最近TVでよく見るトヨタ・シエンテのCMには、スペインのクラブ・チーム、レアル・マドリッドのハメス・ロドリゲスが出演しています。彼の出身は南米コロンビアなのに、使われている音楽は、なぜかブラジル産の「マシュケナダ」。ブラジルのジョルジュ・ベンが1963年に作ってヒット、その後セルジオ・メンディスとブラジル66のカヴァーが世界中で大ヒットしました。
このCMにはいくつもヴァージョンがありそうですが、どのタイプにも共通で使われる音楽は聴き覚えがありますよね。
では、作ったご当人ジョルジュ・ベンの1963年のオリジナル・ヴァージョンを聴いてみたいと思います。
次は世界でヒットしたセルメンの「マシュ・ケ・ナダ」です。お馴染みですね。
この動画をじっくり鑑賞してみると、どうやら音はレコード、映像は別テイクのようですからズレて若干違和感がありますが、ライヴの雰囲気を伝えてくれるので楽しいです。最後のセルジオさんの愛想笑いもステキ。
Sergio Mendes + Brasil 66 - MAS QUE NADA - In Stereo!
4年ほど前に由紀さおりさんがピンク・マルティーニと共演したアルバムでもカヴァーしています。ボクはこのCDの発売日に渋谷のタワレコの邦楽売り場に買いにいったのに店員さんがご存じないみたいで、「は?誰の?」「由紀さおり?」「新譜CD?」とケンもホロロ。
そこで店員さんを見限って自分で商品棚を探したところ、ラックの最下段に1枚だけ在庫してあるのを発見。レジでそっと出して買った“苦い思い出”があります(時代遅れのオヤジ的に見られたのでしょうか。マジ苦笑しました)。
このCDはその後大いに売れたので、その店員さんも後になって追加注文したことでしょう。
由紀さおりとピンク・マルティーニのアルバム『1969』より。
さてブラジル生まれの小野リサも実にゆったりしたテンポで歌っています。セルメン「マシュ・ケ・ナダ」のレコードを聴いて育った身には、この曲にあまり“ボサノヴァ感”を感じませんが、小野さんにかかるとジャズもスタンダードもすべて脱力して聴けるのので大好きです。
次は、アメリカ音楽家たちのスーパー・セッション的なスゴイ映像です。
1993年に、アル・ジャロウの録音に集ったSteve Gadd(dr), Marcus Miller(b), Eric Gale(g), Joe Sample(p), Paulinho Da Costa(perc), Neil Larsen(key)たちのセッションです。YouTubeスゲェ!!
最後は再びセルメンですが、ブラック・アイド・ピーズとのセッション・ライヴです。BBCでの放送らしいのですが、ボクはこのグループの女性VO、ファーギーが結構好きなのです(汗)。良いですよね。(かつてこのグループを横浜国際の夏フェスで観たことがあり、以来ファンです)
ブラジルのジョルジュ・ベンが創り・歌い、セルジオ・メンデスとブレジル66が世界でヒットさせ、アメリカや日本でもカヴァーされる。今から10年ほど前にもちょっとした「マシュ・ケ・ナダ」リヴァイヴァル・ブームが巻き起こった記憶があります。
それがいまやトヨタのCMに出演しているコロンビア出身のサッカー選手のバックに流れるだなんて、いい曲は世界と時空を超えるというお手本ですよね。