災難に逢う時節には災難に逢うがよく候
死ぬる時節には死ぬがよく候
是はこれ災難をのがるゝ妙法にて候
結論を言えば、「災難に逢ったら、もうすでに逢ってるんよ。だから不安も何もあったもんじゃないんよ。もうすでに逢ってしまってるんだもの、不安に思うことなんてできもしないんよ」、ということです。良寛さんのいう災難をのがるる妙法といいますのは「あるがままを受け入れる」というよりも、「もうすでにあるがままを受け入れている自分でいること」ということになりましょうか。良寛さんは、もうすでに誰もがそうしていることをそのまま述べただけなのです(それがすごいことなんですが)。誰も災難から逃れることもできないし、永遠に生き続けることもできないわけですから、私たちは一人残らず、この妙法の体現者ということになります。よかったよかった。