リーダーシップと執行責任 という記事で書いた「スピリチュアル消費材アイテム」にはどのような特徴があるか、具体的な例を使ってご紹介します。

 

 例えば、スピリチュアル系の高額なワークショップや教材の宣伝で、「たくさんの人が支持しています(効果が出ています)」「このメソッドなら誰にでもできますよ(高いレベルに到達できますよ)」「他ではやってない方法です」「最先端の情報(技術)です」という宣伝文句があります。

 「他との差別化」の為に、まだ誰も使っていない造語を作って使用したり、キャッチーな言葉で教材や商材を宣伝する場合もあります。

 又、「ワクワク」等の、好奇心や感情を煽るような言葉を使ったりもします。

 これはスピリチュアルだけではなく、色々な分野で使用されるマーケティングの手法が使われています。

 

 「他と違うこと」を重視しているので、たとえ必須な事や重要なことであっても、手垢のついたテーマについてはほとんど触れない事もあります。(例えばトラウマとかインナーチャイルドとか)

 かといってその部分を他の人に譲るつもりはなく、「全てをカバーしている」と言って宣伝します。

 本であれば、出版社の編集者に言われて「売れる本」にする為に忖度して、重要な部分を削る場合もあります。

 

  又、スピリチュアルは、その人が本来持っているスピリチュアルな力を取り戻すものでなければならないのに、グッズ自体にパワーがあるかのように宣伝します。

 それは高額であろうと少額であろうと、信者が偶像崇拝に陥ってしまう危険性があるので、エンパワーメントを目的としている人であれば、そういったことはやらないはずです。

 

 スピリチュアルの指導者が、自分が書いた本にサインを入れて数量限定でプレミア感を出して売ったり、サイン会を開催するのも特徴です。

 そういう人は、「アセンションの為」と言いながら「自分を売り込むセールスマン」になってしまっています。

 スピリチュアル業界で自分より後から出てきたスピリーダーが、自分より人気が出ると嫉妬したりします。 

 

 そして、何年か経ってそのコミュティに、トラウマやエゴに囚われて低い次元に留まっている人が多数いることがわかると、今度は「スピリチュアルは自己責任だから」とか、「タイムラインの流れが変わったから」と言ったりします。

 

 まだそのワークや教材を使用していなかった人なら「これが有効ですよ」と勧めればいいわけですし、既に使用した人なら「どういう指導をすべきだったのか」と考えて修正するのが執行責任です。

 しかし、スピリチュアル消費材アイテムの場合は、その存在を切り捨てることでそのまま前に進もうとします。

(更に別の教材を売りつけようとする人もいますが)

 

 建築や物販の場合だと成果物が目に見えるので、執行責任を問いやすいですが、スピリチュアルな分野は目に見えないので、非常に曖昧な表現でも通ってしまいます。

 ですから、「これが今の高次元の流れだから」と言われてしまうと、「そうなのかな」と思って引き下がってしまいがちですよね。

 それに、いくらでも支持者に覚醒したと思い込ませる事は可能ですから、そもそもスピリチュアルな進化ができていないという事を自分で認められる人はあまりいないのです。

 

  スピリチュアル消費材アイテムに引っかかってしまった場合、その人のスピリチュアルな進化はそこで止まってしまいます。

 スピリチュアルな道の探求は元々、自分主体で求めて行くものですから、自分で見極めていくしかないのです。