第一志望、京大、第二志望、同志社、第三志望、立命館。
これが、僕の決めた志望大学だった。
とにかく、京都の大学、関西六大学で野球をすること。そして、あっちゃんが京都に来るのを待つ。
そんな単純、不純な理由ではあったが、それがいかに無謀なものであったかを、その時はまだ知らなかった。
満足した僕が、次に向かったのは書店だ。
初めて、受験参考書のコーナーへと向かった。
『へえ~、こんなにあるのか』
僕は、驚いてキョロキョロするばかりだった。
そんな時、真っ先に目についたのは、京都大学と大きく書いてある真っ赤な本。
『うん?なんだこれは』
すぐ手に取り、ページをめくってみると、そこには、僕が欲しかった情報がぎっしりと詰まっていた。
『こんな便利な本があるんだ。同志社や立命館はないのか?』
でも、それらの本は探してもなかった。
その代わりに僕は、目の前に高く積まれた『絶対でる英単語、英熟語』を迷わず手に取り、レジへと向かった。
『これ下さい。それから、これと同じので同志社大学と立命館大学はありませんか?』
『それは注文になりますね』
『はい、わかりました。では注文お願いします』
僕は、残り二冊の注文書を書いて書店を出た。
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