツ・カールトンの源流である高級ホテル、
ザ・パリ・リッツを創業した、
セザール・リッツがあみ出した方法だそうです。
彼は、ご婦人客の顔色やドレスの色を引き立てるためには、
あんず色がかかったピンク色の照明が最適ということを発見。
また、少し暗めの照明が、瞳孔を開かせ、
女性の瞳を美しく見せる効果があることも計算に入れて、
レストランの間接照明に細心の配慮をしました。
これが多くの貴婦人の心をつかみ、熱狂的な支持を得て、
ザ・パリ・リッツは、高級ホテルがしのぎを削るパリでも、
圧倒的な人気を誇るホテルとして君臨するようになったそうです。
銀座、そして、パリのリッツホテルといえば一流の代名詞。
その高い人気やイメージの裏には、こんな創意工夫があったんですね。
この、創意工夫でお客様をいかに惹きつけたかという話。
これは、まさに、ビジネスの話です。
そう、ビジネス!
就職活動では、説明会があり、ESや履歴書を提出して、面接を受けます。
実は、この一連の流れは、就活に限ったことではなく、
一般的なビジネスの進め方と全く一緒なのです。
つまり、何が言いたいかと言うと、
就職活動とは、ビジネスの世界をよく知らない大学生が、
まるっきりビジネスのルールで進行する世界の中へと
入って行くことなのです。
ちょっと詳しく説明しましょう。
ある企業が、ある商品を開発することになったとして、
その主旨や概要、背景を、上司が担当の部下や下請け会社に説明します。
これをオリエンテーションと言います。
実際の商品開発者に、条件となる情報をインプットするんですね。
このオリエンテーションが、就活では、説明会に当たります。
そして担当の部下や下請け業者は、商品開発に取り掛かります。
まずアイデア、そして原材料の選定やパッケージデザインなどを具体化して行きます。
その詳細を上司に説明する為の企画書も書かなければなりません。
この商品開発の段階が、就活では、ESや履歴書を書くことに当たります。
就活の場合、商品は自分自身。自分のどんな面をアピール(=開発)するかが勝負です。
次に担当部下や下請け業者は、今度は、
試作品と企画書を携え、社長や上司の待つ会議室へと向かいます。
プレゼンテーションです。
社長や上司に試作品を披露し、企画の意図や商品の詳細を説明します。
そして質疑応答があり、その結果を踏まえて、
社長や上司はこの商品の発売に踏み切るかどうかの検討に入ります。
就活では、このプレゼンテーションが面接に相当します。
あなたという新商品を企業の採用担当者や役員に実際に見てもらい、
質疑応答の中で自分をPRして、
あとは採用担当者や役員が、あなたを採用するかどうか検討するのです。
就職活動の「説明会→ES・履歴書→面接」という流れは、
「オリエンテーション→商品開発→プレゼンテーション」という、
まさにビジネスのルールにのっとったものだとお分かりいただけましたか?
いま、就職活動は、企業の一方的な買い手市場で、
就活生に対する要求レベルがどんどん上がってきています。
ひと昔前までは、新卒者は、素質さえあればよかった。
あとは入社してから、ビジネスをひとつひとつ学んで行けばよかった。
でも、現在は、マナーから始まって、企業の動向や業績の分析まで、
ビジネスのやり方を理解していなければならない。
先日、私の勤める職場の上司が朝礼で、
いま求められているのは、言われなくてもやるべきことができる人材だ、
という意味のことを言っていました。
企業は、ビジネスの経験のない皆さんが、
どれだけビジネスのやり方を分かって振る舞えるかを見ているんですね。
そんなの無理?
そう、難しいことではあります。
ここまでのこの文章の流れも、
たいへんだよ~と、多少脅すようなニュアンスがあったかもしれません。
でも、大丈夫、と言えば、大丈夫なのですよ、これがw
ビジナスマナーについては、要するに社会の常識を問われています。
どうせ習得しなければならないことですから、身につけてしまいましょう。
業界や企業の分析についても、説明会で得た情報で十分なんですよ。
就活における説明会は、
ビジネスでのオリエンテーションに当たると書きましたが、
企業は説明会で、余分な情報は省いた、
必要十分な情報を与えてくれるはずです。
もちろん、もっと知りたいことが出てきたら、何らかの方法で、
尋ねたり調べたりすればいいのです。
やはり問題になるのは、商品開発(=ESや履歴書)、
そして、プレゼンテーション(=面接)です。
当然ですが、ここが、合格するかどうかの最大のポイント。
では、ここで何が必要か?
そんなに複雑だったり、難しかったりすることではありません。
大学生の皆さんにも分かる簡単なことです。
それが、「創意工夫」です。
冒頭の、銀座やリッツホテルの話で、
照明のエピソードの創意工夫こそは、まさにビジネスだと書きました。
ビジネスとは、実は、いかにお客様を呼ぶかの創意工夫の積み重ねです。
そして、皆さんは就活で、ビジネスのやり方を要求されている。
ゆえに、創意工夫をしなければならない…。
あ、今、「その創意工夫が分からないんだよ」という声が聞こえましたw
でもね、それを自分の力でやっている人が、
内定を獲得するのだと思うのです。
だって、創意工夫って、自分の力で考えること。違いますか?
先日、いま一番売れている就活本ということで、
『凡人内定戦略』(武野光・著/中経出版)という本を読んでみました。
「TOEIC未受験、資格ゼロ、コネなし、サークル入っていない、留学経験なし、勉強してない…etc.」の凡人学生さんが、
いかにして複数内定を獲ったかという内容の、
その自称・凡人学生さん自身が書いた本です。
でもね、結局、この凡人学生さんは、企業研究についも、ESについても、
面接についても、その他、就活のあらゆることについて、
自分なりに考えて、戦略を練って、創意工夫をしているんですよね。
だからこそ本が一冊書けるのだし、でなければ本なんか書けるはずもない。
そして、そういう創意工夫する人だからこそ、
目立った肩書きやアピールポイントがなくても内定が獲れたんだなあ、
と言うのが、私の読後感でした。
もちろん、皆さんにとってビジネスの世界は分からない事だらけだろうから、
どんどん色んな情報を吸収して行ってください。
でも、それだけで終らないで。
そこに、自分なりの「創意工夫」を加えて行くことが、
とても、とても大切な、本質的なことなのだと知っておいてください。
大人たちが、時には不平不満を言いながらも、
なぜあんなに一生懸命仕事をしているか?
それは、仕事の本質である「創意工夫」が楽しいから、なんですね。
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