共依存とは、”人間関係そのものに依存する”というアディクション(中毒)の状態を表した言葉です。

 依存に「共」がついていますが、自己評価やアイデンティティをお互いに委ねあっているのです。

 相手から求められたり評価されることで自分の存在価値を見出しますから、相手への評価もおのずと「自分を支持してくれているか」「頼ってくれているか」という尺度になります。

 

 そして特徴的なのは、依存して来る相手が本当に自立する事は求めていないということです。

 具体的な例で言うと、アルコール依存症の夫に献身的に尽くす妻がいたとします。

 妻はその夫を支えていると主張しますが、禁断症状が出て可哀そうだからと、アルコールを与えたり等、夫が依存行動を取るのを陰で助けていたりするのです。

 これを「イネイブリング」(可能にするの意味)といい、”献身的な”妻は「イネイブラー」と呼ばれます。

 

 なぜ夫が依存症から抜けられないように陰でコントロールしているかというと、夫が自立してしまったら、妻は夫の世話をするという存在価値が無くなってしまうからです。

 その根底には「自分自身に向き合いたくない」という裏の動機があり、「問題があるのは夫の方で、妻の自分は問題が無い」と思っていますが、病んでいるのは両方の人なのです。

 

 これは家庭だけではなく、職場でも起こりうることです。

 遅刻を繰り返す社員、仕事をサボって同僚に仕事を押し付ける社員、ミスが多く全く反省しない社員等、問題社員に対して適切な対処ができず、その関係性に巻き込まれているだけの上司は、共依存と思って良いでしょう。 

 

 そして、共依存状態に陥っていても、それが本当の人間関係やハートの交流だと思っている節があり、それは子供の頃に育った機能不全家庭で親密な人間関係を築けなかった場合、大人になってから陥ってしまう人が多いようです。

 

 これがスピリチュアルコミュニティのリーダーだった場合は、どうなるでしょうか。

 精神的な問題を抱え、意識の罠に陥っている人でも、自分を支持してくれる人なら「覚醒者」として扱います。

 自分にとって他人からの評価が全てだからです。

 スピリチュアルな成長には霊的な土台をしっかり建て直す必要がありますが、「私の支持者であれば、あなたはもう覚醒していますよ」といった具合です。

 そして陰で、支持者が本当に自立する方法ではなく、小手先の方法を教えます。

 小手先の方法なので、何も問題は解決せず、ずっと依存し続けることになります。

 

 このようなスピリチュアルリーダーの元にいる人のほとんどは、既に覚醒者として扱われている事により、霊的成長を求めてわざわざ辛い思いまでして内面を見つめることはしません。

 本当の霊的成長を求めるのであれば、他のリーダーを探すか、一部の情報だけを利用してあとは自分で見出しますよね。

 

 このようなスピリチュアルリーダーの特徴は、常に自分が上の立場でいてマウントを取りたいため、コミュニティの誰かが対等な、又はそれ以上の霊的成長を遂げる事を非常に嫌います。

 ですから、覚醒してしまったコミュニティ参加者は疎まれる存在となるでしょう。

 

 その結果、そのスピリチュアルコミュニティは、「偽の覚醒者」でいっぱいになります。

 これを「アストラルブリス」(アストラルの至福)といいます。

 そしてそのスピリチュアルコミュニティの集合意識は低いバイブレーションで振動しますから、4次元のタイムラインに取り残されていきます。

 地球は次元上昇を続けているので4次元のタイムラインは崩壊し、そのスピリチュアルコミュニティの集合意識及びそれに接続している人は、ファントム領域に固定されてしまうことになります。

 なぜその状態から抜け出さないかというと、それがぬるま湯に浸かっているみたいで気持ちいいからです。

 

 様々なコンテンツやイベントやセミナーを高額で提供しているスピリチュアルコミュニティのリーダーの方とお話をしたことがあります。

 熱心に参加して多額の資金を投じているメンバーが、第2チャクラに異常な性エネルギーが蓄積されていて、女性向け風俗やエロ系の漫画にハマっている事に関して、それを知っても「彼女には性的なトラウマがあるからしょうがないよ」とサラッと言っていました。

 しかしそのリーダーの方は表向き、その女性メンバーの方のSNSを紹介していたりして、彼女を「覚醒者」として扱っていました。

 

 ちなみに、私がいつも翻訳を載せているリサ・レネイさんのスピリチュアルコミュニティでは、コミュニティの集団瞑想によって一人一人の波動が引き上がるものの、「極度のトラウマを抱えた方の受け入れは行っていない」とハッキリ明記されています。

(「トラウマを癒す為のツールは提供するけど、他人にどうにかしてもらおうという人は受け入れていませんよ」という意味です)

 

「私達のゴールは、アセンション情報を提供することであり、人々が必要と考えるものを外から与えるのではなく、人々が自分自身の中に存在する探しているものを見つける手助けをすることです。」

「ネガティブエゴのパターンや依存症の解消など、精神的に破壊的な行動を癒すことに責任を持つこと、そしてマインドコントロールや霊的な執着に対する脆弱性を招くような高リスクの習慣を避けること」

とのことですので、スピリチュアルな探求をせずに依存するだけの人はコミュニティへの参加資格は無いようです。

 もちろん、そのような状況では共依存状態は発生しえません。