晴れた日曜の午後にふさわしいヴァルス・ミュゼットとよばれるシャンソンでひと時を。

 

 「パリの空の下」は、1951年のフランス映画『巴里の空の下セーヌは流れる(原題:Sous le Ciel de Paris)』(ジュリアン・デュヴィヴィエ監督)の挿入歌として、ジャン・ドレジャック(J. A. Drejac)作詞、ユベール・ジロー(Hubert Giraud)作曲により作られたシャンソンの代表曲の一つです。

 

 ボクもよく勘違いするのですが、1930年のルネ・クレール監督の『巴里の屋根の下(原題:Sous les Toits de Paris)』の主題歌は映画と同名のタイトルです。こちらは当時フランスの映画主題歌としては最大のヒットを記録したそうです。 

 

もちろん「パリの空の下」もシャンソンのスタンダード曲になった名曲で、映画の中では歌手のジャン・ブルトニエールがアコーディオンを弾きながら歌ったそうです(ボクはテレビ放送で断片的には何度か観ていますが、通してはみていません)。 多くの歌手が歌っていることは分かっているのですが、あまりに時代が古すぎてか、YouTubeに上がっている歌唱は意外にも少なかったのが残念です。

 

なんとかエディット・ピアフを始め、イヴ・モンタン、リーヌ・ルノーなどのレコード音源は見つけることができました。 最初に選んだのはシャンソン歌手、ジュリエット・グレコの歌による1960年代頃のミュージックフィルムです。とてもステキです。 なんとフランス語詞の読み方がカタカナで、さらに原詞と対訳が併記されています。映像を見ながら、この歌をマスターできます。  

 

リーヌ・ルノー「パリの空の下」の歌唱は、実に王道で素晴らしい。彼女は1959年から3年半の間「カジノ・ド・パリ」のグランドレビューの主役に選ばれて、レビュー界の女王と呼ばれたそうです。またラスヴェガスでのショウも高い評価を得て、国際的にも活躍したことで知られています。  

 

YouTubeには動画を見つけられなかったのですが、エディット・ピアフの「パリの空の下」のさすがの歌唱はレコード音源です。  

 

もう一人、イヴ・モンタンも歌っています。これはレコード音源を最近リマスターしたものらしいですが、モンタンらしい安定した歌唱ですね。  

 

さらにモーリス・シュヴァリエの味わいにも聴き入ってしまいます。この録音は70歳を優に過ぎたころのもの。やはり“味”と呼ぶべきでしょう。  

 

古い曲にしては珍しく、若手の音楽家たちがこの曲を歌いかつ演奏していて楽しい動画です。グループの詳細は分かりませんが、「Carte Blanche」というニューヨークの6人組ジャズアンサンブルだそうです。 ちなみに「パリの空の下」の次の2曲目は「セシボン」です。  

 

最後はオーストリアのストリングスの帝王、アンドレ・リュウの華麗な演奏です。パリの空の下を思い出しながら聴いてみたいと思います。後半2分くらいからのセーヌ河の観光船に乗ってのオーケストラ演奏もゴージャスで楽しいですよ。お見逃しなく。  

 

ということで、Dupinさんのリクエストで「パリの空の下」でした。ありがとうございました。 

 

気が付けばこのブログも齢を重ねて13年を越えました。もはや記事のペースはスッカリ落ちておりますが、このゆったりペースで続けられるところまで行ってみようと思っております。皆さま、引き続きよろしくお願いします。popfreak