忙しいと映画が観たくなることって、ありませんか?

この一種の逃避行(笑)願望に抗いがたく、先日ウディ・アレンの話題作『ミッドナイト・イン・パリ』を観てきました。知的エスプリ溢れる好みのタイプの映画でした。

なかにpopfreak好みの作曲家、コール・ポーター(役)がピアノを弾きながら歌うシーンがあります。1920年代のパリににタイム・スリップした主人公が、とあるパーティに迷い込みます。

Let's Do It, Let's Fall In Love written by Cole Porter 1928




コール・ポーターの歌を録音、歌唱している歌手は星の数ほどあれど、やはりこの人の歌唱はすごいです。
エラ・フィッツジェラルド(TV出演の映像)



この曲は、コール・ポーターの初ミュージカル『パリ』のために作られました。ウディ・アレンはさすがにパリねたを見逃しませんね。

後にこのミュージカルは、1960年に『カン・カン』というタイトルで映画化され、主役のシナトラとシャーリー・マクレーンが“いちゃいちゃ”しながら歌っています。
人がいちゃいちゃしているのを見るとむかつくかたには、お薦めしません。しかも歌は2分15秒くらいから始まりますが、それまでは単なるいちゃつきシーンです。飛ばしてご覧ください。





ボクがウディ・アレンに見てほしいのは、この映画で使われたこの人のヴァージョン。
コール・ポーターの自伝的映画『五線譜のラブレター』(2004)に出演し、水玉のかわいいワンピースを着てこの曲を歌うアラニス・モリセット。



一時アラニスにはまっていたボクは、10年くらい前でしょうか、横浜までアラニスのコンサートに行って感動した記憶がよみがえってきました。



さて大御所、ビング・クロスビーも歌っています。ただし1分40秒くらいたってからなので、お急ぎのかたはクリックして歌の箇所からお聴きください。こちらは静止画ですから、いちゃつくシーンなんかありませんので。

Bing Crosby



コール・ポーターの作る歌詞には、"Love For Sale"(恋は売物)をはじめ、物議をかもす内容のものが少なくありません。これもその一つ。だって“アレ、しましょ!”って(汗)。鳥だって、蜂だって・・・ってね。

Cole Porter自身




カルチャーなエンタメを求めておられる方にお薦めの『ミッドナイト・イン・パリ』。

されにコール・ポーターに関心をお持ちのムキは、DVDで映画『五線譜のラブレター』もいいですよ。