今日は大阪地方裁判所で、障害厚生年金不支給についての裁判の判決が言い渡されました。
原告(訴えた障害年金を不支給にされた方)の全面勝訴です。
障害厚生年金を請求するためには、初診日(障害のもとになった病気やけがで初めて医療機関にかかった日)の特定が必要です。
そして、基本的には医療機関が発行する受診状況等証明書、若しくはそれに代わるような客観性の高い受診の証拠(日付の入った診察券、領収書、薬袋、身体障害者手帳の診断書、保険請求の診断書等)が求められます。
しかし、医療機関のカルテ保存義務は最終受診日から5年間であるため、初診から相当年数がたって障害の状態になり、請求しようとしたときに証明が取れないということも多々あります。
この事例では、ご本人は受診をした時期についてはっきりと記憶があり、受診結果を複数の友人に話していました。医師もカルテは残っていないので時期ははっきりしないが、同じ苗字の方を診察した記憶があると「本人申立」による受診状況等証明書を書いてくださっていました。
厚生労働省は、病名を診断した日が初診日ではなく、日常生活に支障がでてから受診した日が初診日であるという主張をし、支障が出たのは退職後であるため厚生年金中の初診にはあたらない。不支給決定は相当であると主張しました。
今回の判決では、原告側の主張が全面的に認められ、当時の詳しい状況、友人の証言内容なども不自然さはなく、十分に信憑性があるとされました。
また、年月の経過等により、証明できる書類等が残っていないことも仕方がないとされました。
また、年金制度の趣旨からも、厚生年金期間中に受診した場合はその時に日常生活に支障がなくても初診日であること、受診した日にちが特定できなくても、年月まで特定できれば厚生年金の金額計算は可能であると障害厚生年金の支給を命じました。
決定に対し、理不尽だと思うことはいくつもあります。しかし、行政裁判を起こすことのハードルは相当高いです。いろいろな思いがあったと思いますが、あきらめずに判決を勝ち取られたことに敬意を表したいと思います。

年金の夏 


