ボブ・ホープという喜劇俳優の代表作といえば、ビング・クロスビーと共演した『珍道中シリーズ』が日本でも人気でしたが、その前の1948年の映画『腰抜け二丁拳銃』でトップコメディアンとなりました。 

 

今日のお題「「Thank You For The Memory」(邦題は「思い出によみがえる」)は、さらに10年前にボブ・ホープの出世作となった映画『百万弗大放送』(原題「The Big Broadcast of 1938」)のために作られ、公開された1938年のアカデミー主題歌賞を受賞したナンバーです。 

 

英語タイトルの語感を聞いただけでその曲のメロディが浮かんでくる映画音楽ファンも多いことでしょう。 では、まずは映画『百万弗大放送』の中で主役のお二人、ボブ・ホープとシャーリー・ロスがこの歌を歌うシーンから始めたいと思います。   

 

次にエディ・フィッシャー。かつてはアメリカを代表するシンガーとして大活躍。ボクはなんといっても「オー、マイ・パパ」が好きでした。日本では雪村いづみさんが歌っていて、このヴァージョンも大好きでした。 

 

一方私生活ではモテモテで、デビー・レイノルズ、エリザベス・テイラー、コニー・スティーヴンスなどの女優たちと結婚、離婚を繰り返したことは知られています。

 

ちなみに映画『スターウォーズ』の初期に登場したレイヤ姫のキャリー・フィッシャーは、デビー・レイノルズとの間に生まれた娘です。 そのキャリーは、2016年12月27日に60歳の若さで亡くなり、母親のデビー・レイノルズはその翌日28日に亡くなるという不思議な出来事に驚きました。 まさにモテキの代表、エディ・フィッシャーの「サンクス・フォー・ザ・メモリー」です。トークの後の歌い出しの間合いが絶妙で、最高に御上手。このトークと歌で多くの女性を虜にしたのでしょうか。  

 

次はエラ・フィッツジェラルドの「サンクス・フォー・ザ・メモリー」レコードヴァージョンです。1955年に発売された曲です。  

 

ミルドレッド・ベイリーといえば、ロッキンチェア・レディの愛称で親しまれたジャズ歌手です。ボクもアルバムを持っていますが、包容力のある歌唱が人気の理由だと思います。ジャケット写真などから、まさか44歳で亡くなったとは思いもつきません。  

 

やはり映画では女優さんが歌ったためか、女性シンガーかカヴァーしているケースが多いようです。ボクの大好きなアニタ・オデイ姐さんも「サンクス・フォー・ザ・メモリー」を小粋に歌っています。  

 

めずらしくプラターズがレパートリーにしていました。アメリカン・スタンダード曲をたくさん日本に紹介してくれた彼らの歌唱は忘れられません。  

 

まだボブ・ホープとのコンビを組んでいたわけではありませんが、ビング・クロスビーも「サンクス・フォー・ザ・メモリー」をソフトにクールに歌っています。1938年のビングのショウから。  

 

思えば、上記シンガーはすべて故人ばかり。なんとか現役歌手が歌っていないかと探したところ、ステイシー・ケントが爽やかに歌っていました。ああ、良かった。このヴァージョンはイントロが長く、歌は1分30秒からです。  

 

「サンクス・フォー・ザ・メモリー」の歌詞は、思い出の数々を思い出しながら、思い出よ、ありがとうという内容です。いつの時代もどこにあっても共感できるテーマだと思います。 ボブ・ホープは、その後この曲を自分自身のショウのテーマソングに使っていたそうです。YouTubeにTVショウが1本上がっていましたので、ご興味のあるかたはご覧ください。ご参考までに。