　1980年第一刷汚れが酷く、括るのも憚れる。

図書館で借りるってことは、こうゆう事なんでしょう。何度も経験済み。

こんなこともあった。以前付箋を付けたまま返却してえらく注意されたことがある。

眉間に皺を寄せ「付箋の糊が残るでしょッ」と声こそ低いトーンだったけど

酷く緊張した場面は、今でも鮮明に覚えている。私が無知だったのだ。

　メロンの話　病室でパジャマ姿で食べても少しも美味しく無い。

高い値段を気にしながら、6分の１程を劣等感と虚栄心と闘いながら食べるところに

この果物の本当の味がある。と普段の暮らしの中で共感しやすいことが書かれていた。

　私も独り暮らしになって、メロンは二分の一をスプーンで食べる。

喜々として食べ始めるが、そのうちに後ろめたさと侘しさが滲んできて

食べ終わる頃にはむなしさが残る。何人かで切り分けて食べる味にはかなわない。

　女4人での食事会で、酢牡蠣と鮟肝を当たり前のように振る舞う友人に「いただきます～」と

言って美味しく味わい「ご馳走様でした」と礼を言えば、満足そうな笑顔が返ってくる。

なんのわだかまりもなく今では普通の情景となっている。

高価な味