ある時FMラジオで聴いた曲が忘れられずに懸命に探したことがありました。YouTubeどころか、パソコンを使うよりずっと前の時代です。

歌はデュエットで映画の主題歌であることだけは分かっていました。澄んだ女性の歌声には聴き覚えがあり、メロディ・ラインも終盤の盛り上がりもどこか懐かしさを感じさせてくれる完成度の高いナンバーでしたが、なかなか探し当てることができませんでした。

1年くらい経ったある日、中古CDショップで見つけたサントラアルバムにそれらしき曲がフューチャーされていたのです。

あてずっぽうで、中古とはいえCDを買うのは勇気がいりますが(といいながら、同じように試聴せずに買って大失敗の例多し!)、こればかりは大当たりでした
$♪blowin' in the musicアメリカ物語・サントラ


今もダイナミック・オーディオのシールが貼られたままですが、聴くのはその曲のみです。でも値打ちがありました。

それはアニメ作品『アメリカ物語』の主題歌でした。動画ではありませんが、歌詞も素晴らしい。サムネイルの下に貼り付けておきます。

聴きながら歌詞を追っていただければ、このシンプルな歌詞の深い意味を読みとることができます。




Somewhere out there beneath the pale moonlight
Someone's thinking of me and loving me tonight

Somewhere out there someone's saying a prayer
That we'll find one another in that big somewhere out there

And even though I know how very far apart we are
It helps to think we might be wishing on the same bright star

And when the night wind starts to sing a lonesome lullaby
It helps to think we're sleeping underneath the same big sky

Somewhere out there if love can see us through
Then we'll be together somewhere out there
Out where dreams come true

And even though I know how very far apart we are
It helps to think we might be wishing on the same bright star

And when the night wind starts to sing a lonesome lullaby
It helps to think we're sleeping underneath the same big sky

Somewhere out there if love can see us through
Then we'll be together somewhere out there
Out where dreams come true


いかがでしょう。1986年に作られたとは思えないアメリカン・ポップスの王道をいく名デュエット曲ですよね?

これを作ったのは、バリー・マン(作曲)とシンシア・ウェイル(作詞)の夫婦のヒット・メーカー・コンビです。

このお二人による代表的なヒット曲は、1965年にライチャス・ブラザーズがヒットさせた「ふられた気持ち」(原題:You've Lost That Lovin' Feeling)やイーディー・ゴーメの「恋はボサノバ」などですといえば、納得していただけるでしょう。ヒットのツボを押さえた“名曲方程式”で作られているような気がします。

ところでこの曲、同年のアカデミー主題歌賞にノミネートされましたが、とれませんでした。大賞は「トップ・ガン」でジョルジオ・モローダー。

かのドナ・サマーのプロデューサーとして名をはせたジャーマン・ディスコの総帥です。そうえいばトムクルの『トップ・ガン』は観ましたが、主題歌は覚えていません。いい曲が大賞をとれるとは限らないという例は、日本レコード大賞でもよくあることです。

八代亜紀の「舟唄」もとっていませんから・・・。

このサントラには、同じ「Somewhere Out There」を子供たちがデュエットしている心和むヴァージョンも収録されています。

これがまたいいんんですよ~。

Track 8 Somewhere Out There/sung by Chidren



ボクは気持ちがダウナーになったとき、この2曲を続けて聴くことがよくあります。名曲はボクの心のクスリみたいなものです。

あるいは結婚式の最後の演出にピッタリの曲かも知れません。


この曲を聴くと、アメリカ・ポップス界を支えたティンパンアレイの代表作家たちの、名曲作りの意気込みが伝わってきそうです。

ちなみにこの映画のプロデューサーは、スティーヴン・スピルバーグ、音楽はジェームス・ホーナーです。ジェームス・ホーナーは、これから約10年後に『タイタニック』の音楽で大ブレイクしましたね。



【余談ヴァージョン】

YouTubeを検索していたら、4歳の女の子がテレビのオーディション番組で「Somewhere Out There」を歌っている映像に出くわしました。

なかなか可愛い歌唱ですが、これもサントラ収録の子供ヴァージョンがあったからこそ参加曲になったんでしょうね。

ご興味のムキはご覧ください。

KAitlyn Maher(4 yeas old singer) on America's Got Talent




また機会をみて、名曲デュエットも探してアップしようと思います。