マイ・コレクション『CTI RECORDS:THE COOL REVOLUTION』
「WAVE」は、1967年に出版されたアントニオ・カルロス・ジョビンの代表曲。オーケストラとジョビンのピアノという組み合わせで発売されたアルバム『WAVE』が世界的に大ヒットしたことでCTIブームが巻き起こったことは広く知られています。
仕掛け人はヴァーヴ・レーベルでプロデューサーとして活躍し、「イパネマの娘」を始めとするボサノヴァ・ブームの火付け役を果たしたクリード・テイラーで、自身の名前をレーベル名に立ち上げたのが『CTI』でした。
マイ・コレクションで自慢(笑)は、CTIコンピ4枚組CDです(上の写真)。輸入盤で買いました。しかし肝心のキリンが海を走るアルバムジャケ(WAVE)が使われていないのが残念ですが、クリード・テイラーがイージーリスニング・ジャズというジャンルを確立した手腕には憧れました。それぞれのジャケットを飾るピート・ターナーの写真もお洒落で、それまでにないクールなアートワークでも一世を風靡しましたよね。
作曲者でもあるアントニオ・カルロス・ジョビンの1986年のモントルーでのライヴ映像と、それに続いて収録されているオスカー・ピーターソン1976年のBBC放送(3分30秒くらいから一瞬キリンのジャケ写が挿入されます。そこからがピーターソンです)
最初は歌なし曲として人気を博した「WAVE」でしたが、ジョビンを評価していたフランク・シナトラが1970年ごろに英語で録音してから歌モノとしても人気がでたというのが定説のようです。
ですから、英語詞が先行したところを、かのジョアン・ジルベルトがポルトガル語で歌ってから、ようやくシックリした感じですね。
ちなみにこの歌い出しは、タモリクラブの人気コーナー『空耳アワー』の定番となっています。♪落ち込んだ~って聴こえますよね(笑)。1983年、ローマでのライヴで若いジョアン。
次はユッタリネッチョリのサラ・ヴォーンです。ライヴ・イン・ジャパン(1973年9月24日、中野サンプラザ)から超絶スローな波。この歌のテンポではサーフィンは絶対無理無理(笑)。
意外と歌ものは少なくて、最後はトニー・ベネット。ボクも好きで愛聴していたライヴアルバム『GET HAPPY』のロンドン・フィルハーモニック・オーケストラをバックに悠然と歌っています。
いいメロディは、時代を経ても色褪せない。「WAVE」はその見本のような名曲ですね。
今回残念だったのは、70年代からこの「WAVE」を気に入って自分のショウのオープニングに使っていたアニタ・オデイのオススメヴァージョンがYouTubeに見当たらなかったことです。
あるにはあるのですが、聴いていただくには忍びず断念しました。あの『真夏の夜のジャズ』で小粋に「ティー・フォー・トゥー」を歌いこなしていたアニタ姐さんも寄る年波には勝てず・・・。まさに「年波」を感じさせる「WAVE」でした。