1934年映画主題歌。これは1932年のミュージカル『陽気な離婚』(The Gay Divorce)(コール・ポーターが全曲作詞と作曲した)が映画化されて付けられたタイトルが『The Continental』で、その映画では主演のアステア=ロジャーズの踊り用に映画タイトルと同名の新曲「The Continental」が追加で付け加えられました。

 

作詞はハーブ・マジソン、作曲はコン・コンラッド、当然コール・ポーターではありません。なんとこの曲が第一回のアカデミー主題歌賞を受賞することになります。 

 

ですから、この曲や映画にまつわる記事や評伝には「コンチネンタル」がコール・ポーターの作だと間違って紹介されたり、また映画のタイトルが『陽気な離婚』であるとか、混乱した記事が多いのはそのせいかもしれませんね。 さてボクの少年時代からの憧れのスター、フレッド・アステアの登場です。

 

 最初は、映画『コンチネンタル』の中でアステアとジンジャー・ロジャーズの二人が華麗に踊り、ジンジャーが歌うシーンがありました(2:10まで)。また5:00からは主演のフレッド・アステアとのダンス場面も素晴らしい。ホレボレします。  

 

アステア・ファンのボクは、Verveレコードのフレッド・アステアのLP3枚組BOXセット『THE ASTAIRE STORY』を持っています(最初の写真です)。

 

さて最も早い時期の録音でしょうね。1934年にレオ・ライスマン楽団が録音した「コンチネンタル」の演奏と歌。歌はライスマン自身で、当時のビッグバンドの演奏流儀に従って、1:40~あたりの箇所から歌が始まります。スウィングジャズ全盛を思わせるスウィートな演奏です。  

 

さて50年代から活躍を続けたローズマリー・クルーニーが、ハリー・ジェイムズ楽団をバックに歌っています。このレコードは、アレンジが実にステキです。1952年の発売です。  

 

御大フランク・シナトラも、「コンチネンタル」を軽妙な歌唱で録音しています。この軽軽なスウィング感はワン・アンド・オンリーだと思い知らされます。お見事。  

 

最後は、一時日本でもレコードが発売されていたモーリン・マクガヴァンも「コンチネンタル」を録音しています。イギリスの女性歌手で、1976年にイギリスでスマッシュヒットしたそうです。  

 

第一回アカデミー主題歌賞を受賞した「コンチネンタル」。そもそも○○賞といっても後に有名になる前の第一回目の受賞曲などは、意外と知られていないかもしれませんね。

 

 1959年に第一回日本レコード大賞を受賞した「黒い花びら」(永六輔・作詞、中村八大・作曲)も、受賞が決まってその報を知らされた歌手の水原弘は、「レコード大賞?なんだそれ?」っていったそうですから・・・。