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ちいたろうのお出かけ日記

お出かけしたことを中心に書いてます。
日本全国,風の向くまま気の向くまま。
いつかはあなたの住む街へ,行くかもしれません~♪。

 各駅に停まるこだま号。三島駅の停車時間を利用して、駅弁を買いに行きます。グリーン車のあたりに売店があることは以前乗った時に分かっているので、予め移動しておいて、ドアが開いたら売店へ。選ぶまでもなく、お目当ての港あじ鮨をゲット。隣の売店で缶ビールを買って、車内に戻ります。


 パッケージには「伊豆天城産生わさび入り」と書かれています。まるでブロッコリーの茎のようなわさびが入っていて、これを底がザラザラした付属の皿ですりおろすと、香りは実に爽やかで、嫌な味はひとつもしません。さらに、すりおろしきれなかった残りの部分をそのまま食べてみると、辛みではなく、野菜らしい爽やかさが味わえます。


 酢で〆て昆布のうま味を染み込ませたという鰺ですが、酢はきつくなく、わさび同様、実に爽やかです。そして、わさびの葉で包んだ寿司も、見た目からも爽やかさを感じます。静岡は寿司もハンバーグも「さわやか」の国なのです(意見には個人差があります)。
 それらと一緒に、静岡限定の静岡麦酒をゴクリ。さすがに朝から2本のビールが効いたのか、気がつくとしばらく眠っていたようです。目が覚めた時、列車は三河安城に停まっていました。
 そこからもウトウトしているうちに列車はどんどん進み、こだま711号は定刻通り12:34京都駅に到着。ホームに降り立つと、夏の京都の熱い空気が体にまとわりついてくるようです。
 ホーム東京寄りの階段を降りると、一番手前の10番線の列車が発車を待っていました。京都駅に着いたら何をしようと考えていたのですが、せっかく目の前の列車にそのまま乗り換えられるのはラッキー。奈良線でどこへ行くのか全く考えていないにもかかわらず、これに乗ることにします。


 12:45発の城陽行きの車内では、Googleマップとにらめっこ。奈良線ではあるものの、この電車で奈良駅までは行けません。
 東福寺、稲荷……と駅を辿っていくうちに、伏見に行くか宇治に行くかと考えていました。
「でも、宇治も伏見稲荷も5月に行ったばかりだよなぁ」
 ふと目に入ったのは「黄檗」の文字。黄檗といって真っ先に思い浮かぶのは、仏教の黄檗宗。その名の通り、黄檗宗の大本山、萬福寺の最寄り駅のようです。
 さらに調べてみると、この黄檗から歩いたところに、「響け!ユーフォニアム」で新入生の家として登場した神社があることがわかりました。ガイドブックに載るような場所ではありませんし、こんなことがなければたぶん訪れることはないでしょう。
「よし。まずはこの神社へ行ってみよう」
 13:02、黄檗駅に到着。駅舎から出ると、夏の日差しがギラギラと容赦なく照りつけます。
「無事に戻ってくることができるのだろうか」
 そんな考えが頭を過ぎったのですが、気合いで乗り切ることにします。


 宇治らしく、ところどころに茶畑が広がる住宅街を歩くこと十数分。道路沿いにこんもりとした緑が見えてきました。ここが「響け!ユーフォニアム」の3期に登場する許波多神社です。


 境内の入り口にはアクリル製のケースが設置されていて、「ご自由にお取りください」と書かれていました。中には「許波多の杜だより」というリーフレットが入っていて、「響け!ユーフォニアム3」のシーンがアニメの画像入り(宇治市を通じて承諾を得ているとのこと)で紹介されています。それもすごいと思ったのですが、その下の一文に惹かれました。
「小さな鎮守の杜ですが、参道の鳥居を一歩くぐると、不思議と空気が変わるのを感じます。」
 これは、私たちがディ◯ーランドやU◯Jで感じることと同じではないでしょうか。つまり、神社やお寺は身近なテーマパークなのです。(個人差の感想です)
 社伝によれば、建立は645年(大化元年)。中大兄皇子と中臣鎌足らが蘇我氏を滅ぼした乙巳の変が起こった年。ここから始まる体制の改革が、歴史で習う大化の改新です。京都という街も歴史の古いところですが、こちらはそれよりも前。都はまだ、前期難波宮の時代です。
 その後、大海人皇子(のちの天武天皇)が壬申の乱の前に先勝を祈願したり、坂上田村麻呂が東征に際して武運を祈ったりしています。
 しかし、元々この神社はここに鎮座していたわけではなく、現在の宇治市黄檗公園にあったものを1876年(明治9年)に現在地に移転させています。
「わざわざ神社を動かして公園にするとは考えにくいなぁ」
 すると、昔の神社があった宇治市黄檗公園にはかつて、旧陸軍造兵廠宇治火薬製造所があったとのこと。どうやらこれのために動かしたようです。当時は神社よりも軍事施設の方が優先されたのでしょう。


 私の前には、聖地巡礼者らしい若い男性が一人。そして、私がお参りを終えて帰る頃には、若い女性が一人、境内に入ってきました。
「みんなアニメが好きなのか、それとも吹奏楽の経験者なのか」
 ふと、日本の人口に占める吹奏楽経験者の割合は一体どのくらいなのかと考えてしまいました。正確なデータはなさそうですが、「吹奏楽人口」とGoogleで検索してみると、ヒットしたものの一つにヤマハ管楽器の「『スタンダードシリーズ』発売について」のニュースリリースがありました。これには、「(ヤマハ調べで)2011年の吹奏楽部とその部員は中学校・高校で1万校・45万人を数え、ほかには職場一般の700団体が吹奏楽コンクールに参加しています。」とあります。また、このニュースリリースによると、ヤマハは過去の吹奏楽経験者を積算した管楽器人口を約550万人と推計していました。信用できるデータではないかもしれませんが、「日本人の25人に1人が管楽器経験者(ニュースリリースより)」というのはなかなか説得力がある数字です。つまり、吹奏楽コンクールの強豪校から吹奏楽部がない学校まで平均してこの数字。
「クラスに1〜2人は管楽器経験者がいるでしょう?」
と言われたら、それはそうかもしれないと納得できるのでした。