オリンピックというスポーツ真剣勝負の力に惹きつけられる毎日ですが、せっかくの機会なので、舞台となっているブラジルの隠れた名曲でも取り上げてみたいと思います。。

曲としての知名度は低い「あの人が来る夜」ですが、29歳で亡くなったシンガー・ソングライター、ドロレス・デュラン(1930~1959)の代表作だそうです。


歌詞の概要;「待ちに待ったあの人が今日わたしのところにやってくる/でもわたしには本当の気持ちであのひとを迎えることができないかもしれない」
(竹村淳・訳)。どういう事情があるのでしょうか?素直に喜べない乙女心が切ないナンバーです。

最初はドローレス・ドゥラン。この曲の作者でもある彼女の自唱です。




珍しい男性の歌唱は、ネルソン・ゴンサルヴェスです。




この曲の代表的な歌唱はマリア・クレウーザだ、と竹村淳さんのオススメの録音です。




ボクが大好きなエリゼッチ・カルドーゾも歌っています。画質が悪いのが残念ですが。




ポルトガル語の歌といえばファドに通じる哀切があり、この曲もブラジル音楽の奥深さを感じさせてくれるナンバーです。


リオ五輪開会式のカエターノ・ヴェローゾとジルベルト・ジルのデュオを見逃してしまって後悔しきりのpopfreakですが、彼らが60年代に起こした音楽運動「トロピカリズモ」によって反体制の旗手とみなされ、ともに不当に逮捕されたり海外に亡命を余儀なくされたことを思うと、感慨深いものがあります。