僕は、電車の轟音から逃れるようにコツ通りを浅草方面へと向かいました自転車

今回の一番の目的、
泪橋と思川の痕跡を探します。



コツ通りを進むと、すぐに大きな交差点がありました。

まさか、こんなに大きくないよな〜

そう思って見上げると……

泪橋交差点びっくり

えっ、ここが小塚原で処刑される罪人達と、涙のお別れをした場所ですか〜?

その名残は跡形も無く消え果ててしまい、目の前を車が通り過ぎて行きます。


とすれば、思川は右手から流れて、左手の隅田川へと続いているはず。

もう一度、辺りを見渡しました。
でも、痕跡は全くありません。

交差点を渡って、その付近も探しました。

ただ一つ、付近案内地図に、思川泪橋の文字がありましたが、何を意味しているのか、分かりませんでした。



そんな時、交差点からすぐの小路に、こんな行列が……

ランチタイムだから、美味しいラーメン屋さんでもあるのかな?
僕も並んでみようか……


そう思った僕は、愚か者ですショボーン


ここは、山谷地区。

山谷は、大阪の西成地区、横浜寿町と並ぶ、日本三大「ドヤ」街の一つです。

つまり、この行列は、ホームレスや、「ドヤ」の方々への、お昼の炊き出しだったんです。

先頭の方から、おにぎりとおかずのパックを持った方々が来ます。

今では、日雇い労働者の街というより、福祉の街になったとテレビで見たことがあります。

今は、生活保護で暮らしている方々が多いのだそうです。



そのすぐ近くのアーケード。
数人の「ドヤ」にも入れない方々が、路上で横になっていました。

開いてるシャッターは……
ほとんどありません。

歩く人もあまりいません。

まるで過疎が進んだ、地方都市の商店街みたいです。

ここが東京23区内のお昼時?


上の方には、「明日のジョーのふるさと」の横断幕が見えます。

あの丹下ジムは、泪橋の橋の下にあったのでしたね。



とある「ドヤ」の1泊料金。

ここは、まだ高い方で、1泊1300円というのもありました。

でも、冷暖房完備でも、2畳ではショボーン

どれくらいの数があって、どれくらいの人が暮らしてるんだろうか。

立ち止まっていると、窓が開き、フトンが干されました。

ここにも、確かに人間の暮らしがあるのです。



さて、泪橋の痕跡は見つけられませんでしたので、元々のきっかけとなった、荒川区と台東区の区境を進むことにします。

川の痕跡を見つけられればいいのですが……


このお寺さんは、浄閑寺です。
三ノ輪橋近くにあります。



別名、投込寺。

吉原遊郭で死んだ、身寄りのない遊女達は、ここに投げ捨てられたと言われています。

考えれば、吉原(新吉原)遊郭も、このすぐ近くにありました。
現在も風俗街として残っています。

そして、ここは処刑場の小塚原と、遊郭の吉原の交差する場所。

言い換えれば、
死と性、憎悪と享楽が交差する場所……


それにしても、
回向院、延命寺、浄閑寺、吉原、山谷。


これは偶然なのか?


いいえ、そうではありません。
今も昔も、
お上は、近くに集めたのでしょうね。

逆に言えば、お城(中央)から遠ざけたかった!


実は、この後、山谷堀跡から吉原、隅田川へと寄り道したのですが、それは次回に紹介します。



浄閑寺、三ノ輪橋付近からは、地図を見ながら進みます。

微妙なカーブが怪しい。

そして、自転車からは降りました。

なにしろ、この辺りからは、非常に複雑な境界線となります。

当然、通りの右側が荒川区、左側が台東区となるように進みます。



途中、こんな石柱が。

実に怪しいニヤリ



こんな、不自然な別れ道も怪しい!

普通は、こんなふうにはなりません。
左手が匂います。



再び、似たような別れ道。

これも、左手かな?



とあるお宅には、こんなブロックがびっくり

出入り口らしき所には、階段があります。
さらに、そのブロックには、コケがあります。 

これも怪しいニヤリ



でも、なかなか、コレだというものを見つけられません。

すると、こんな大きな通りへと出ました。
大きな右側の通りは、尾竹橋通り。

ここも左手が怪しい。



そして、ようやく見つけましたウインク

善性寺というお寺さんの前。 
こんな石橋です。



どこからどう見ても不自然です。
普通、こんな風に石を並べません。

横には、将軍橋という文字がありました。

ここには、6代将軍家宣の生母のお墓があり、将軍がこの寺へ来ることがあったからだそうです。

間違いなく、ここにはかつて、川の流れがあったはずです。


そして、もう一つ。
日暮里駅前に、痕跡とは呼べないかも知れませんが……



これは、荒川消防署のプレートなんですが、「音無川出張所」の文字があります。

この辺りの、どこにもそんな音無川なんていう地名はありません。

そうキラキラ

ここには、かつて音無川という名の川が、三ノ輪付近まで流れていて、その先から思川へとなり、隅田川へと続いていたのですねニコニコ


その音無川は、さらに西日暮里駅から王子駅付近で石神井川へとつながります。

でも、今日はここでお終い。

自転車での走行距離は、少ないのですが、何だか精神的に疲れましたショボーン


この日暮里駅から電車に乗ります。
この駅は、公道からホームまでが近くて便利なのです。

山手線一周の時もそうでしたね。

お疲れ様でした〜ニコニコ
リンリン音譜