1962年制作のイタリア映画『太陽の下の18才』(原題:Diciottenni al sole)の主役を演じて、日本でも大人気となったカトリーヌ・スパーク。1945年生まれなので、撮影当時は18才未満だったのかもしれませんね。

 

 この映画の音楽はエンニオ・モリコーネが担当し、この主題歌としてヒットした「サンライズ・ツゥイスト」も(イメージが違いますが)モリコーネの作曲です。 

 

ところがこの映画の主題歌として作られた「TWIST NO.9」(当初はシングル盤のA面)よりも、この「サイライズ・トゥイスト」のほうがヒットして楽曲のタイトルが主題歌のタイトルを混乱させることになりました(なんて、いまさら言ってもね、笑)。 

 

なにはともあれ「サンライト・ツイスト(原題は「Go-Kart Twist」で、サンライトという言葉は出てきません)が流れるキュートなカトリーヌ・スパークの映画のシーンです。歌っているのはジャンニ・モランディ。  

 

次はイタリアで放送されたTV番組で、流れるジャンニ・モランディの「サンライト・トゥイスト」をバックに若者が踊っている映像です。1962年だそうですが、この頃はアメリカの『Soul Train』みたいな番組がイタリアでは主流だったのでしょうか。  

 

われわれにとってはお馴染みのこのトゥイスト曲、意外やイタリアでもカヴァー録音が殆どありません。かえって日本人の女性歌手の日本語ヴァージョンが多くあり、3人の歌唱をYouTubeから発掘しました。共に1963年の録音です。 

 

まずは、伊藤アイコの「サンライト・トゥイスト」です。ちなみにジャケットに表記されているように、A面が「TWIST NO.9」(これが「太陽の下の18才」という映画タイトルの下に書いてあるのでややこしい、笑)、B面が「GO-KART TWIST」と英語タイトルが表記され、邦題は「サンライト ツイスト」となっています。つまり映画のための主題歌~挿入歌という組み合わせを正統的にA・B面で引き受けてます。  

 

次は、ザ・ピーナッツを始めアメリカのポップスのみならずヨーロッパのヒット楽曲を所属アーティストに多くカヴァーさせていた渡辺プロの面目躍如。木の実ナナの「サンライト・トゥイスト」です。  

 

日本語カヴァー3曲目は、青山ミチのパンチが効いた「恋のゴー・カート」です。この邦題でいく正統派の姿勢はアッパレです。ちなみにこのシングルジャケットでは「太陽の下の18才より」と小さく遠慮がちに表記されています。  

 

日本のロック・バンド、ムーンライダーズが、なんと彼らの名盤の誉れ高いアルバム『カメラ=万年筆』の中で収録しています。珍しいテレビ番組での鈴木慶一さんを始めとしたムーンライダーズ。貴重な映像です。 

 

このアルバムは、1980年5月発売に発売され、曲名は「太陽の下の18才」となっています。ちなみに作家クレジットは、作詞:Luciano Salce / 訳詞:音羽たかし / 作曲:Ennio Morricone / 編曲:ムーンライダーズです。  

 

ちなみにこのアルバム『カメラ=万年筆』(カメラ・イコール・まんねんひつ)はフランスの映画理論をタイトルに借用したもので、ムーンライダーズのメンバーが観た映画にインスパイアされたオリジナル曲を新創作して録音したアルバムですが、この「サンライト・トゥイスト」は「太陽の下の18才」というタイトルが付いている日本語カバーです。 

 

余談ですが、このアルバム『カメラ=万年筆』に後年、啓発された日本のロックユニット「カメラ万年筆」(これはグループ名)は現在も活動中です(「太陽の下の18才」とは縁もゆかりもありません)。 

 

さて問題をややこしくしたこの映画の主題歌は、ジミー・フォンタナによる「TWIST NO.9」です。歌詞は1番から9番まであり、それぞれNo.1からNo.9までが歌われます。これが映画の本来の主題歌ということなので、こだわりのpopfreakとしては別曲ではありますが最後にアップしました。ふーっ、あーややこし。  

 

おさらい。ジミー・フォンタナが歌った主題歌「Twist No.9」は、日本盤シングルでは「太陽の下の18才」と題されてA面となり、そのB面にはジャンニ・モランディが歌った「Go-Kart Twist」が「サンライト・ツイスト」とカタカナ表記で改題されています。

 

 でも結局日本語カバー盤が各社競作で制作されたのは「サンライト・ツイスト」のほうでした。タイトルも「恋のゴー・カート」(青山ミチ)が正しいのですがその他は様々な表記となり、特に木の実ナナのカバーは「太陽の下の18才」と題されたため、“単に「太陽の下の18才」といった場合には、「Twist No.9」を指しているのか「Go-Kart Twist」を指しているのかが判然としない状態になっている”、とWikiの筆者さんもお手上げです(笑)。 ま、いまとなってはどうでもええ話なんですけど・・・。